プロローグ
初の作品となります。どきどきしとります。爆発しそうです。ではプロローグをどうぞ。
蓮都・鋼宮はその残酷な現実を知った。ただ、それでも彼は刃を相手に向け、抗うことを止めようとしない。青い瞳は一層鋭くなる。
「ほう、流石、化け物だな。やはり化け物は、精神も化け物級か」
「ごちゃごちゃとうるせぇんだよ……。さっさと構えやがれ」
そろそろ彼は限界を迎えていた。焦燥感。対峙する男は完全に彼を舐め切っている。チャンスだった。
「その体で……。喚く元気だけはあるようだな。タフな奴だ」
男の言う通り、彼の体は傷痕ばかりだった。襟の高い衣服は裂け、血を吸って重くなっている。額から汗が滴った。
それでも蓮都は“創”の元素を用いた鋭利な剣を正眼に構え、その瞳には迷いが一切ない。
蓮都は背後で戦う仲間たちを見やり、視線を男に固定する。
喉が水分を渇望していた。コンディションは最悪で、奴に勝てる見込みなどゼロに等しかった。勝利の運命を得るのは圧倒的に男のほうが有利だった。それでも蓮都は諦めない。恐怖こそあるが、諦観はない。
――勝てる可能性が少しでもあるのなら、俺は戦う。信頼できる仲間がいる。
だから剣を振るえる。
――俺は仲間の大切さを知っている。けど、奴は知らない。
だったら、勝機は必ずある、はずだ。
白銀に煌く剣を手に大地を蹴った。
無論、男は反応する。
「ふっ」
息を抜いて、軽くかわされた。蓮都は第二撃を放つ。横薙ぎ。威力、スピード共にじゅうぶんだ。だが、それさえも男は避ける。そして手首を切り返した蓮都の一振りはあっけなく空を切った。思わず舌打ちをする。男は遊んでいるのだ。まるで鼠をいたぶる猫のように。弱った彼を弄んで嘲笑っているのだ。ギリ、と奥歯を強く噛締める。
――俺の限界なのか……? やっぱりこいつには勝てないのか?
――一生、戦えない体になってもいい。ハッスルできない体になってもいい。死んだっていい。
――だから、今だけでも俺にこいつを倒せる力をくれ。
――なあ、神様頼む……。
いや、違う。
その願いは叶うものではない。自分で切り開くものなのだ。何を神頼みにしているのだ自分は。いつだって、この手で、仲間と一緒に突き進んできたんだろ。今更迷う必要なんてなんにもないんだ。
いつしか隣には仲間の顔触れがあった。どいつも頼りになる顔をしている。彼らは蓮都に笑顔を浮かべると言った。
「あたしたちは絶対負けない。負けるはずがないじゃない」
「そうだぜ、俺たちでこの道を切り開くって言ったのは蓮都だろ」
「私たちで力を合わせて捥ぎ取るんだ、未来を、夢を。希望がある限り」
「ぼくたちならいけるよっ! 蓮都っ!」
その言葉に叱咤された気がした。ぼろぼろになっても諦めない。その執念が明日を掴めるんだと。教えてくれた。
猛攻撃が始まった。
爆発しませんでした。