表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

交戦

またまた読んでくれた方はこんにちわ


初めての人ははじめまして


駄作ではありますがどうぞ最後までお付き合い下されば光栄です^^

伝説のアーサー王と裏切りの騎士モルドレッドが戦った聖戦地『カムランの丘』

その戦いから数百年たった今ではただの荒れた丘となってしまっていた。

「へぇ~ここがあのカムランですかー。」

「中尉、作戦行動中だ。私語は慎め。」

「はーいわかってますよーだ。」

中尉と呼ばれた若い女性は、特に気を害した風もなく飄々と重装備で丘への道を歩いていた。

大佐の部隊は軍隊内で若いながらも実力だけでのし上がってきた実力者が揃っている。にも関わらず、こんな辺境の地で任務に就いているのは単に元貴族というだけで要職についている将官たちの妬みやその他もろもろによるものであった。

「やー今日もいい天気ですねーやや乾燥気味なのが気に食わないですけどー。少尉もそう思いません?」

「………そうだな。」

元気溌剌でうるさいくらいの中尉とは対照的に寡黙でやや暗いのが少尉であった。

長身で痩せているため枯れ木を思わせるような容貌をしているのだが、見た目に似合わず得意なのが手芸と狙撃というアンバランスな趣味を持っている。

「無駄口を叩いている暇があったらさっさと歩け。時間は無限にあるわけではないのだぞ。」

「隊長は厳しすぎだよー。ねぇ少尉もそう思いません?」

「…………さあな。」

「テンション下がるなぁ~。」

口ではグダグダ言いながらもしっかりと足を取られやすい地面でも息を切らさずに歩いているあたり軍人としての意識の高さを感じる。

そのまま中尉の軽口を流しながら荒野を歩いていると、じきに古びた石造りの砦が見えてきた。

「大佐!あれって…。」

何かを言いかける中尉を装甲のついていない左手で制し、足音を殺して砦に近づく。

ハンドサインで自動小銃の安全装置を外させ、金属でできた扉に指向性爆薬を取り付けて爆破した。

爆風で舞い上がる塵粉が消えないうちに赤外線ゴーグルを装着し、三人で砦に突入する。

前から大佐・中尉・少尉の順で警備の魔法生物が来る前に目的の部屋へと急ぐ。

「…後方問題なし。」

「下から骨3接近中です。」

「了解。この先の広間で迎撃する。」

「「了解」」

基本的に中尉と少尉で周囲の警戒、大佐が指示を出すというスタイルで侵入作戦を行う。

身を低くして最寄りの広間に移動し、警備の骨兵を迎撃する。

この骨兵は皇国軍から鹵獲した火器や、炎の玉を飛ばすといった簡単な魔法で攻撃してくるため、一体一体の能力は高くないのだが集団戦になると思ったよりも苦戦することが多々ある敵だ。

「少尉、念の為に魔法障壁を展開しておいてくれ。」

「……了解。」

少尉はそう言うと大きなバックパックの中から6角形の板のようなものを取り出し、入口と中尉の築いたバリケードの間の床に設置した。

「後は敵さんがくるのを待つだけですねぇ。」

軽機関銃を構えながら中尉が嬉しそうに言う。

「塹壕の中で死にかけるのもいいですがこういうのもたまにはいいですね!」

ものすごくいい笑顔で言われても困るだけなのだが…。

「…隊長、敵だ。」

バリケードの隙間から狙撃銃を構える少尉がぼそっと報告してくる。

「合図を出すまで撃つなよ…。」

緊迫した空気に流石の中尉も押し黙る。

いくら量産されている雑魚敵だとしても分隊支援も重火器もないこの状況では、数の差で圧倒されてしまう。

それに、今は骨兵だけだがこれにゴーレムも加わると生還は更に絶望的なものになる。

多少は知能もあるとは言えそれは雀の涙ほどしかないため、相手はまだこちらの位置を把握しきれていない。

目視できている骨兵の数は今のところ五体。

「少尉が奥の一体、中尉が右の二体、俺が左の二体だ。タイミングは少尉に任せる。」

「……了解した。」

プシュッというサプレッサー独特の音とともに一番奥の骨兵が吹き飛ぶ。

次の瞬間、中尉の機関銃と大佐の小銃から隠す気もない銃声が飛び出す。

戦闘時間はおおよそ三秒。これが奇襲でなかったら更に長引いていたであろうことは想像に難くないが、ひとまず警備部隊を退けた。

「よし、行くぞ。」

そう言い、それぞれの装備を抱えて移動しようとすると、突然壁をぶち抜いてゴーレムが広間に入ってきた。

「うっわー最悪だよもう。」

「無駄口を聞いてる暇があるならさっさと迎撃したらどうなんだ。」

「わかってますよ…っと。」

そう言い再び機関銃を設置しなおす。

「……射撃許可は?。」

「許可する。さっさと倒して基地に帰るぞ。」

許可を出した瞬間に50mmの弾丸が一体のゴーレムに弾倉いっぱいの5発突き刺さるが、ゴーレムの体表をわずかにえぐっただけで大したダメージが見られない。

「こんにゃろ!」

6.5mmの弾丸もやはり体表を削るだけに止められた。

「あークソRPG持って来れば良かった!」

「こんな室内でそんなもんぶっぱなされてたまるか!」

「じゃあどうするんですか!」

中尉が珍しく焦って叫ぶ。

その間ゴーレムはひたすら魔法障壁を殴っていた。小銃くらいなら全く効かない障壁でも大質量で殴られると流石に持たない。

「…こいつを使うしかないか。」

少尉が右腕に装着された金属の塊に目を向ける。

「でもこれどうやって使うんですか?」

「確か12.7mm砲付いてるとか言ってたな?」

「爆発物だといいですねー。」

棒読みで中尉が半眼で睨んでくるがそれどころではない。

手の甲のタッチパネルのようなものを操作すると、腕装甲の形状が変化した。

「うわー隊長の腕が大砲になったー。」

未だに棒読みの中尉も右腕を砲形態にする。

次の瞬間、魔法障壁を突き破ってゴーレムが突っ込んできた。

「う、うわわわ!」

中尉が先走ってゴーレムに砲撃を加える。

ズドォォォン

弾着と同時にもうもうと煙が立ち込める。

どうやら貫通には強いようだが衝撃には弱いようだ。

「それなら!」

硬直しているゴーレムに脚部装甲の運動能力で接近し、C4を設置する。

「脱出するぞ!」

装備を抱えて広間の裏口から脱出する。

その勢いで窓を突き破り、外へ飛び出してからC4を起爆した。

「わぁお~すごいっすね~隊長ー。」

石造りの砦の一部が完全に吹き飛び、荒野に爆音が轟いた。

「でもまだ作戦は終わってないからな。」

はしゃぐ中尉をなだめて再び砦へと向かう三人であった。

第二話!読んでいただき誠にありがとうございました!


おそらく予定通りに行けば次で完結、ということになりますのでどうぞよろしくお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ