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狂気の微笑み

今回ちょっと短いです

 狂気の微笑み



 はい、前回に引き続きみなさんこんにちは~!

 現在僕は村外れで、夢の庭付き一戸建ての家に住んでおります!


 なんでもここは開拓時代、ベアード様が最初に建てた家だそうです。

 今は誰も使っていないそうなのですが、偶にセバスさんやリーシャさんが手入れをしていたようで、問題なく住めるそうです。


 生活に関してもメイドさんが一人ついてきてくれているので、問題はないんですよね。


 あの後セバスさんに連れられて此処にやってきた時に「今は誰も使っておりませんのである程度でしたら庭も好きに使って構いませんよ」

 とのお達しでした。



 間取りはちゃんと床張りがしてあり、2LDKといった感じですかね?

 元々は開拓が始まった初期に、ベアード様や奥様が寝泊まりするために作った家だったんだそうです。


 とは言え、家具のたぐいは領主館が出来た時に纏めて運びだしたそうなので、家具が入っていないんです。

 ですのでベッドとかちょっとした家具とかこっちに持ち込まないといけないんですよね。


 アルトルードさんが来るまでに用意出来たのはここまでですね。

 

 そして、アルトルードさんが来た翌日、セバスさんがこちらの様子を見にこられました。

 セバスさんに用事を尋ねてみると「どうやら坊ちゃま、アルトルード様はどこからか、貴方のことを聞いてこちらに来たようで、現在絶賛、親子喧嘩中です。これはかなり長引きそうですのでもう暫くはこちらで過ごしてもらうことになるかと」


 これは当面、此処にいることになりそうです。

 その後、トイレで少し困っていたので、セバスさんに土魔法を使ってもらって、自分好みのトイレを作ってもらいました。

 所謂洋式トイレ(背もたれなし)です。

 注文を聞いてもらったセバスさんには頭が上がりませんね。




 それから一週間、館の外でのびのび過ごしていました。

 ですがある時、森を散策していたらまさかこんなものが見つかるとは……。

【バンブラー】

【いね科の常緑植物。幹の中がからで、節があり、弾力に富み、まっすぐ伸びる。地下茎を伸ばしてそこから生息域を広げる。】


 うん、知識にある竹にすっごいそっくり、けど筍は見つからなかったよ……。

 ついでに地球の竹よりもめっちゃしなって頑丈だったので一本採取するのにも一苦労でした。

 ナイフでは切れないのでその結果、ゼロ距離でマジックアローを連発してようやく一本採取。

 持って帰る時も真ん中をマジックアローで砕いて分割してから身体強化つかって帰りました。


 でも家に帰れば斧や鉈もあったので、加工は幾らか出来ました!

 亜空間倉庫の方に鉈はギリギリ亜空間収納にはいっても、斧はさすがに入らなかったんだよね。

 それに必要になるとは思わなかったので、最初は倉庫に鉈を入れてませんでした。

 けど竹を見た後からは常駐してますね。

 なにもしないのもあれなので、箸に水筒、コップや茶碗を作ったりしてました。

 竹って便利だよねー、加工できれば……。この竹の加工、結構大変だったよ。


 仕事はセバスさんから材料渡されて、ポーション作りもやってますが、何やら不穏な空気が村を覆い始めてる。そんな気がしました……。


 それから少し経った頃でした。


 ベア様とご子息のアルトルードさんが倒れたという話を聞いたのは。

 時を同じくして領内でも流行病が。

 大体一家庭に一人発症するかしないかの状態で、領内には重苦しい雰囲気が流れてた。

 偶に遠くに見かける人たちも少し顔色が悪く、子どもたちの楽しそうな声も聞こえない。

 僕の面倒を見ていてくれたメイドさんもこの病にかかってしまったようで、治るまではこっちに来れなくなってしまいました。

 それどころか他のメイドさんにも病にかかってしまった人が出ているとかで、今こちらに回せる人がいなくなってしまってるとのこと。

 自分のことはある程度自分でできるのですが……、つい最近までの明るかった領内が嘘のようです……。


 そんな時でした、夜遅くに小屋の扉をノックする音がしたのは。

 今思えばこの時の僕はうかつでした。

 危機意識がなく、危険管理もできていなかったんだ。


「は~い……」眠気眼をこすりながら扉に向かっていた。

 その時はセバスさんかリーシャさんでも来たのかと思っていたんだ。

 けど、扉の前に立った瞬間すごく嫌な予感がしたんだ。

 けどそれは一瞬遅く、扉はいきなり開け放たれ僕は組み敷かれて変なものを嗅がされていたんだ。


「や、あ……あぐっ、ぐうっ……」

「……うふふ……ふふふ……、これであの子は……」


 必死に抵抗を試みる中、僕が見たのは知らない女性の、それも見る人が全て恐怖する様な、狂気と殺気を含んだ笑顔だった…。

 月をバックにまるでその口は三日月の様に曲がり、でもまるで月のような無慈悲な冷たさを感じながらその顔に恐怖し、すぐに僕の意識はまるで刈り取られるように落ちていったんだ……。


 だけど最後に聞こえてきたのは「ごめんなさい、ごめん……なさい……。」


【種族スキル:野生の勘が開花しました。危険感知、ならびに睡眠耐性レベル1を習得しました】



次回、舞台は領外へ・・・

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