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カーテンの向こう側

作者: しゅうらい
掲載日:2026/03/31

 僕の家と小学校の間には、不思議な家が建っていた。

 でも、いつからそこにあったのかわからない。

 白い、二階建ての家。

 屋根も壁も白いんだよ。

 だけどね、ひとつだけ色のついた場所があるんだ。

 その場所には、いつもピンクのカーテンがしてあった。

 でも、開いていることはなかった。

 やがて僕は、小学四年生になった。

 その日の帰り道、僕は思いきって声をかけたんだ。

「こんにちは!」

「こんにちは。今日はいい天気ね」

 返ってきたのは、とても可愛らしい声だった。

 すると、ぼんやりと影が現れた。

 横向きだったけど、髪が長くて、声からして女の子ということがわかった。

 そしたら、カーテンの間から、白い手袋をした手が出てきたんだ。

「声をかけてくれたのは、あなたが初めてよ」

「えっ、そうなの?」

「どうか、私と友達になってくれないかしら」

「いいよ!」

 そして、僕らは握手をしたんだ。

 それから毎日、僕はその家に通った。

 たまに、お花も持っていったんだよ。

 だけど、彼女はいつも白い手袋をした手だけ出してくる。

 顔を見たことは、一度もない。

 だから、僕は聞いたんだ。

「なんで、いつも手だけなの?」

「えっ、ちゃんとお話ししているわよ?」

「先生が言っていたんだ。話す時は、ちゃんと目を見て話すんだよって」

「……」

 突然、彼女は黙った。

 静かな時間が、僕たちの間に流れる。

 そして、やっと彼女が話しだした。

「私を見ても、驚かないって約束してくれる?」

「うん、約束するよ!」

 すると、急に強い風が吹いたんだ。

「えっ……」

 風のおかげで、ピンクのカーテンは開けられた。

 そして、彼女の顔も見ることができた。

 でも、僕はすぐ後悔した。

 だって、彼女の顔はガイコツだったのだから。

「うっ、うわぁーっ?!」

 僕は、全力でその場から逃げだした。

 どうやって家まで帰ったのか、覚えていない。

 だけど、はっきり聞こえた。

「うそつき」

 その声はとても冷たく、僕の心に突き刺さった。

 そして時は過ぎ、僕は大人になった。

 家族もできて、とても幸せな日々を送っているよ。

 風の噂だが、あの白い家はなくなったらしい。

「ただいまー」

「あっ、お父さんお帰りなさい!」

 いつも通り、小学生の我が子が出迎えてくれる。

 しかし、僕は耳を疑うこととなる。

「この近くでね、白い家にひとつだけ、ピンクのカーテンの部屋があるんだよ!」

 そう、それはまさしくあの家。

 その時、彼女の声が聞こえた気がした。

『うそつき……』

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
子供も同じように導かれてる感じが怖いですね。最後に聞こえたあの声もゾワっとしました。
何気ない一言ですが、時を超えて耳にした主人公の恐怖といったら… 一瞬で身も凍ったことだと思います。 一言「ごめん」と言ってみたら良かったのかもですね。
手元や身体は衣服や手袋で隠せますが、顔は確かに隠すのが難しいですからね。 西洋の未亡人みたいにベールで顔を隠すにしても、少女としてもそれは躊躇われるでしょう。 しかしいくら驚いてしまったからとはいえ、…
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