4話 双子の呪い 午後 3時
僕たちは黒い大きな書斎に通された。
木造でできた黒い大きな書斎に。
「やあやあ、よくいらっしゃいました!探偵さん!自分はこの屋敷の主を任されているものです!」
と快活にテンプレっぽく漆黒の長髪男は言った。
見た目から実年齢はわからなかった。
見た目は大学生だが、彼は二児の父である。
おそらくは低く見積もっても30~40台である。
ちなみにメイドさん曰く母親は双子を生んだ後に死んでしまったらしい。
約12年前のことだそうだ。
更に彼の年齢がわかりやすくなってきた。
メイドさんは屋敷の諸事情や築年数などの様々な事情について答えてくれた。
本来ならばこんなことは言いいませんが、っと最後につけて。
ちなみに、読者諸君は僕たち全員が名前を明かさないことを奇妙に思っただろう。
礼儀として主もメイドも探偵も僕も名前を明かすべきと。
僕もそう思った。
しかし、この世界の住民にもちゃんとした事情があるらしい。
約、10年前とある魔物が人間の姿を真似るようになった。
詳細は省くが、その魔物は街に繰り出し殺人、虐殺、謀略の限りを尽くした。
つまり、人を喰らった。
そして、8年前とある科学者がその魔物を研究し、その魔物は目が見えず、名前を聞くことによって人の姿を模していることが発覚した。
言葉は言霊であり、名前は人そのものが宿るというけれどこの世界では本当に宿るらしい。
まあ、そんなこんなで人をかたどる魔物「クローン」がほぼ絶滅した後でも名前を名乗らないという予防は続いているわけだ。
まるで感染症が去ったのにマスク離れができない日本人だ。
任されているということはこの屋敷は誰かから任されているのですか?
と僕が聞くと
「大きな屋敷には妖精が住みつきます、つまり、この屋敷は一種の森のようなものであり、この屋敷に住んでいる自分は今この屋敷の一員なのです!」
「それじゃあ、主じゃなくて住民ですね。つまり、あなたは随分自分勝手な自称主だということになる。」
隣の少女が鋭く言う。
すると自認主は
「言葉足らずですみません、私は先代の主からこの屋敷を託されました。」
自称でも主なのですよ、と男は言った。
「主様、おしゃべりはお辞めにして本題へ」
メイドは進言する。
そして、主は
「おお、そうだね、あなた方には我が愛しの愛娘を救ってもらうために来たのだから。」
と胡散臭く笑顔に言った。
魔法って面白いですよね




