初めての錬金術、はじめはポーションから
説明し忘れてましたが、現在主人公の服装はパンツにチェニック(古代ギリシャの服)ににたような服を着ている設定です。
初めての錬金術、はじめはポーションから
は~いみなさんこんにちは~、本日はクーゲル家第一執事であるセバスさんのお仕事の一部を拝見させていただくことになりました。
向かった場所は一階の片隅にある一室。
そこには乳鉢や片手鍋などを機材が置かれ、他にも乾燥した草、キノコみたいなのが置かれていた。
(これってもしかして……)
そしてセバスさんが入室する前にこう告げた。
「おっと、ここから先の調剤室では、できれば人化していただけると助かります」
「ん~と……ひとになればいいの?」
そう問いかけ、セバスさんが頷いてから人化した。
そしてセバスさんがいつの間にか僕が座れる椅子も用意してくれて台の前に座らせてくれた。
そしてその隣でセバスさんが作業を始めようとしていた。
「これは……なに?」
予想はつけつつも質問してみた。
「これは乾燥させた薬草やキノコですが、キノコの方は絶対に食べてはいけませんぞ。
これにはそれぞれ毒がありますので子供が食べたら大変なことになります。
かく言う私も修行時代に間違って食べて師匠に笑われた口ですが…」
セバスさんは昔を懐かしげに、でも楽しそうに話してくれました。
「じゃあなんで? 食べないのに」
「それは薬を作るためですよ。
少々錬金術を嗜んでおりましてな、これらを混ぜあわせて【ポーション】を作るのですよ」
「れん…きんじゅちゅに、ぽー…ちょん?」
「それは迷宮で手に入る偽薬ですな。小鳥の涙程度しか回復しない罠アイテムです。
ポーションとは飲めばそのポーションに応じた即効性の効果がある回復薬です。
怪我の具合などにもよりますがこれを飲めばある程度の怪我はすぐ治るのですよ。
旦那様の訓練では怪我が絶えませんからな。
治癒の魔法を使えるものが少ないためこれから作る体力、怪我、そして毒治療のポーションは戦うものの必需品。
前もって数を用意していないといざという時に困ったことになります」
「せばしゅしゃましゅご~い!」
ポーションに関しても驚いたけど、迷宮! つまりダンジョンがあるのか! いつか潜ってみたいものですな。
ダンジョンにはロマンがあるって聞いたことがあるようなきがするし、ダンジョンに出会いを求める人もいるだろう……あれ? 最後なんか違う気がしてきた。
けどそれよりもついに来ました錬金術!、錬金術っていわゆる科学の前身にあたる学問だったって言われてる気がしたけど、この世界だとどうなるんだろう?
やっぱりファンタジーってからには両手でパンってしてなにか作ったりしちゃうのだろうか?
「そう言われると照れますな~、ですが私はかじった程度ですので、このぐらいの術者は結構いるのですよ。」
それからセバスさんのポーション制作作業は始まったのでした。
まず乾燥させた薬草を乳鉢ですり潰し、そしてセバスさんが何か唱え始めた。
「我が手の内に収まる水をここに、ウォーター」
そう唱え終わるとセバスさんの指先に人が両手で水を掬ったぐらいの量の水球が現れました。
思わずその水球をみつめながら「しゅ、しゅご~い!」っとちょっと感動していました。
「これは生活魔法といって、言葉の通り生活するのに便利な魔法なのですよ。
適正が無くても頑張れば覚えられるので一般の人でも覚えてる人は多ございますな。」
「それ、ぼくでもつかえりゅの?」
一瞬セバス様の顔が思案顔になった後に笑顔でこう言った。
「そうですな~、魔法を覚えるには色々と勉強が必要ですぞ、私も通った道。
旦那様が許可すれば教えて差し上げましょう」
つまりベア様を口説き落とせと言うんですね…魔法のためなら頑張っちゃいますよ!
それから調合作業は続き、出した水を片手鍋に入れてから指先5センチぐらいから火を出して温めていきます。
そしてお湯になったところで、片手鍋を作業台の一角に、少し高さのある五徳が置かれていて、その下に魔法陣? みたいな物が描かれていた。
そしてそれから、その中に先ほどすり潰した薬草を加えコトコト煮込んでいく。
すると最初は緑だったのが煮出されて徐々に青に、そしてそこに煮ている間に細かく砕かれたキノコが少量入れられる。
するとどうだろう、先程まで青かった色が少し薄くなっていった。
そのまま煮込んで数分、濾し布で不純物を取り除いてからさらに煮込んでいった。
すると魔法陣が少し発光して液体は透明度のある水色の液体に変わっていった。
「完成です。これが怪我の治療に使われるポーションです。」
「・・・せばしゅさんしゅご~い!」
「今のがポーション作成の手順の一つです。私はこうして作りますが術者に依っては丸薬だったりしますので。」
「……ぼくにもなにかてつだえりゅ?」
「そうですな……」しばらくセバス様が思案してから
「では少し準備をしますのでお手伝い願えますかな?
量を作らないといけないので、キノコを潰す作業をお願いします。
簡単に出来る方法がございましたので」
そう言ってセバスさんはテキパキと準備を整えつつ、どこからか鉄板を2枚とその鉄板をすっぽりと囲う木の枠を持ってきた。
そして木の枠の中に鉄板を一枚入れて床に置くとその上に乾燥した同種類のキノコをしいて、その上にもう一枚の鉄板を重ねた。
「これに乗って鉄板を踏むことでキノコを潰してください、これならば非力な貴方でもある程度は潰せるでしょう。」
それからしばらく僕はキノコ粉砕マッシーンと化したのでした、鉄板の上を歩いたり、飛び跳ねたり、転がったり。
そしてしばらくその作業を繰り返してようやく大量のポーションの製造が終わったのだった。
「はぁ……、はぁ……、はぁ……」
「お疲れ様でした。おかげで予定より早く終わりました。
なにかご褒美を用意しなくてはいけませんね」
まだ一歳すぎたばかりの子供には結構ハードな仕事でした……。
こうして、僕の最初の錬金術とのファーストコンタクトは終了したのでした。
その後セバスさんからもらったご褒美は、かなり小さな飴でしたがその味はとても甘くて美味しいものでした。
あっ!材料鑑定するの忘れてた!
累計PV数5000突破しました!ありがとうございます!