第29話 セラの戦い方
翌日。
セリュカンに向かうために、俺達は歩いていた。
道中で遭遇する魔物は、俺とルクスハートがメインになって倒した。
途中で、セラが口を開く。
「セラも戦う……」
「セラちゃんは戦わないでいいよ!」
ルクスハートがやや大きい声を出す。
「セラは……神獣セラファーンと人間のハーフ……。聖属性の攻撃……できる。まだまだ弱いけど……強くなりたい……!」
セラは覚悟の滲む声色だ。
「……セラのことをいつまでも、守り続けられるかわからない。自分でも戦えるようにしておくことも必要かもな……。俺達がサポートしつつ、道中の魔物を倒そうか」
俺は少し考えた後、言葉にする。
「ヴェル様……。……そうですね。この旅も過酷になっていく可能性が高い。戦えるようになっておく方がいいですね……」
ルクスハートは複雑な面持ちだ。
「セラ、いくつか技使える……。セイントパンチ、キック……セイント噛みつき、聖咆哮、変身……くらい……です!」
セラは上を見ながら、思い出すように話している。
「二つ気になったんだが、セイントロアっていうのは?」
俺が尋ねる。
「セイントロアは……聖属性のブレス……です!」
セラは元気よく答える。
「なるほど、トランスというのは、クロウを倒した技か……?」
「そう! セラ変身して……神獣セラファーンの姿に近づける! そうしたら、もっと速く動けるし……ひづめも角も生える。強くなれる……! でも、変身すると、エネルギーいっぱい使う……。眠くなるし、お腹減る…………」
セラは身振り手振りを入れながら説明してくれる。
動き一つ一つが可愛らしい。
「なるほど。流石、セラファーンと人間のハーフだな。教えてくれてありがとう、セラ」
「どういた……まして」
セラが一礼する。
「強くなるポテンシャルは十分にあると思う。一緒に経験値を貯めようか」
「うん!」
セラが輝く笑顔で応える。
◇◇◇
それからは、魔物が出てきても、メインはセラが戦い、俺とルクスハートはサポートに回った。
セラは元々レベルが低かった影響もあるのだろう。
経験値を得るごとに、どんどん強くなっていった。
「セラ、かなり強くなったな。もし、一人でこの辺の魔物と戦わないといけなくなっても、戦えるくらいにはなったと思う」
俺は笑顔も混ぜながら、セラに話しかける。
「セラ……強くなれた。嬉しい……。ヴェル様とルクスお姉ちゃんのおかげ……。感謝……!」
セラは俺とルクスハートにお辞儀をする。
「気にしないでいいよ! 私もセラちゃんが強くなって嬉しい!」
ルクスハートは自分のことのように嬉しそうな顔をする。
「さて。そろそろ、セリュカンに着く頃だろう。かなり暗くなってきてるから、今日は野宿をする。明日の朝一からセリュカンに向かおう」
「わかりました!」
ルクスハートとセラから同様の返答がある。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「今後どうなるの!!」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本当にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。




