表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

58/77

第58話 ゾンビ村 突入

 二日後の夜。


 俺達はゾンビ村と呼ばれている、ケールネア村に着いていた。


「ここがケールネア村か……。外から見るだけでも、ゾンビがうろついているのが見えるな……。こりゃ、誰も近づかない訳だ……」


 俺は状況をそのまま言葉に換える。


「ゾンビ村……。ゾンビの大群に襲われたという話なんですよね……。元々住んでいた村人達はどうなったのでしょう……」


 ルクスハートが悲しげな表情で口にする。


「……それを確かめたい。俺の不浄宮の能力ちからがあれば、肉体が滅んでいなければ、元の人間に戻せるはずなんだ。ただ、そもそもゾンビとして生まれた魔物の場合は人間には戻らない。ややこしい話なんだけどな……」


 俺は頭をポリポリとかく。


「つまり、村に入って不浄を吸収して、村人か魔物かを見極める必要があるってことか」


 シェリナが今までの情報の整理をする。


「そういうことだ。できる限り、人間だった人は元に戻したい。……そこで、作戦があるんだが、言ってもいいか?」


 俺は全員に目を配る。


「だいじょーぶです!」


 セラが元気よく返事をする。


 ルクスハートと、シェリナもよいとの返事だった。


「俺がセラの《セラファーン(セラファーンズ=)の加護(ブレシング)》でスピードを上げて、どんどん不浄を吸収したい。その間、村から外にゾンビが出ないか、ルクスハートとシェリナには見張りをしてほしいんだ」


 俺は作戦の内容をゆっくりと伝える。


「なるほどね。わかった。だが、セラ嬢ちゃんは大丈夫なのかい? 強さはもちろん知ってるけど……」


 シェリナはセラの身を心配しているようだ。


「セラ……大丈夫……! セラは……ハーフセラファーン! 不浄にも耐性……あります!」


 セラが腕を曲げて、大丈夫だということをアピールしている。


「そうか……。だったら、安心だ。ヴェル殿……セラ嬢ちゃんのこと頼んだよ」


 シェリナは安心半分、不安半分という顔だ。


「任せろ! それに、あまりにヤバそうだったら、俺も退避する。無理はしないよ」


 俺は素直な笑みを浮かべる。


「そうか……。なら、安心だ」


 シェリナが安堵あんどした表情になる。


「気をつけてくださいね。ヴェル様、セラちゃん」


 ルクスハートがニコりと笑う。


「ああ、気をつけて行ってくる」


 俺も笑顔を返す。


「セラも……気をつけます!」


 セラは満面の笑みを浮かべている。


 ◇◇◇


 村の入口にて。


「セラ、頼む」


「りょーかいです! 《セラファーンズ=ブレシング》!」


 セラが俺の肩にしがみつき、詠唱する。


 身体が一気に軽くなった感覚になる。


 セラが乗っているのにそれ以上に軽く感じる。


 何だか不思議な気分だ……。


「ヴェル様、身体軽くなった?」


 セラが俺の顔をのぞき込んでくる。


「ああ、軽くなったよ。ありがとうな」


 俺はセラの頭を三度なでる。


 セラは嬉しそうな顔をしている。


「さて、いくか……!」


 俺とセラはケールネア村に足を踏み入れる。


 すると、すぐに入口付近にいたゾンビが襲い掛かってくる。


「キャ……」


 セラは短く悲鳴を上げる。


「安心しろ。セラ。俺が守る」


 俺は短く、しかし安心感が伝わるように言葉を紡ぐ。


「……セラ、ヴェル様が言うと、安心する」


 セラはそう言い、ギュッと俺の肩を強く持つ。


「安心してな。セラ」


 俺はそう言い、七体ほどのゾンビに近づく。


「《吸収アブゾーブ》……」


 俺の詠唱と共に、ゾンビ化の呪法が吸い出されていく。


 ゾンビだった者達は、七人とも人間の姿に戻った。


「おい、大丈夫か?」


 俺は一番手前にいた青年に声をかける。


「…………う……ぐぅ……。ゾンビの群れが……村を……」


 青年はうわごとを呟いている。


 数秒すると、目が覚める。


「あれ? 僕は一体……?」


「あなたはゾンビにされていたんです。俺がゾンビ化の呪法を吸収しました。何かおかしなところはないですか?」


 俺はゆっくりと尋ねる。


「大丈夫です。なんだか、悪夢をずっと見てるような気分でした」


 青年は青い顔をする。


 青年と話していると、他の六人も目を覚ました。


「村の外に仲間が待機してるんだ。そこまで一緒に行こう」


 俺はそう言い、七人の村人と共に村を一度出た。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるの!!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ