第57話 ゾンビ村のうわさ
翌日。
俺は早起きして、宿屋の女店主と話していた。
「この辺りで、不浄による問題とかってあったりするか?」
「不浄? うーん、ああ! そういえば、南に二日ほど進んだところにあるケールネア村がゾンビ村になっちまったって噂だねぇ」
「ゾンビ村? そりゃまた物騒だな……。何かあったのか……?」
「ある日、ゾンビの大群に村が襲われたみたいなんだよ。それ以来、ゾンビ村になって誰も寄り付かなくなっちまったのさ」
「急にゾンビの大群に襲われた……か……。ギルドなんかが何とかしようとしてるという話はないのか?」
「そうだねぇ。なんとかしてあげたい気持ちはあるけど、村そのものがゾンビ村になっちまったからさ。ルグドを出す者もいないし、そのままになっちまってるね……」
女店主は視線を落とす。
「……逆に言うと、ゾンビ村から被害が出たりはしてなさそうだな。被害が出れば何かしら、対応がありそうだしな」
「その通りだよ。ケールネア村は現状、ゾンビ村だから、近づくなっていう暗黙の了解があるだけさ」
「ありがとう。欲しかった情報が手に入ったよ。お代は先に置いとくな」
「まいどあり! あと、もしゾンビ村に行こうと思ってるなら、十分気をつけるんだよ。ゾンビに噛まれるとゾンビ化の呪法が進行してしまう。シスターに浄化を頼めば治るからね!」
「ありがとう! 気をつけるよ」
俺はそう答えながら、俺には不浄は効かない。むしろ力になるということを頭に浮かべた。
◇◇◇
しばらくして、全員が起きてきたため、朝食を食べてから出発することとした。
セラはまだ眠そうに、目をこすっていたが……。
◇◇◇
「行先は朝食を食べながら話したけど、ケールネア村だ。なんでも、ゾンビ村になってしまってるらしい」
俺は改めて、全員に行先を伝える。
「本当に不浄に関することなら、何でも助けに行ってるんだな……。困った人を助けて回る……まるで、勇者みたいだな」
シェリナが感心するように声を出す。
「勇者……ね……。まあ、みんなの助けになれれば呼ばれ方は何でもいいけどな。勇者は嫌だけど……」
俺は苦笑しながら、返答する。
「そうなのか? じゃあ、今まで通り英雄のヴェル殿って呼ぶよ」
シェリナがニコっと笑う。
「みんな英雄って呼んでくれるけど、俺なんかが英雄って呼ばれていいのかな……? 悪い気はしないけど……」
「何言ってるんだい! エラリヘイムを救ったのは紛れもなくヴェル殿だ。それだけのことをしたんだよ、ヴェル殿は!」
シェリナが声高に話す。そして、俺の肩を持ち揺さぶる。
「うぉぉ。わかった。自分でも自信を持つよ。ありがとう。シェリナ」
俺は揺さぶられながら、微笑む。
「なっ……。急にそんな顔するなよ……。照れるだろ……」
シェリナはなぜか頬を赤く染め、俺から少し離れる。
「むむぅ……。シェリナさんとヴェル様……何やらいい雰囲気ですね……?」
ルクスハートが少し怖い笑顔でこちらを見ている。
目が笑ってないよ……ルクスハート……。
「いい雰囲気とかじゃないだろ……?」
俺はすぐに否定する。
「……そうですか。ヴェル様はそう思うのですね……」
ルクスハートは変わらず、怖い笑顔のままだ……。
「と、とにかく、ゾンビ村に行くから、気をつけないといけない! 特にゾンビに噛まれるとゾンビ化の呪法が進行する。バトルシスターであるルクスハートの浄化の力が必要だ。よろしく頼みたい」
俺は急いで話題を変えるように、ルクスハートにお願いをする。
「……わかりました。浄化の準備をしておきますね」
ルクスハートは仕事モードのスイッチが入ったようだ。
……よかった……。
「ここから、二日ほど歩かないといけない。道中、魔物も出るだろうから、気を引き締めていこう!」
俺は全員の顔を見て、気合を入れる――。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
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