じぃじと回復魔法と召喚魔法と亜空間倉庫の活用法!
修正、 ガルドから送られてくるものの部分を修正、
食材→酒
じぃじと回復魔法と召喚魔法と亜空間倉庫の活用法!
は~い皆さんこんばんは~、あれからすぐに夕食の準備と相成りました。
しかし今日は少し出会いがありましたね、ゴーくんにダンくん、そして身の危険を覚えたメイちゃん。
そして一週間ぶりのベア様、結構お疲れの様子でしたね。そしてアルト様もおつかれ具合が半端無かったですね……書類仕事って貯まると気力が下がりますよね、特に終りが見えないと。
まあそんな事考えながら料理してたら「っつ、あちゃ、ちょっと指切っちゃった」
他の事考えながら包丁握っちゃダメですね……今度から考え事するなら分割思考使わないと。
まあ指を切った途端後ろで見学していたじぃじが心配して駆け寄ってきました。
「大丈夫か!?」危ないのですぐに包丁はまな板の上に起きました。
じぃじが直ぐ様傷口を水魔法で洗って直ぐ様「このぐらいの傷ならすぐにジィジが直してやるからな」
そう言うとすぐさまじぃじは詠唱に入る。
「世界に満ちる命の力よ、我が魔力を対価とし、傷つきし者の傷を癒やし給え……ヒール!」
じぃじが魔法を唱えるとやさしい緑の光が切った手を包み込み、あっと言う間に傷口がふさがっていった。
これが……回復魔法……。ファンタジーっていったら攻撃魔法とかも真っ先に浮かぶけど、やっぱり回復魔法って奇跡の代名詞って言えるよね! そしてじぃじの回復魔法を見て気がつけば素直な感想が口から出ていた。
「ウィロウじぃじ……すごぉぉぉい!」
「ふぉっふぉっふぉ、伊達に精霊になっとりゃせんわ……それよりも料理中は気をつけんといかんぞ!」
「ごめんなさい」
そう謝罪するとウィロウじぃじは「よしよし、これからは刃物を扱う時は気をつけるんじゃぞ」
そう言って頭をなでなでしてくれました。
その後は特にミスすること無く調理をして晩御飯の準備ができました。
今日の晩御飯は今朝作ったチャーハン(パエリア風)です、今回は昆布の出汁と魚醤、それに少しお肉を加えた改良版です。
なんで夕飯にチャーハンかというと、じぃじも食べたくなったそうなのでリクエストされたからです。
「う~ん、この火を入れたご飯と野菜、そしてお肉が口の中を喜ばせおるわ、魚醤に昆布の出汁が加わりそれがまた料理をぐっと美味しくしておる」
じぃじの顔がすっごくほころんでチャーハンを口に運ぶ度に笑顔が溢れる、やっぱり美味しいご飯ってそれだけで人の心を和ませるだね……人じゃなくて精霊だけど。
けどやっぱり暖かくて美味しいご飯はそれを食べるだけで幸せな気持ちになれるよね! それに今日はお昼をあんまり食べれなかったしね。
「ふぅ、久しぶりのうまい飯は身体を満たしていくの~」
「お粗末さまでした」
じぃじの要望で多めに作ったとは言え、まさか5人前分のチャーハンの内4人分を軽く平らげるとは、見た感じ、まだまだあのお腹には入りそうだ……、てか精霊にお腹いっぱいとかあるのかな? 疑問に思って聞いてみた。
「ねぇじぃじ、質問いい?」
「ん?どうしたんじゃ?」
「じぃじって精霊だよね?」
「そうじゃぞい、そこにある大樹の精霊ウィロウじゃ」じぃじは誇らしげにそう名乗る。
「精霊ってお腹があるの? と言うか、お腹が減るの?」
「ふふふ、良い所に気付いたのう。まず最初の質問じゃがこの体にお腹と言う概念は無いのう、次の質問じゃがある意味ではおなかが減るというのはある。」
なんだろう、矛盾しているような答え方をされた。
「お腹がないのにお腹が減るの?」
「そうじゃのう、おなかがすくのはまあ例えのようなものじゃな、儂の場合は魔力が減った時なんかを腹が空いた、という風に感じるんじゃよ」
「じゃあ、お腹が空いたのはさっきの回復魔法を使ったせいなの?」
「いんや、あの程度の魔力でおなかがすくならこの空間の維持なんぞできゃせんわい」
じぃじはそんな感じで笑っているけど、じゃああの量は……。
「単純にお前さんの料理が美味かったからじゃな、ちなみに食べた分は供物として食べた瞬間に儂の魔力に変換されておる。それにしても本当にうまかったわい」
お腹いっぱいになったかのような仕草でお腹を擦る姿は人のようだ、いや何も知らない人が見たらまず間違いなく普通のお爺ちゃんかな。けれど気になる単語もあったのでもうちょっと質問を続けてみる。
「美味しかったならよかった、それにしても供物って?」
「供物と言うのは捧げ物のことじゃな、お前さん確か悪魔召喚の魔法は見たことあるそうじゃな」
「うん、鍵を探していた時に魔法陣から出てくるのを見たよ」
あれ以外にも大っきな魔法陣も見たけどね。
「あれは召喚魔法と言ってな、精霊や悪魔等の存在を呼び出す魔法なのじゃ、まあ人間は精霊召喚や悪魔召喚等と言って分けておるようじゃがな」
「じゃあ、あのインプも召喚魔法で呼び出されたの?」
「うむ、そして供物、これは呼び出すための対価じゃな、自分の力以上の力を持つ存在を呼びだそうとすればそれ相応物を捧げることになるじゃろうな、これは呼びだそうとするものに依って変わるじゃろうな」
ふむふむ、じゃああの時の魔法陣の反応からすると僕の血っていいものだったのかな?
「召喚魔法は大まかな流れとしては、呼び出す存在に対応した魔法陣を描き、己の魔力や供物などの対価を用意して交渉、そして契約を成立させて初めて呼び出せるようになるんじゃよ」
「じゃあ、召喚魔法って使う度に供物が必要なの?」
「まあそうなるのう、自分の力以上の存在を呼びだそうとするなら必然的にそうなる、じゃから召喚魔法は基本的には供物なしじゃと召喚者より弱い存在を呼び出すことになるのう」
「ふ~ん、ん? 基本的には? じゃあなにか基本以外があるの?」
「うむ、いくつか例外があってな、分かりやすいので行くと呼び出す存在と戦って召喚者を認めさせることじゃな、この場合は呼び出すのに必要な物は最低限で済むんじゃよ」
「つまり戦って勝って自分のほうが強いって認めさせるの?」
「うむ、あながち間違っていはいないが何も必ず勝たなければならないわけではない、相手に自分を認めさせれば負けても構わないってことじゃからな。それ以外にも分かりやすいのが好かれることじゃな」
「好かれる?」
「うむ、呼び出す存在の中には相性というのもあってな、その相性が良くて相手に好かれればそれだけで契約が成立してしまうこともあるほどじゃ、言ってしまえば友達になることじゃな、友達になれたのなら向こうから助けてくれるし、上位の者であれば加護なんかをもらえることもあるのう」
あ~、テンプレな勇者とかによくあるやつか、精霊に好かれ、加護を受けた勇者が聖剣を引き抜いて魔王を討伐するとかありそうな感じだな~。
「なるほど、じゃあ召喚魔法って相性が大事なんだね」
「そうじゃのう、相性が悪いと呼びかけ自体に応じてくれんからのう」
そうしてウィロウじぃじの召喚魔法の説明の後、もう一つの質問をしてみた。
「そういえばじぃじはさっき回復魔法使ってたけど、魔法を習った時に教わった限りだと回復魔法ってすごく珍しいんだよね?」
そう、この世界だと回復魔法が扱える人って結構珍しいのだ、それ故にポーションの需要が高いのです。いかに質のいいポーションを揃えられるかで冒険の生死を分けるとさえも言われる事もある。
それだけに回復魔法というのは珍しいのである。
「まあそうじゃのう、儂は精霊じゃから何の問題もなく使えるんじゃがな……お前さんも使えるかどうか試しててみるかの?」
そう言われてじぃじの回復魔法のレクチャーが始まったのだ、まあ結果としては使えてしまったのよね。じぃじもビックリはしていたけどなんか納得しているみたいです。
「やっぱりお前さんは全属性持ちじゃな」
「全属性持ち?」
「人には何事も向き不向きがあるんじゃが、魔法にもそれは言えるのじゃが偶にいるんじゃよ、どの属性にも適応のある者、全属性持ちと呼ばれるものじゃな」
ここで補足するなら不向きでも努力すれば使えないことはないらしいんです。ただその不向きな属性を頑張るより適正のある属性を伸ばした方がはるかに有用とされています。
例えば火属性に適性のある人がそのまま火属性を伸ばす労力に比べて、苦手な水属性を上げようとすると得意な属性を上げる労力の5倍から10倍必要とまで言われるからです。
「まあその分器用貧乏にもなったりするから注意が必要じゃがな」
「何事にも落とし穴があるんだね……気をつけないと」
そしてそんな所にチカチカと視界の隅に点滅するマークが、これはチャット? じぃじもいるのでメモリーズブックを取り出してみる。
「ん?どうしたんじゃ?」
「なんかパパたちからの連絡みたい」
そしてパーティー機能のチャットを起動するとそこには ガルド「今大丈夫か?」との文字が
ちなみに入力は思うだけでできるので初心者にも安心なのだ、なのでこちらからも返信を入れる。
娘:どうしたの?
ガルド:う~ん、ちょっと試したいこととお願いがあってな……
娘:何を試すの?
ガルド:亜空間倉庫で物が送れるかどうかだな、こっちで倉庫に入れたものをそっちで回収できるかどうか
あ~、そう言う使い方か、でも倉庫自体はせいぜいスーパーの買物カゴ程度の大きさだから、余り大きなものは入らないんだよね。でもパーティー機能を使えばもしかしたらいけるのかな?
娘:は~い、じゃあ何送るか教えて、物によっては食材庫で取り出すから
ガルド:了解だ、送るのはこっちで買った酒だな
娘:そう言えばパパ達は一体どこに行ってるの?
ガルド:今いるのはドヴェルグ大陸だな、こっちは森が少ないからベルが使いづらいんだ
娘:随分と遠い所に行ってるんだね……
ドヴェルグ大陸とはドワーフ達が主に住んでいる大陸である。こちらは火山帯で鉱物資源が豊富なのだがその分、森林や平原といった限られていて、基本的に全ての森林や平原は国が管理しているとのこと。
なのでうかつにベルを使うと不法侵入で捕まることも有るとか……。
代わりに鉱物資源とかが豊富なので鉄鋼業等々が発達して賑わっているそうですね。
と言うわけで食在庫に移動してから、亜空間倉庫移動のお試しをしてみます。
はい、結論としては出来ましたね、ただちょっと問題が在りました。
【離れた所にいる他者の入れたアイテムを亜空間倉庫から引き出す場合、相手の許可とサイズによって使用するMPが変わります。今回は10MPを使用します、引き出しますか?】と出たのだ。
何事もそうそううまくはいかないものですね……、けれど今回は問題ないのでMPを支払って引き出します。ガルドパパの方からも許可がでたのでアイテムを受け取ることが出来ました。
そして出てきたのはお酒でした、そうだよね、ドワーフの国に行ってるんだからやっぱりお酒が人気だよね、ドワーフの身体の半分は酒で出来ているなんて言葉もあるみたいだし。
そして送れることがわかったらどんどん送られてきます。そして10本目のお酒が送られてきた所で一つ毛色の違うのが来ました。気になって鑑定してみたところまさかの物がきました!
【味醂】
【鳥人の大陸、【バードウインド】で生産された特殊な米からお酒を生産しようとして生まれた調味料、近年出来たばかりで余り広まっていない。甘みが強く、魚等の生臭さを抑え、食材に味が浸透する助けをし、素材の煮崩れを防ぐ等々の効果がある。ちなみにお酒としても飲まれることもしばしば】
娘:ガルドパパ、これどこで見つけたの?
ガルド:ん?今送った酒か?街の酒蔵に行ったら置いてあったんだが何かあったのか?
娘:これ、調味料です
ガルド:!?
娘:できれば帰ってくる時に何本か買ってきてもらえると美味しいのが作れるかも
ガルド:分かった、食材とかも明日買ってこよう……それですまないんだがお願いが有るんだ
娘:どうしたの?
ヴェルグ:頼む!晩御飯作ってくれ!
娘:………
え? これは一体どういうことなの!? 確か今街にいるんだよね、なんでまた?
娘:作るのはいいんだけど、何があったの?
ヴェルグ:簡単に説明すると、こっちの飯はまずくはないんだよ、ただお前さんの料理を食べた後だとどうしてもな……、量は食べて腹はある程度満たしたんだが口直しにお願いだ!
ガルド:と言うわけなんだ、物の輸送が出来ると分かったのでお願いしたいんだ
人は上を知るとなかなか下の生活には戻れないって言うけど、これは仕方ないよね。でもそれだけ求められるのは悪い気はしないかな、むしろちょっとうれしいかも。
娘:じゃあ今から作るからしばらく待ってね、食在庫からもお肉とか使うけどいいよね?
ヴェルグ:気にせず使ってくれ!食材はまた買いに行けばいいからな!
ガルド:すまないな、なるべくこういう事は避けるべきなんだろうが
娘:きにしないきにしない、僕としてはこうして頼られるのは嬉しいんだから
ガルド&ヴェルグ:ありがとう!
こうして、夜食のチャーハンを作ることになったのだった、折角なので明日の朝の分も作ることにしたのだけど、竈を複数使うことになったので結構大変だったのだ。
美味しい匂いに我慢できずにウィロウじぃじも食べ始めたのは余談である。
その後、片付けやお風呂等々なども済ませ、あとは寝るだけなんだけど、急な一人寝はなんだか不安になるんだよね……今までは大丈夫だったのになんでだろう……。
「さて、それじゃ儂も戻るとするかの」
ウィロウじぃじも魔力で作った身体、所謂分体を解除しようとしていたのだがそこを僕が引き止めてしまったのだ。
「あのウィロウじぃじ、ちょっとお願いがあるんだけどいい?」ウィロウじぃじの服の裾を軽く引っ張って声を掛ける。
「ん?どうしたんじゃ一体?」
「その、一緒に寝てもらえる?その、お父さん達もいないからなんか落ち着かなくて……」
服の裾の端を掴みながら恥ずかしそうにそう言うと、ウィロウじぃじは一瞬ぽかーんとした後、すぐに笑顔になった。
「よしよし、じぃじが一緒に寝てやろう、そうじゃよな、お前さんはまだまだ子供なんじゃ、大人にしっかり甘えるといいんじゃぞ」
その後はじぃじが手を引いてベッドまで運んでくれました、その時にじぃじから「儂も後でお前さんのPT機能に入れてくれんかの、色々と便利そうじゃしな」
という訳でウィロウじぃじもPTに加入しました。
それでは皆さん、おやすみなさ~い
ボツにしたネタ 味醂入手時
娘「調味料キタああああああああああああああああああ」
ガルド「ど、どうしたんだ一体!?」
娘「ごめんなさい、調理に使えるいい調味料が来たので思わず……」
ガルド「そ、そうか」
娘「これでもっと美味しいものが作れるようになるかも」
ヴェルグ「よし、酒蔵買い占めるか」
娘&ガルド「「それはダメ!」だ!」