そしてフラグはやってくる
ギリギリ間に合った!
一部修正
そしてフラグはやってくる
はい! 時間が流れるのは早いもので、魔法のレッスンを受けてからさらに2年が経ちました!
ついに僕も5歳、行動範囲もひろが……ったらいいんですけどね。
そこまでは広がりませんでした。
ただ、偶にセバスさんに連れられて森のなかで採取を行うことが有りました。
偶に、セバスさんの感知に引っかかったゴブリン達の悲鳴が聞こえてきますが、……子供にはやっぱりあれはショッキングですよ。
だいぶ慣れましたが、最初は吐きましたね。
魔法の方も、生活魔法はしっかりマスターしましたよ! 初めて手の先から水の玉を出した時は感動ものでした!
「我が手の内に収まる水を此処に、ウォーター!」
詠唱を終えると、指先にはセバスさんのと比べるとかなり小さいですが、水の玉が出現していました。
【スキル:生活魔法レベル1並びに水魔法レベル1を取得しました】
「おめでとうございます。
まさかこうも早く生活魔法を習得されるとは驚きですな。
獣人の方達は、やや魔法を苦手とする方が多いそうですが、この歳で覚えられる方は、滅多にいませんよ」
セバスさんも手放しで褒めてくれました!
それ以外にも、簡単なポーションなども作れるようになり、最近は【身体能力強化】の魔法も、ほんのすこしだけ使えるようになりました。
身体能力強化の魔法は、詠唱無しの、魔力操作で主に扱う技能の様です。
これが結構難しいんです。
操作を間違えると身体を壊しかねないし、かといって弱すぎても駄目ですし。
操作技能を上げていけば自然とうまくなっていくそうですがなかなか難しい。
それと、自衛の為にセバスさんから護身術と、【マジックアロー】という攻撃魔法も教えてもらいました。
その際にも【体術スキルレベル1】も覚えました。
けどマジックアローはまだうまく使えません……。
けれど、セバスさんから算術のレッスンを受けた時は、さすがに楽勝でしたよ。
すこし苦戦してるようにすればよかった……。
「素晴らしい。まさか一度教えただけでここまでちゃんと計算できるとは、驚きです」
あれはセバスさんのレッスンで算術を教えてもらった時だった。
この世界の数字は地球のアラビア数字とほぼ同じ形をしていたおかげであっさり馴染むことができたんだけど……。
そのせいでまさか「ではレッスンを前倒しして実務編に行ってみましょう!」
とても素敵な笑顔でベア様のいる執務室に連れていかれました。
それからはベア様の執務室で、書類の数字を追いかけっこする事になりました。
基本的には、僕の所に羊皮紙の書類の一部が回され、それをチェックして間違いがないか確認。
間違いがなければベア様に、間違いがあればセバスさんの所に提出するんですが……。
あの人意図的に所々で間違いの在るのを回してくるんですよね。
メモリズーブックの電卓機能を駆使しなかったら、速度的な方でやばかったかもしれない……。
スキルサポートを電卓に使えたのはびっくりだったけど、前に新しく開放した【スキル連携】のおかげで電卓に書類を見ただけで自動で計算してくれるようになったのはほんと助かった。
ベア様って、見た目通りに身体動かす方が好きだから、書類を貯めるタイプだったんだよね。
ある程度貯まるとセバスさんにしょっぴかれるみたいだけど。
ちなみにこの自動計算、終わった後にスキルとして【自動計算レベル1】を獲得したんだけど、使うと問題があった。
計算を自動でしてくれるのはいいんだけど、実際は脳をフル回転させてるから、レッスンが終わった時にはゆでダコになってました。
幼い脳には例え5~6桁ぐらいの計算でも幼い子供の脳にはちょっときつかったみたいです。
楽はしちゃいけないってことでしょうかね?
……けどその後セバスさんからももらった小さな飴は美味しかった。
その後しばらくしてから、ベア様も計算で苦労してるって言っていたので、簡単な算盤を作ろうとしたらセバスさんに見つかり……。
「すばらしい!これなら旦那様の計算もだいぶ楽になりましょう、しかもこれをいくらか数を作って少々資金を作ることもできそうですな」
セバスさんの目がすごくギラギラしていました……。
そしてまさかこれがフラグになろうとは、……この時の僕はしるよしも無かったのです。
その後に転生物では定番の髪を梳く櫛をヒントに、という建前で千歯扱きも作ってみた。
この辺は主に小麦とかが主食なんだけど、みんな脱穀を手作業か風魔法とかを駆使して結構大変だったみたいである。
その後、ベア様の手伝いもレッスンの一つとしながら時は過ぎ、明らかにスキルが5歳児のそれとはかけ離れてしまった気がします。
【氏名――――――(名無し)】
【性別:男 年齢5歳】
【種族:ワーウルフ】
【ステータス】
HP35/35
MP180/180
【氏名――――――(名無し)】
【性別:女 年齢5歳】
【種族:人間】
【ステータス】
HP20/20
MP350/350
【スキル】
獣化/人化 レベル10 /on 魔力操作レベル8 /on
気配察知レベル15 /on 魔力感知レベル8 /on
鑑定レベル25 /off MP回復速度上昇(微弱) /off
スキル隠蔽 レベルMAX /off 魔法陣術 /on
メモリーズブック /off 火魔法レベル2 /on
錬金術師の卵 /off 土魔法レベル6 /on
デュアルボディ /off 風魔法レベル6 /on
見えざる魔力の糸 /off 水魔法レベル6 /on
言語習得補助 /off 光魔法レベル2 /on
悪臭耐性レベル1 /off 闇魔法レベル2 /on
恐怖耐性レベル4 /off 身体強化魔法レベル2 /on
気迫耐性レベルMAX /off 体術レベル10 /on
調合レベル2 /on
木材細工レベル2 /on
料理レベル1 /on
算術レベル35 /on
自動計算レベル2 /on
隠密レベル5 /on
高速思考 /off
【メモリーズブック:新たに拡張された機能】
スキル連携 亜空間倉庫(極小) オートマッピング機能 デュアルボディ時における装備管理機能
うん、ほんとに色々増えた。
【高速思考】は自動計算を使ってる時にポンっと覚えてしまったんだよね。
おかげで負担がかなり減ったけど、使ってる間はMPを消費するから気を付けないとね。
そして亜空間倉庫(極小)は大体スーパーの買物カゴぐらいの容量なんだけど、これで3年ぐらいちまちま貯めていた貯金が吹っ飛んだ。
まあおかげで一つ開放されて、デュアルボディ時における装備管理機能が開放され即拡張、おかげでチェンジしても服は使いまわせるようにもなった。
この機能、事前に登録しておけば服装どころか装備の変更もできるみたいなのでありがたい話である。
チェンジして裸は避けられるようになった……。
そんなこんなで5歳ぐらいになったところで、フラグを回収する時が来てしまったのである……。
現在は僕は館を離れ、村の中心から少し外れた家に居を移しております。
なんで屋敷を離れたって? それは今から少し前に遡る。
「なに!? 坊ちゃまがこちらに向かっているのを見たですと!」
「はい、こちらに来ている商人が道中で、それらしい人物が野営してるのを見たと」
「あのバカ、一体どの面下げて帰ってくるつもりだ? 勝手に出ていっておいて……」
そしてしばらくベア様達が話し合いをしている時に僕が「……僕は屋敷から一旦離れたほうが良さそうですね。
僕の存在はいらない火種になりそうですし……」
5歳になってはっきり喋れるようになりました。
ベア様達の視線が一気にこっちに集中しました。
「いや、そんなことはないぞ! 全てはあのバカが」
「でも、まずは話し合ってみてはいかがですか?」
それからしばらくの話し合いの後、僕は屋敷から姿を隠すことになりました。
そして僕が屋敷から離れた後に屋敷からは……。
「ただいま戻りました!」大声が聞こえた気がした。
スキルレベルに関してですが、スキルごとにMAX値は違います。
ですが概ねこんな感じで認識されています。
1~5 素人に毛が生えた程度
6~10 ようやく見習い
20 ここでやっと見習いが取れて一人前
30 一流
40 達人
50 その道を極めしもの
ぐらいを目安にしてください。
ちなみに算術だと30で高校卒業程度です。
次回は話がまた動きます。
今回はスキルで色々手間取りました。