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能無しの烙印を押され、勇者パーティーを『追放』された俺が、実は『最強』だった『不浄』の力で、気づけば『英雄王』に成り上がっていた件  作者: 一 弓爾
エラリヘイム 魔王軍 交戦編

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第48話 魔王軍 交戦――ボス戦②

「こんな小癪こしゃくな手段で俺を殺せる訳ねぇだろ……? おい! お前ら! 今、矢が飛んできた方向に行け! エルフが隠れてるはずだ! 見つけ次第殺せ!」


 ブラムスドは顔中に血管を浮かび上がらせながら、声を張り上げる。


「行かせない……。《リモルビスズ=ディジス》……!」


 俺は身体中から、緑色の穢れを拡散させる。


「それが、俺の部下を苦しめた魔法……いや、呪法の類か……? 人間風情(ふぜい)が『不浄を扱う』呪法使うたァ、思い上がったもんだなァ……。俺様が殺す……! 《腐乱の風(デコンポズ=ウィンド)》……!」


 俺の《リモルビスズ=ディジス》と《デコンポズ=ウィンド》はぶつかり相殺し合う。


 しかし、《デコンポズ=ウィンド》はその名の通り、〝風〟を扱うものであり、《リモルビスズ=ディジス》を吹き飛ばした……。


「ちっ、周辺にリモルビスズ=ディジスは残ってるが、このままじゃ魔族が出て行ってしまう。それどころか、俺もヤバいな……」


 俺の頬を汗が一筋伝う。


「人間! さっきまでの威勢はどうしたァ! このまま腐乱させて、殺してやるよ。《デコンポズ=ウィンド》……!」


 ブラムスドはぎ払うように、《デコンポズ=ウィンド》を吹かせる。


「《吸収アブゾーブ》……」


 俺の詠唱に合わせて、《デコンポズ=ウィンド》は俺に吸収される。


「な、何……! 俺の《デコンポズ=ウィンド》が吸収された……⁉ お前、何をしたァ!」


 ブラムスドの口調からも焦っていることが伝わってくる。


「俺のヘブンススキル、不浄宮の能力ちからだよ……」


 俺は短く答える。


 この状況、詰みになるのは、ブラムスドが《デコンポズ=ウィンド》を使わず、魔法や体術で攻撃してくる。かつ、部下をも俺にぶつけてくるパターンだ。


 おそらくそうされると、俺一人では勝てないだろう……。


 まあ、やりようは色々とあるがな……。


「不浄を吸収する能力ちから……。お前、勇者パーティーだった奴か……? 噂には聞いている。不浄を吸収し、不浄を扱うという人間……!」


 ブラムスドの顔色が変わる。


「……知ってもらえていて光栄だよ。……正直、そこまで目立っていないと思っていたんだがな……」


 俺は素直に思ったことを言葉にする。


「魔王軍からすれば、お前は脅威判定されるレベルの人間だ。勇者パーティーが追放したと聞いた時は驚いたものだ……!」


 ブラムスドは語気を強める。


「そこまで知っているのか……。勇者パーティーの状況を偵察ていさつしていたのか……?」


「まあ、そんなところだ。お前ら! 作戦変更だ! この人間はここにいるブラムスド軍で相手をする!」


 ブラムスドが森に響く声で伝達する。


「ブラムスド様! しかし、先ほどから、矢が我々の急所を狙って射られています。じわじわとですが、削られています……!」


 ブラムスドの部下が現状を伝える。


 シェリナの援護射撃だろう……。


 これだけの遠距離でも正確に射抜くとは、とんでもない技術だ……。


「おいおいおいおい。やわなこと言ってんなよ……! あんな矢くらい、素手で止められるだろうが……! んなことより、この人間……ヴェルを殺す方が先だ……! ヴェルを殺して亡骸なきがらをリュミセルダ様に献上けんじょうするのだ……!」


 ブラムスドは忠誠を示すように、声を大にする。


 ……どうやら、ブラムスドにとって、リュミセルダとかいう奴は大事なようだ。そこを利用させてもらおうか……。


「面白かった!」


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