第二話 〜妖精との出会い2〜
……ま、さか。ありえ、ない。
私は嘘だと思おうとした。
だって、考えてみてよ。
目の前に、桜の花びらの渦があった。
その渦が消えたかと思うと、いきなり人が現れた!
更に、頭の中で響いてくる声と同時に、しゃべった!
……どう?
私の混乱ぶり、分かってくれた?
しかも、目の前に居る人は、男か女か見分けが付かなくて。
華奢で細い身体。
薄く纏った衣一つで、うっすらと笑いを浮かべている。
おろした髪は、薄い桃色をしていた。
瞳は……桜のように、刻一刻と変わっていく。
まるで、生き物のようで。
不思議と、怖いとか思わなかった。
只、混乱してるだけ。
…え?混乱してたら、冷静にしゃべることが出来ないだろう?
ふふん、甘く見て貰っちゃあ困る。
これでも、冷静な心は持ち合わせているつもりだから。
そして、みんなに話すことで、状況を理解しようとしてる。
まぁ、常識中の常識だ、これは。
…あ、ゴメン。
これ、父さんの受け売り。
父さん、いつもそう言ってたから。
だってね、父さんは警察官だから。
只の警察官じゃなく、捜査一課の警部なんだって。
おっと、家族自慢はまた後で。
今は、この人のことを知らないと。
「…え、っと。あの……君、誰?」
そう言った瞬間。
一瞬だけ。ほんの一瞬だけ。
この人の顔が歪んだ。……気がした。
でも、次の瞬間。
また、儚い笑顔を浮かべた。
憂い、とも受け取ることが出来るし、遠くを思っているようにも、受け取れる。
どうしてだろう。
抱きしめたくなるのは、何故?
…よっしゃー!
すいません、本音が出ました。
書けました、一番書きたかったシーン!
どうも、作者の独り言をお聞き下さってありがとうございました(笑)