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僕は友達がいない おむすびの魔力

今回はちょっと短めです。


そして総合PV5万アクセス突破ありがとうございます!

 僕は友達がいない おむすびの魔力



 は~い皆さんこんにちは~、現在時刻はお昼前 クーゲル領を散歩しています。

 やっぱりクーゲル領は今のところ農村って感じが強いですね。自給自足する面が強いせいもあってどうしても農地が多いんですよね。

 道の方も石畳とかセメントで舗装されてるわけじゃないですし。

 いや、それは当然か。

 一応踏み固めてはいるみたいですけどね……まあ、領地経営してるわけじゃないですから僕は何もできませんけどね。

 土魔法で舗装するって手もありそうですけどこれだけ大規模になると術者のMPがどれほどかかるか……。

 大体道幅は細い所で一台分、広い所で2台分でしょうかね。



 そしてこの時間帯になると農家の人達の仕事も大体終わり、後は大体自由時間だったりする。

 基本的に農家の朝は早い。それ故にお昼前ぐらいにはその日の仕事は大体終わっていたりするのだ。

 なので、その日の仕事も終わればその手伝いをしていた子供たちも集まって遊んでいる光景がそこかしこで見られるようになる。


「まてまて~!」「捕まえられるもんなら捕まえてみろってんだ~!」

「え~い!ひっさつのけんだ~!受けてみろ~!」「まおうにそんなこうげきがきくとおもっているのか~!」「ゆうしゃさまがんばって~!」「まおうさまをたおそうというのならまずはわれらをたおしてみろ~!」


 などとそこかしこでおいかけっこや勇者と魔王ごっこなどの友達同士の笑い声や楽しそうな声が聞こえてくる……。

 そう、友達同士の……ともだち、とも……だち……。

 そう思考したとたん、心のなかでがっくりと膝をついてしまった。


(そうだった……この5年間同年代のぐらいの子供達にあったことなかったからすっかり忘れてた)


 そのまま心に引きずられて現実でもがっくりと膝をつきそうだったけどそこはなんとか耐えた、でも、でもこれは……。


(そう、僕は友達がいない……略してはがいない……)


 一瞬ふらっと目眩を覚えたが、そうだよね、僕まだ5歳なんだよね……、普通だったら同年代の友達とかと一緒に遊んだりしてるのが普通だよね。


 思い起こせばベアパパに拾われてからこの5年近くの間、近くにいた人は全員大人ばっかり、子供がいなかったのだ。ついでに言うなら覚えることも沢山あってそっちに気を回す余裕なんて無かったからな~。


 そうだ、友達を作ろう! ……でも友達ってどうやって作るんだっけ?  前世の知識はあっても記憶が全然ないから友達の作り方なんて実体験が無いんだよな。

 有るのは小説とかマンガとかのコテコテの展開だったり、喧嘩したりとか。

 後は曲がり角でトーストを加えながら歩いて人にぶつかるんだっけ? あ、これは恋愛系だから違うか。


 とりあえず、クーゲル領をのんびり散歩しながら考えよう……。

 別に心の悲しみを癒やしてるわけじゃないもん、負け惜しみなんかじゃないんだもん……グスン。


 それからしばらくはクーゲル領を散歩しながらオートマッピングで埋めていきます。


 それから1時間ぐらいした頃でしょうか、お腹も空いたので鞄に入れていたおにぎりを食べようとしていた時です。

 春の日差しが暖かく、ピクニック気分ではあったんですけどなんかどこからか視線を感じるんですよね、念のためスキル連携使って気配察知使ってみるとなんか後方に複数の反応が。

 とりあえず後方は振り向かないで移動したほうがいいのだろうか……、それともこれを出会いの一つと見て振り向くか……。


 けどそんな風に考えてると見つめていた奴が動いたのだ。


「・・・その手に持ってるのなに?食べ物なの?」


「なになに?どしたの」


「なんか美味しそうな匂いがする~」


そこには見覚えのある少年少女の姿があった。


「えっと、これは僕のお昼なんだけど……」気がつけばじーっとおにぎりを見つめる三人。


 この三人は、前の事件でさらわれた子供の内の3人のようです。


「おいしいの?」


 そして三人に囲まれてしまいました。


「うん、美味しいよ……」一口食べてみると、三人から食べてみたいと言わんがばかりの視線が突き刺さります。うん、すごく食べづらいです。


 仕方ないので持ってきておいた別のおむすびをだして、それを3つにわけて「食べる?」と、聞いてみた。


「「「たべる!」」」


 三人共声を揃えて言うと、おむすびをパクっと口に含む。


「「「……おいしい」」」


そこからは三人が思い思いに感想を述べていた。


「なにこれくろぱんなんかよりずっとやわらかい!」


「しおがきいててすっごくうまい!」


「もっとたべたい!」


 すごく妙な空気になってきた、うかつにおむすびをあげたのは失敗だったか……。

 不穏な空気を感じて、気づいたらその場を逃げ出したのは言うまでもない。


「「「まてまて~!」」」


 そっからは追いかけっこです。時にふた手に別れ挟み撃ちにしたり、時には二人で追いかけて残った一人が不意打ち仕掛けてきたり……、あれ?5歳時ってこんなにアグレッシブなもんだっけ!?


 そこから約1時間、追いかけっこが続きました……。


「はぁ……はぁ、なんでこんなに追いかけられないといけないのか……」

 なんとか隠密スキルを駆使しながら逃げ切って物陰に隠れる、辺りからは「どこいったんだ~」「あしはや~い」「はぁ……はぁ」っと、ちょっとかくれんぼじみてきましたね。

 これはあれですかね? 追いかけられば逃げたくなる、逃げられれば追いたくなるは人の性って……。

 

 これもひとつの出逢いの形なんでしょうかね? そんな風に考えながらおにぎりを一つ食べていると背後から「美味しい匂い……つ~かまえた!」っと背後から抱きつかれました。


 一瞬口から食べたおにぎりどころか心臓まで飛び出しそうになりましたよ!

 そこからは逃げようにも3人に捕まってどうしたもんかと……何故か一名はこっちの獣毛をもふもふと堪能してるし。


 うん、これどうしようか……、まあこれを切っ掛けに友達ができればいいんですけどね。


 この後、僕のお昼が綺麗になくなったのは言うまでもない事である。


 夕飯何しようか……



 タイトルは最初、I AM ボッチ! っとするかちょっと悩みましたw

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