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能無しの烙印を押され、勇者パーティーを『追放』された俺が、実は『最強』だった『不浄』の力で、気づけば『英雄王』に成り上がっていた件  作者: 一 弓爾
モンバリス王国 救国編

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第16話 呪詛の魔人軍 討伐クエスト――ボス戦

 俺とサリラは敵陣の中心に突撃した。


 道中で襲ってくる呪詛の魔人達は、サリラのロングソードによる斬撃。俺の《吸収アブゾーブ》で無力化した。


 そして、敵陣の中心に辿り着く。


「ヴェル殿……死なないでくれよ」


 サリラは強い眼差しを向けてくる。


「ああ、死なないよ。まだまだやりたいことがある……!」


 俺は力強く言葉を返す。


 俺の言葉を聞き、サリラは疾風の如く、戻っていく。


「お前が呪いを吸収して回ってる人間か……?」


 敵の大将が問いかけてくる。


 周りには六体の呪詛の魔人がいる。


「ああ、そうだ。お前がこいつらの大将ってことで合ってるか?」


「そうだ。我が名はネザディ。無謀にも一人で戦いを挑むか……。すぐに呪い殺してやろう……」


 ネザディは俺目掛けて、手をかざし呪文を唱える。


「アブゾーブ……」


 俺は静かに詠唱する。


 ネザディから放たれた呪いは俺の身体に吸収されていく。


「何⁉ 我が呪いを全て吸収したのか⁉ なんなんだ、お前は⁉」


 ネザディは明らかに動揺している。


「俺はヴェル。ただのヴェルだ……。この世界の平和を望む者。平和の障害になっている者を倒す……!」


 俺は声を大にして宣言する。


「ふざけたことを言いおって……。奴を殺せ……! 呪いが効かなくとも、物理攻撃は効くだろう!」


 ネザディが叫びを上げる。


「グルォォオオオ!」


 俺の一番近くにいた、呪詛の魔人が鋭利な爪で襲い掛かってくる。


「一体くらいなら……《ヒュドラズ=ポイズン》!」


 俺の右手から創出された猛毒は一瞬にして、呪詛の魔人を溶かし去った。


「な、なんだその技は……⁉ それはまるで、毒の化身ヒュドラの……」


 ネザディの言葉に恐怖の色が混ざっているのを感じる。


「そうだ。俺が吸収したヒュドラの毒だ……。呪いだろうとお構いなしに消し去れてよかったよ。まあ、動きさえ封じれば、俺が直接吸収できるがな……」


 俺は静かな殺気を放つ。


「お、お前ら! 早く奴を殺せ! 《呪詛強化カースストレング》……!」


 ネザディは更に呪いによる強化を重ねたようだ。


 だが、もう遅い。十分に時間は稼いだ。


 あとは、今まで吸収した呪い……不浄を放出するだけだ……!


「《変換――毒(コンバートポイズン)》。《ヒュドラズ=スワンプ》……!」


 俺は地面に手をつく。


 すると俺を中心として、毒沼が半径二十メートルほど発生する。


 毒沼の上にいるあらゆる生物が溶かされていく……。


 俺を除いて……。


「グギャャアアア! お前、何者なんだ……! なぜ人間でありながら、ヒュドラの技を使える……⁉」


 ネザディは驚嘆をそのまま口に出したようだ。


「俺のヘブンススキルは不浄宮ふじょうきゅう。不浄をつかさどるスキルだ……。お前の能力ちからももらうぞ。呪詛の魔人……」


 俺は溶けかけているネザディに直接触れる。


「《吸収アブゾーブ》……」


 ネザディは呪いのような存在であったため、直接吸収できた。


 もちろん、弱らせた上だからできる芸当だ。


 振り返ると、王国騎士団が呪詛の魔人を倒していっている姿が見えた。


「もうひと頑張りだな……。《呪詛解放カースリリース》……!」


 俺の詠唱に合わせて、ネザディがかけていた呪詛の魔人達の強化が解けていく。


 そこから一気に戦況が変わる。


 王国騎士団は次々に呪詛の魔人を討伐していく――。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


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