第26話 闇組織――神獣セラファーン
クロウは爆導石に魔力を込めて、爆発させようとする。
まずい……間に合わない……。
俺がそう思った直後、俺の横を超高速で通り過ぎたものがあった。
その超高速物体は、クロウの腕にぶつかり、爆導石が地面に落ちる。
爆導石は爆発することなく、コロコロと音を響かせるのみだった。
「なんだ、今の……」
俺は驚嘆を漏らす。
「セラ……ちゃん……?」
ルクスハートが静かに呟く。
「あ……危なかった……。間に合って……よかった……」
セラが輝く白銀の髪と包帯をなびかせながら、クロウの前に立って話す。
大きく変わった点は、額に一本の角がユニコーンのように生えており、縦に長い瞳孔が白銀の輝きを放っているところだ。そして、両足が馬のひづめのようになっている。
「セラ、お前は一体……?」
俺は思わず疑問を口にする。
「セラは……神獣セラファーンと……人間のハーフなの。父様と母様は……魔族に殺されちゃったからいないけど……」
セラは悲しそうにぽつりと言葉にする。
神獣セラファーンというと、美しい白銀の毛で、空をも駆ける脚を持つという、ユニコーンの神だ。
伝説上の存在と言われているが、セラの話と、つい先ほどの超高速移動を合わせて考えると、〝存在する〟と判断してもよいと思われる。
「セラちゃんすごいよ!」
ルクスハートがセラに駆け寄る。
ついでに、クロウを思い切り踏みつけ気絶させている……。
「セラ……この姿になると……。エネルギー……使い過ぎて、お腹……減る……」
そう言い、セラは気を失ってしまった。
◇◇◇
その後は、捕らわれていた奴隷達を解放して回る。
奴隷には獣人や人間、ドワーフ、リザードマンなどがいた。
それぞれの事情を聞くと、急に闇組織の人さらいに遭ったとのことだった。
「ルクスハート……一度、モンバリス王国に戻ろう。セリュカンも心配ではあるが、これだけの人達を保護してくれるのは、現状モンバリス王国が一番可能性が高いと思う」
俺はルクスハートに話しかける。
「そうですね……。それに、闇組織の人も引き渡さないといけないですしね」
ルクスハートも同意する。
大人数が一気に解放されたため、ざわざわとしていると、馬に乗った騎士が二十騎ほどやってきた。
「英雄ヴェル殿! ルクスハート様……! この状況は一体……?」
その中にいた、サリラが尋ねてくる。
「サリラさん⁉ ちょうどいい。実は、人身売買をしている闇組織を潰したんだ」
俺は驚きつつも答える。
「闇組織……おそらく、我々が追っていた組織だ。近頃、呪詛の魔人軍との戦いで王国騎士団が手薄になっている隙を狙って、人さらいがあった。そのため、闇組織を探していたんだ」
「そうか。タイミングが良かった……。俺達で闇組織のリーダーは倒した。ただし、こいつが本当のトップで指示を出しているかまではわからない。その辺りも含めて、尋問してほしい。あと、奴隷にされかけていた人達の保護もしてほしいんだが可能か……?」
「救国の英雄の頼みだ。王も許可してくれるだろう……。可能な限り、元いた所へ帰る手伝いもしたいと思う。まあ、これも王のお考え次第だが……」
サリラは自身に決定権がないことを歯がゆそうにする。
「いや、保護してもらえるだけでもありがたい。すまないが、移送を頼んでいいか?」
「任せろ……!」
サリラはそう言うと、手際よく指示を出していく。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
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