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特殊作戦

コルタルの首都は、深夜でも完全には眠らない。

熱気が街を震わせ、政府地区の光は、まるで人工の心臓が脈打つように、埃の中で揺れていた。


午前2時17分――空気の音が変わった。


爆発ではない。

もっと深く、重く、鈍い――夜そのものが息を止めたかのような音。


レーダーは反応できず、反応した時には、もう遅かった。


三台の無識別車両が空域を抜け、音もなく地面に降り立つ。

電源オフ。存在を許されていないかのように、世界の目に映らない。


地上では、カーディナル・チームが既に展開していた。


兵士ではない。

反乱者でもない。

叫び声も、スローガンもない。


ただ、入り込み、名前を消し、歴史に記される前に消えるために鍛えられた人間たち。


最初の警備員は、世界が消えたことに気づかぬまま倒れた。

二人目は倒れもせず、ただ動きを止めた。


五分も経たぬうちに、国家統一宮殿は単なる建物ではなく、完全支配の空間となった。


広い廊下、熱を帯びた大理石、死せる指導者たちの肖像が無言で見下ろす。


「アルファ目標、確認」

閉鎖通信で囁く声。


セイドゥ・カラメ大統領は目を覚ましていた。

眠りは常に浅い。


扉が開き、大統領は立ち上がる。

叫ばず、懇願せず、言葉を発しようとしたが、時間はなかった。


銃声――静かで正確、終局的。


隣室では、大臣たちが緊急会議中、何が起きたのか理解する前に乾いた連続音が全てを物語る。


一人ずつ、無言で。

殉教者も、演説もなし。


権力は轟音ではなく、効率で倒れた。


午前2時29分、作戦終了。


サーバーは火で破壊され、書類は灰になり、通信は遮断。

コルタルは沈黙した。


そして、マルコスが現れる。


制服も武器もない。

ただ汗で濡れた暗いシャツと、自由ではない冷静さだけ。


大統領室の床を横切り、倒れた体を見下ろす。


「学習しないな…」

低く、静かに呟く。


傭兵の一人が訊く。

「撤退、確認しますか?」


マルコスはゆっくり笑う。

「世界が違って目覚めることを確認しろ」


数分後、都市に噂が広まり、散発的な銃声が余韻のように響く。

車両は再び空へ。

コルタルは静かに燃えていた。


遠く離れた、ヴァルモント都市。

グラスと笑みで権力が動く場所では、アドリアン・ヴァルモントはまだ、世界に本当の混乱が示されたことを知らない。


アストリッドの目覚めは遅くなかった。

衝撃だった。


目を開けると、天井が微かに振動し、世界が彼女の体と共鳴したかのように感じる。

めまいではない。過負荷だ。

シーツの一筋一筋が皮膚に触れ、神経が露出したように痛む――チリチリ。


中心はもっと下、股間に厚く脈打つ熱。

許可を求めず、背骨をゆっくり上る。

まだ快楽ではない。切迫感――ジリジリ。


彼女は突然立ち上がり、シャワーへ。

冷水を全開にし、肩に当たる氷の衝撃ではっと息を漏らすが、炎は消えない。

水は滑るだけで火を消せない。フツフツと燃え続ける。


タイルに体を押し付け、息を荒くする。

これは異常だ。


着替えながら、鏡を見ずに手が震える。

体が、誰かを求めている――抽象ではなく、確かな存在。


ヴァルモントビル。

いつも通りの冷徹な朝。ガラス、鋼、調整された声。

アドリアンはスクリーン前に立ち、地域拡張フェーズを説明していた。


突然、会議室の扉が勢いよく開く。


告知も謝罪もなし。


アストリッドが入る。

まだ湿った髪、わずかに赤い肌、休んだ女性にはありえない熱を帯びた目。

コンサルタントたちはピクリとも動けない。


アドリアンは眉をひそめ、マーカーを置く。


「アストリッド、今――」


言わせない。


彼女は力強く歩き、手を取り、椅子から引き上げる。

体格や歴史にそぐわぬ力で。


「出ろ」

声を上げず、誰も見ず。

怒鳴りではない。確信だ。


男たちはアドリアンを見た。

抗議しようとしたが、皮膚の温度を感じた。


熱い――ジリッ。


扉が閉まり、世界の機能が封じられる。


アドリアンは机にもたれ、息を荒くする。

肩に爪痕、胸は赤く、脈は跳ねる。

普段の鎧――制御――は粉々だ。


「アストリッド…やめろ…もう、無理だ…」

声は砕ける。


返事はない。

彼女は上に乗り、盲目的な切迫感で動く。

顔は首に沈み、そこだけで呼吸するかのよう。

肌は燃え、異常な熱を放つ。


飢え――本能的な、交渉できない必要。


アドリアン・ヴァルモント、計算し、即興しない男は、疲労の下に新しい感覚を感じた――恐怖。


これは彼女ではない。

初めて、捕食者ではなく、獲物となった。


遠くロシュ邸、李申は小さな香炉の前で瞑想する。

煙は完璧な螺旋を描く。

だが呼吸が乱れる。


銀の針が机の上で光る。

前夜、儀式のように、ためらわず使った。

古文書に従い、量は正確。


しかしアストリッドは獣ではない。

そして純粋でもない。


体はストレス、野心、抑制された欲望、そしてアドリアン・ヴァルモントで飽和していた。

儀式は効かない。


背中に冷たいものが走る。

毒は火を消さず、縛る。恒久化する。


「量が…過剰だった…」

かすれた声で呟く。

守れなかった。

裁いたのだ。


アストリッドとアドリアン――結ばれた。

愛でも意思でもなく、必要性によって。


その絆は――壊れない。

解く方法はない。

生き延びるか、死ぬかだけ。

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"読んでいただきありがとうございます!コロンビア人ですが、日本のアニメや小説が大好きで頑張って書いています。翻訳ツールを使っての投稿ですが、楽しんでいただければ幸いです。"
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