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reverse time to come No.0003 止まる、戻る

 「止まってる・・・」


 春江は目の前のアナログをそっと持ち上げた。確かに昨日まで時を刻んでいた。秒針は「4」のところで止まっている。電池切れ?

買ったばかりなのに・・・

 「まさかね、偶然よね」

 だけど、不安が胸の奥でドキッとさせた。


 今朝戻ってきたデジタルの腕時計は、狂った時刻を刻みながら、動いている。

 一方で、新品のアナログ時計は完全に静止していた。


 春江は思わず自分の手首を見つめた。深くなったしわ、増えてるしわは、歳月をモノ語る。気づけばただ日々をやり過ごすだけの生活になっていた。

夫を亡くし、アンバランスな気力、何も感じなくなって、それでも、「時間に追われている」ふりをしていた。


そうしなければ、自分が自分でいられなくなるから。


 その時テーブルの上のデジタル腕時計の電子音「ピッ」。

誰かが遠隔操作したみたいだった。


驚いて、腕時計を見ると、数字が揺れていた。


今まで合わせられなかった時刻表示が"現在の時刻"になっていた。


正確な時刻だった、午前09:02。

 「えっ・・・うっそぉー」

止まった時計と正確に表示した時計。

忘れていた過去と戻ってきた想い、それらが春江に問いかけている気がした。



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