隷属の首輪
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これを励みにがんばって書いていきますね!
注意:今回の話は少し残酷&流血描写有り…どのぐらいで残酷描写なんだろう…
隷属の首輪
あれ? 僕、どうしてこんな所にいるんだっけ? 体が重い……手が動かない……うまく思考がまとまらない。
今 いるのは……馬車?でもなんで乗ってるんだっけ……他にもぐったりとして虚ろな目の子供が数人視界に入った……。
外のほうからはなにか話し声が聞こえる
「くっくっ…笑いが止まらないな…こうも簡単に奴隷が手に入るなんてな…、急いで国境を越えればそこそこの値で売れるだろう…とくに獣人の子供なんかは好事家に高く売れそうだ、毛並みも良ければ見た目もいい…相手次第ではかなり値を釣り上げられそうだ…」
ど・・れい・・・なんで・・・そんなことに・・・とにかく・・・どうにかして・・・にげないと・・・
だめだ・・・あたまがうまくはたらかない・・・・いしきが・・・とお・・・のく・・・だれか・・・たす・・け・・・て・・・。
そこで僕の意識は一度途切れた。
次に意識が戻ったのは山道を移動してる時でした。
あれから・・・どれだけ・・たったんだろう・・・意識を・・・しっかりもたないと・・・・。
この時、僕の目にはスキルアイコンが点滅して見えるようになっていた――高速思考だ。
すぐにスキルを使うと、一時的にではあるけど思考がクリアになっていた。
未だに体は動かせないけど、なんとか考えたり状況を整理することはできそうだ。
馬車の中は外から見たら木製に見えるようになってるけど、中は鉄格子…いやむしろ檻か。
例え動けるようになってもこれじゃ出られない……、他の子も鑑定してみたら【状態:隷属】ってなってた……なんだろう?隷属って。
鑑定で調べてみたら首輪が
【隷属の首輪】
【この首輪を付けられたものは首輪の所持者である主人に逆らえなくなり、その命令に対して強制的に従わされます。
さらにこの首輪は装着者の意識を混濁させ、思考を鈍らせ、肉体との精神の繋がりを稀薄にし主人の命令に対してまるで操り人形のように指示通りに動く。
なお現在この首輪の使用は違法であり、使用している場合は即逮捕、重罪人として扱われる。
現在はこれの劣化版の【奴隷の首輪】、【奴隷刻印】などが使用されている。
この首輪を使用できるのは国家としてのみであり、さらに第一級危険指定犯罪者にのみ使用することが許される。】
つまり、僕を奴隷にしようとしている奴は違法奴隷商人ってことか……セバスさんのレッスンでも奴隷商人になるには審査があって、それに認められた人じゃないとなれないって教えてもらったな。
そして奴隷商人にも一級、二級奴隷商人で扱える奴隷の種別も変わるとか……。
それにしても第一級危険指定犯罪者ってどんだけ強いんだよ…あれかね?セバスさんを片手でひねれるぐらいの強さとか?っと、そんなことは置いといて。
(さて…どうやって逃げたものか…)
それからしばらく手を考えてる内に高速思考でMPを使い果たし、意識がまた混濁し、意識が闇に落ちていくのだった。
次に目を覚ましたのは夜だった…けど、外がすごい騒がしかった…高速思考でまた意識を保って、外の音に耳を傾ける。
すると外からは激しい戦闘音と、「ぎゃああああああ」叫び声だった。
その後戦闘音が収束すると 「どうか…どうか命だけは!」命乞いする声が。
あの笑っていた男の声が今では死への恐怖に必死で嘆願するものに変わっていた……。
「なら全部置いていけ、……奴隷の所有権もなぁぁぁ」
そして、全てを渡し終えたと思われるあと、走りだす音がした…、けどその後に聞こえたのは……「ギャアァァァァァアア…や、やくそくが…ちが…」断末魔だった。
「俺は言ったはずだぜ、全部置いてけってな…なら命も置いていかないとな……、クックック…ハーハッハハハ」
夜の闇にその声が溶けて行くように、まだ回復していないせいなのか僕の意識も闇に溶けていった……。
その次に目を覚ましたのは石造りの部屋で他の人達と一緒に寝かされていた……首輪もそのままで高速思考で意識を繋がないといけなかった。
辺りには扉の手前には鉄格子が有り、どうやらここは牢屋みたいなところだと分かった。
体力が回復していないせいなのか…偶に聞こえる声もうまく拾えない…、くまだの、けにえだの何かの単語の端々ぐらいしか拾えなかった。
その後だった、一人ずつ連れて行かれたのは。
そしてその後しばらくして戻って来た時にはぐったりとした様子に見えた。
そして自分の番になってどこに連れて行かれるのかと見ていたらそこはかつての拷問場のような場所だった。
鞭に拘束具の付いた椅子、三角木馬にエトセトラ、etc.……。
けどそれよりも目立ったのは中央の赤黒い魔法陣だった。
「そいつで最後か?」
「へいお頭、こいつで最後です」
「さて、こいつの適正はどうかな…全員ハズレだったら正直くたびれ儲けだが、首輪のお陰で無理やりいうこと聞かせられるから死ぬまで畑仕事でもさせるか…」
最初から部屋にいて、中央の魔法陣の手前にいたお頭と呼ばれた男、こいつがあの商人を襲った奴なのだろう。
そして部下の山賊から僕を渡され、ナイフを片手に僕の腕を浅く切りつける。
体は全く反応していないがめっちゃ痛い、もしこれで身体が動いているなら泣き叫んでた。
ドクドクと音を立てて流れる血、そこから自分の命が漏れていく感覚に襲われる。
そして傷口から血を緑色の瓶に採取すると無理やりポーションらしき物を飲ませてきた。
「おら、飲め!」
その命令に体は従い飲み込んでいく、そしてナイフで切りつけられた腕は治っていった。
そして傷が治ったのを確認した後部下の方に押し付け、その男は魔法陣に僕の血を瓶の1/3ほど垂らした。
するとどうだろう、魔法陣はより赤黒く発光し、それを見た男は獲物を見つけた肉食獣のような目で僕を見つめていた。
「当たりだ……いや、当たりなんてもんじゃねぇ、大当たりだ!笑いが止まらねぇな!こいつは隔離して生きながらえさせろ。いいか!絶対死なせるんじゃねぇぞ!」
魔法陣の光の性なのかわからなかったけど、その時の男の瞳はまるで血のような赤に染まっているように見えたんだ。
「へい、了解しやした!」
その後部下の山賊に連れられていった先はおそらく地下で、石造りの独房の様な場所。
そこにある簡易寝台のような所に運ばれまた眠りについたのだった…。
ちょっと暗い話が続いてますが、次回辺りから話がまたすこし明るめのものに戻っていく・・・予定