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能無しの烙印を押され、勇者パーティーを『追放』された俺が、実は『最強』だった『不浄』の力で、気づけば『英雄王』に成り上がっていた件  作者: 一 弓爾
勇者パーティー編②

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第41話 絶望の選択

「直情的な攻撃ね……。《闇弾(ダーク=バレット)》……」


 リュミセルダから、《ダーク=バレット》が散弾銃のように放たれる。


「ぐぉっ……。鉄の塊をぶつけられてるみてぇに重い……。でも、負けんっ!」


 俺は何とかリュミセルダに、ショートソードが届く所まで辿り着く。


「ここから、どうするのかしら……?」


 リュミセルダが不敵な笑みを浮かべる。


「こうするんだよ! 《(セイント=)スラッシュ》……!」


 俺はショートソードに聖属性を集約させた斬撃を放つ。


 不浄の影響だろう……。聖属性の集約は安定しておらず、ムラができていた。


 でも、んなこと関係ねぇ……。斬り殺せばいいんだからな……!


 ガギンッ!


 ショートソードの衝撃音が響く……。


「なんだ……やはりこんなものなのね……」


 リュミセルダは一切の防御をせず、《セイント=スラッシュ》を受けていた……。


「嘘……だろ……⁉ 俺の全力の一撃だぞ……?」


 俺は額から汗が滝のように溢れる……。


「サ、サンドラ……! 魔法だ! 魔法で攻撃しろォォ! 物理耐性が高いだけかもしれん!」


 俺は焦りながら、声高に叫ぶ。


「わ、わかった……! 《火炎(ファイア=)放射(ラジエーション)》!」


 サンドラの両手から、黒炎が放射される。


「ふぅん……。不浄の力が混ざっているのね……」


 リュミセルダは再度、防御をせず攻撃を受ける。


「直撃だ! 間抜け! 消し炭になるんだな……!」


 俺は声を上げる。


「まあ、多少は強い攻撃……といったところね……。ダメージになるほどではないけど……」


 リュミセルダは邪悪な笑みを浮かべ、呟く。


「な……⁉ ゴブリンを一瞬で消し炭にした魔法だぞ……⁉」


 俺は驚嘆を漏らす。


「ゴブリンなどと比べるとは、私もあなどられたものね……。《ダーク(=エッジ)》……」


 リュミセルダの右手から、ゆったりとした速さで闇の刃が放たれる。


「《聖なる盾(セイント=シールド)》!」


 リサが防護魔法で《ダーク=エッジ》を防ぐ。


 しかし、《セイント=シールド》は、一瞬にして乾いた音を響かせ破壊される。


 そして、《ダーク=エッジ》は俺の鉄の鎧と共に、上半身を斜めに切り裂く……。


「ぐわぁぁあああ……! 痛ぇぇええ!」


 俺は痛みで転げ回る。


「ふん。たわいない。この程度の者共が勇者パーティーなの……? 期待外れね……。うわさに聞いていた不浄を使う人間はいないの……?」


 リュミセルダが俺達に問いかける。


「痛ぇぇええ、痛ぇぇえええ!」


 俺は未だ転げ回っていた。


「うるさいわ。羽虫……」


 リュミセルダに蹴り飛ばされ、俺は岩に激突する。


「ぐっ、うぅぅ……」


 俺はリュミセルダを睨み付ける。


「なぁに? その顔は……?」


 リュミセルダは俺を蹴り上げる。


 そして容赦なく踏みつける。


「羽虫……。もう一度聞くわよ。不浄を使う人間はいないの……?」


 リュミセルダの声はどこまでも冷たい。


「お、おい! お前ら、攻撃! 攻撃しろォォ!」


 俺はサンドラとリサに向かい叫ぶ。


 しかし、そこで現状がどうしようもなく絶望的だと気づく。


 サンドラは恐怖からなのか、震えながら自分の足元に大きな水たまりを作っていた。


 リサは先ほどの《セイント=シールド》で魔力を使い切ったのか、白目を剥いて気絶している。


「なっ……。俺達は勇者パーティー、ルミナス・ブレイヴなんだぞ……。何でこんなことに……?」


 俺は震えながら声を出す。


 直後、俺の顔に衝撃が走る。


 リュミセルダが蹴りを入れたのだ……。


 視界が揺れる。思考も定まらなくなってくる……。


「羽虫……。質問に答えなさい。不浄を使う人間はどこ……?」


「……能無し……ヴェルは使えないから、追放した……! だから場所なんて知らねぇ……!」


「なんですって……? 追放した……? ハッハッハッハッハ! 冗談でしょう? 聞いていた話では、まだ脅威として認識できる者が、不浄使いだけだったのよ? その者を追放した? 勇者パーティーは余程見る目がないようね!」


 リュミセルダはあざけるように高笑いする。


 俺は何も言えず、黙っていた……。


「じゃあ、なに? 私が自ら出向いたというのに、脅威対象の調査すらできないということ……?」


 リュミセルダは再度、俺の顔面を蹴り飛ばす。


 俺の目の前を血飛沫が舞う。


「ぶ…………。ゆ、許して……。許してください…………」


 俺はリュミセルダに懇願こんがんした。


「……お前……勇者なのでしょう……? 勇者が魔王軍幹部である、私になさけをうの……?」


 リュミセルダは俺を見下ろし、侮蔑ぶべつするように言葉にする。


「お、俺にできることなら、何でもする……! お前らの部下にだってなっていいぞ? どうだ……?」


 俺は自分が生き残るために必死に言葉を探した。


「……ハハハハハ! 勇者としてのプライドすらないの……? お前のようなちんけな者いらないわ。…………あ、でも自分の手で仲間を殺すっていうなら考えてあげてもいいわ……」


 リュミセルダは邪悪を煮詰めたような笑顔で、言葉を吐き出す。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるの!!」


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― 新着の感想 ―
このままオーレンが仲間を殺してしまうのか… ヴェルを簡単に切り捨てたオーレンなら、自分が助かるために平然と仲間を売りそうだとは思いますが、改心して仲間を守ってほしいです。
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