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大脱走!そして新たなる出会い! 後編

というわけで後編です!


ユニークPVアクセス2000人突破ありがとうございます!

 大脱走!そしてあらたなる出会い! 後編



 あれから隠し通路を走ること10分、なんとか外に出ることに成功した!

 けど外は森に囲まれていて、どこへ逃げればいいか迷った。

 だけどすぐに後方の方から複数人の足音が聞こえてきた!

「げっ!?もう追ってきたの!逃げないと……」


 けど今まで走り続け、その前にはインプとの戦闘、体力の限界が近かった……。

 移動する際にも身体強化に分割思考、魔力の糸による肉体とのリンク、戦闘中は高速思考も使っていたせいでMPも限界に近づきつつあった。


「行くしかない!」


 そう決めた後、一本だけ倉庫にしまっておいた虎の子の体力回復のポーション(竹筒)を出した。

 そして一気に飲み干すと、失った体力がいくらか回復したのを感じた。

(用意しててよかった!)

 そして、意を決して走りだした、進む先に何があるかもわからない薄暗い森を、僅かな月明かりを頼りに走りだした。





 それからどれだけ走ったのだろう、道なき山道を……。

 息は乱れ、足はもつれかけ、だがそれでも後方から追ってくる存在を感じて必死に前へと進む。


「まちやがれぇぇぇぇぇ! 逃げられはせんぞぉぉぉぉ!」


 後方からはあの山賊の首領が必死の形相で目を真っ赤にした姿が視界に映る。

 その後ろからも数人の男たちが追いかけてくる。


そこからは無心で走り続けた、ポーションを飲んでなければもう走れなかっただろう。

 身体強化ももうほぼ使えない状態だ。おそらく10秒も使えばMP枯渇を引き起こすだろう。

 それでも必死に走り続けた、小石を踏もうと草で足を切ろうと止まるわけにはいかなかった。


 そしてようやく森の出口にたどり着くとそこは……。


 断崖絶壁の崖だった。


 思わず下を覗きこんでしまったが……、いや、崖というよりは渓谷といったほうが正しいか。

 下には流れの早そうな川が流れており、少し離れた所におそらく吊り橋の跡らしきものが見られた。


 そして後方からは山賊達はどんどん近づいてくる。

 崖伝いに逃げようかとしたがもう足が動かなかった……。


「ようやく追いついたぞ、餓鬼ぃ……」

 血走った目で、けどところどころボロボロで血を流していた。


「なぜあの首輪を付けられた状態で動けたのかは知らねぇが、貴様さえ手に入ればこっちのもの。あの化け物だって倒せるはずだ……」

 回りを手下が囲み、首領の男が手斧を片手にジリジリと距離を詰めてくる。


 それに対して僕も動かない脚に鞭を入れてなんとか後ずさる……。

 けどすぐそこは崖、早々に下がれなくなった。


「ぐふふ……おかしな事考えるんじゃねぇぞ……。さぁ、こっちに来い!」


 このままあいつに捕まる未来を選ぶぐらいなら……、確率はかなり低いけど、やるしかない!


 残り少ないMPで身体強化を脚へと部分的にかけようと試みる。

 この部分強化、MP効率は全身に掛けるより燃費がいいのだけど、操作が難しいのだ。

 全身に回すなら微弱でも体を支えるぐらいはできる。

 でも部分強化だと、いままで挑戦した感覚だと、10回に1回ぐらいしか成功したことがないのだ。

 強すぎればその反動で体にダメージを与えてしまい、逆に弱すぎればうまく発動しない。

 魔力操作が肝になる技なのだ…けど、今回に至っては失敗を気にする必要はない……。


 だって、ただ後ろに飛べばいいのだから……。


 そして覚悟を決めて飛んだ部分強化は珍しく成功したみたいだ、おかげで足がこれ以上ボロボロにならなくて済みそうだ。


 その時の僕は、なぜか周りがすごくゆっくり動いているように見えたのだ。

 僕が後ろに飛ぼうとするのがわかって、あわてて捕まえようとする首領。 それを唖然として見つめる手下。

 そして首領の手はギリギリのところで空を切った。


 その悔しそうな顔を見たあと、世界はまたゆっくりいつもの速度に戻り始める。

(後は、残ったMPを全部使って着水直前に身体強化を全力で使えば、あるいは……)

 そんなことを考えながら体を捻って川に落ちるタイミングを測った。


 けれどいつまでたっても川に着水することはなかったのです……。

 いえ、むしろ落下する感覚が途中でなくなり急上昇する感覚に変わったのです。


「大丈夫か坊主?」

「え?」


 その時、僕は空中で抱えられていました。


「しっかし、良くあそこから飛び降りたもんだな。

 普通あんな高さから飛ぼうとしたら足がすくんで動けねぇぞ」


 その人の背中には翼が有り、それを羽ばたかせて空を飛んでいたのた。


「もう大丈夫だ、後は俺達に任せな……」


 鷲の頭、闇夜を照らす月のような黄色い嘴、まるで青空の様な薄い青と雲のような白さの羽毛に覆われた体。

 半月に照らされ、邪魔する物のない星空の光を受けた白い翼は、天使のように見えたのだ。


「ち、鳥人族だと!? 誰だてめぇ! 降りてきてその餓鬼をこっちに渡しやがれ!」

 崖の上からは山賊の首領が大声で呼びかける。


「へっ、やなこった! 誰がてめぇみたいな野郎に渡せるかよ! それよりいいのか?」

「な、なにがだ!?」


 僕を抱きかかえながら、彼はいたずらをした子供のような無邪気な笑みを浮かべながら「言っただろう、俺達って……」そう言ったのだ。


 山賊の首領は、その意味を一瞬考えようとしたが、すぐに答えはでたのだ。

 そう、背後にいた手下たちの悲鳴によって。

「ぎゃあぁぁぁぁ!」「いてぇぇ……いてぇよぉぉ……」

「ぐっ……ぐぅぅ……」「うでがぁぁぁ!うでがぁぁぁぁ!」


 そこには蒼の鱗を身にまとい、二本の立派な角を生やしたドラゴンの頭部を持つ巨体が、大剣を片手剣でも扱うようにして立っていた。


「ふん、この程度か! さっきのワンコの方がよっぽど手応えあったな!さぁ、おとなしくお縄につくがいい!」


「だ、誰が捕まるもんか! てめらまとめて片付けてやる!」

 地面が光り、首領の回りに、あの時よりも一回り小さい赤黒い魔法陣が現れる。

 そして懐から中身が赤い瓶を取り出そうとし、その蓋を開けようとするが。


「――わざわざ待つバカが、どこに居る――」

 その瞬間、一刀のもとに切り伏せられていたのだった。


 そしてそこで緊張の糸が切れたのか、今までの疲労が一気に押し寄せ、僕を抱きかかえてくれている人の腕の中で、気を失ったのだった……。




というわけで新キャラ登場です!

鳥さんと竜さんですね。


次回からはまた明るいお話に戻ります!

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