プロローグ2 スキル、そしてようこそ異世界へ
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プロローグ2 スキル、そしてようこそ異世界へ
「ならば次は異世界転生での特典を説明するとしようかの」
そう言って杖を振ると黒板のようなものが現れる。
「お前さんの行く世界には《スキル》と呼ばれるものが存在する。
これは本人の適性やら種族的なものをあるが、基本的なものは本人の努力の成果じゃ。
じゃがあるのとないのとではかなりちがう」
「そして転生者であるあなたにはいくつかの便利スキルや適正が最初から備わっていることになるわ。がんばってね」
「便利スキルですか? 一体どんな?」
「そうじゃな、分かりやすいものを幾つか説明しておこうかの」
そう言うと黒板に分かりやすい図式が書かれる。
「まずは《言語習得補助》これは読んで字のごとく言葉の習得を補助する技能じゃな。
これがあれば向こうでもそんなに時間がかからずに言葉がわかるようになるじゃろう」
「赤ん坊の時から積極的に周りが話しかけてくれれば問題なく言葉はわかるようになるんだけど、これは念のためもたされてるようなものだと思ってちょうだい。
偶に無口な親の元に生まれて言葉が全然わからないって事があるみたいだから」
「言葉がわからないって怖いですね……」
言葉が全くわからない海外に放り出されて、そこで生活することを考えた。
その恐怖に身体がないはずなのに身震いした気がした。
意思疎通ができないというのはそれほどまでに怖いのだ。
そして黒板には次のスキルが表示されていた。
「次はありきたりじゃが持っとくとかなり便利な《鑑定》じゃ。
物や人の名前と概要なんかがわかるスキルじゃな」
「これが在るとサバイバルしてても毒キノコとか毒草に当たらなくて済むのよね~」
「ついでに大抵のスキルには習熟度があるから使い続けてるとより使いやすくなったりするからがんばるんじゃぞ」
「試しにこれを見てもらえる? スキルを使うって意識すれば使えるはずよ。ちなみにこれはどこ産かしらね?」
女神の手のひらの上にはリンゴが置かれてる。
「えっと、鑑定を使うことを意識して集中する……えっとこれは?」
視界の中にウィンドウが現れ、そこには
【リンゴ 紅玉】と書かれていた。
【青森県産】
「青森県産ですか」
「そう! そんな感じでスキルを使うのよ。
この林檎はスキル説明のために物の情報量をほとんど取っ払ったものだけどね」
「ちなみにスキルを使うことに慣れてきたら集中せずとも意識しただけで発動できるようにもなるのう。
あとスキルによっては常に発動してるのもあるからの。
所謂パッシブ型とアクティブ型じゃな。言語習得補助もパッシブになる」
「ふむふむ……とりあえず転生したら鑑定を頻繁に使うほうがよさそうですね」
「そうじゃのう……、まあ後は向こうでスキルに関して色々試してもらうとしよう。
さて次はおまちかねのあれをいくかのう」
「あらあら、もうそんな時間なのね」
「あの、あれとは一体……」
するとさっきまであった黒板がなくなり今度はおっきな円形の的といえばいいのだろうか?
的の中が区切られて何やら区切られてそれが目の前で回転している。
「これはお前さんの特殊スキルをややランダムに決めるものじゃな、所謂チートってやつじゃな」
「といっても、強力なのは中々当たらないけどね」
「そうなんですか?」
「うむ、チートなのはそれこそ1/1000ぐらいじゃろう。
それ以外はちょっとした才能の様なものや便利系じゃな」
「高いか低いかと言われたら困る数字ですね」
「でも、どんなスキルも使い方次第よ。
それに努力次第でスキルが変化、進化することもあるわよ」
「ま、どんなスキルが当たるか運次第じゃな」
そして男神が懐から取り出したのはダーツだった、そしてそれを3本渡してきた。
……すいませ~ん!どこかで見たこと有ります!この光景!こうアクションバラエティ的な番組で!
そしてどこからともなくハ○ジェロ!ハ○ジェロ!という幻聴が聞こえてくる。
「ハ○ジェロもあるわよ」
「あるの!?」
「有るぞ、ネタ的な意味で混ぜてある、当たったらいつでも取り出し自由なアイテムとしてもらえるな」
「ちなみにこのダーツ、的から外したらどうなるんです?」
「あらあら、そうなったら……たわしかしらね?」
「たわしって……、海外旅行券が当たるチャンスとかは無いですか?」
「例え新婚さんでも無いのう。
まあ投げてみればええって、頭の中であの辺に飛べっと念じればこれは飛ぶからのう」
いろいろ突っ込みたい気もするけど気にしないで、投げてみればいいか……。
そうして回転する的に集中して飛べ!っと念じたらダーツは放物線を描いて的に向かって飛んでいき的に突き刺さった。
そして3本投げ終えると男神が少しうっかりしていた感じでこう言ってきた。
「っとと忘れとった、ボーナスが有るんじゃった」
「ボーナス?」
「そうボーナスじゃ! お前さんが死んだ時に助けた親子がおったじゃろう」
「そういえば言ってましたね、ちなみのその親子はあの後どうなったんです?」
さっきまではあまり気にならなかったが、一度気になると聞きたくなるのが人の性だろうか?
「あの親子はお前さんが助けたおかげで無事じゃったな、せいぜい擦り傷程度じゃ」
「その後母親のほうがすぐに救急車や警察に連絡、その後しばらくして無傷だった運転手は飲酒運転や危険運転等々で現行犯逮捕ね」
「酒は飲んでも飲まれるな、飲酒運転気をつけようじゃな……」
何故かその時の男神のどこか遠いところを見る目はとても印象的でした。
「その後なんだけど、どうもあなた親戚関係がいなかったみたいなのよ。
それで助けた親子が葬儀を全部取り仕切ったみたい」
「葬儀の時には親子揃って泣きながらお前さんに感謝しておったわ。
このボーナスはあの親子を助けた分、と言うよりは親子の感謝の祈りの分じゃな」
「そう……ですか」
記憶に無い部分の事ではあるが、親族がいなかったのは少しショックでした。
葬儀を行ってくれた親子には感謝せねば。
そういった感謝を胸に追加のダーツを投げたのだった。
ボーナス合わせて合計4本ののダーツを投げ終わった後、的の回転が止まり、的がこっちに迫ってくる。
「さてさて何が当たったかのう」
「あらあらこれはまた~」
「一体どんなスキルが……」
ダーツの刺さったスキルを確認すると《メモリーズブック》《デュアルボディ》《錬金術師の卵》《見えざる魔力の糸》。
なんだろう、なんかこう微妙というかなんというかこれって……。
「あらあら、これはまた……」
「見事に一般的な戦闘スキルとは無縁というか……、まあがんばれ!」
男神が肩の辺りをポンッと叩くと共にサムズアップしてきた、それにしてもこれは……。
「なんかパッと見てすぐにどうゆうのかわかんないスキルですねこれ」
「そうね~、錬金術師の卵は所謂才能スキルね。
○○の卵ってあったらその分野に関する才能が有るって事よ」
「後はこのデュアルボディじゃが、これは体を2つ持つようじゃの……っととそろそろか」
「あらあら、もうそんな時間?」
「時間って?」
「そらお前さんの意識がここから離れて世界に生まれ落ちる時間じゃよ。
まだいくらか余裕はあるがな」
そして、女神の方が指をパチンと鳴らすと、目の前に等身大の子供のような姿が。
「貴方のスキルのもう一つの体も見えるようにしてみたけど……あらあら♪」
「これはまた随分と……」
「ええええええええ!?ちょっとこれは一体!?」
これが自分の体だというなら誰しも驚愕すると思う、なんせ見せられた体は三歳ぐらいなのだが……。
「なんで性別違うんですか!?」
片方は毛先が蒼の全体的に白に近い銀色の髪の女の子。
瞳は閉じてて色はわからない。どんな色だろうね?
そしてもう一つの体が……。
「こっちは男の子だけど……」
髪の毛はさっきの女の子とおんなじ髪色をしているんだけど、頭部が完全に犬で、体が人型なんだ。
抱っこしたらすごくモフモフしてそうな体をしてる。
子犬って言っていいのかな? これは。
「大丈夫かの?」
「ちょっと色々衝撃が強くて……。でもこれが僕の体なんですか?」
「あらあら大変ね~、でも可愛いわね……えい!」
女神がその体を抱き上げると自分の意識が一瞬にしてその体に瞬時に入る。
「えっ!?」
「可愛い子ね~、貴方がどんな風に生きるのか楽しみだわ」
体に入った瞬間にもう一つの身体は消え、女神様に抱きかかえられながら徐々に眠気が漂ってくる。
「眠たくなってきたようじゃな。次に目を覚ましたらそこは異世界じゃな」
「いちぇかい、どんなひとたちがちゅんでるんだろう?」
幼い子供の身体を得たからなのか、うまく喋れない。
「そうじゃのう、良い奴もおれば悪い奴もおろうな」
「そうね、あなたはどんな人にであるのかしらね……」
「ねえ、ふたりはなんて名前にゃの?」
「儂か、儂の名前は……また会うことがあれば教えて上げようかのう」
「そうね、もう一度会うことがあればその時に教えてあげようかしらね」
「やくしょくだよ?」
「ああ、約束じゃ」
そうして二柱の神との話が終わるとだいぶ意識を保つのが辛くなってきた。
「そろそろ限界かのう、寝て起きればそこは儂等が管理しておる異世界じゃ。
まあ、起きたらいきなり生まれたばかりの恥ずかしい思いは多分ないから安心しなさい。
生まれて半年から1年ぐらい状態で目覚めるはずじゃ。
それに転生先はたしか貴族で、生きていくのに当分は困らないはずじゃしのう」
「おやすみなさい。そしてようこそ異世界『パンゲア』へ、よい旅を……」
頭を撫でられ、ぬくもりに包まれながら自分の意識がどんどん沈んで行くのを感じていた……。
ただ、意識が深いまどろみに沈んでいく中最後にこう聞こえた。
「ヘクチッ!」
そう、女神のくしゃみが聞こえた気がした。
TSのタグとか追加したほうがいいのかな?
そしてもしかしたらいつかプロローグは修正および加筆するかも?