第13話 呪詛の魔人軍 討伐クエスト
ギルドの受付にて。
「ルクスハートさんのランクが出ました。Cランク冒険者としてのスタートになります。経験なしで、最初からCランク冒険者なのはすごいことですよ!」
受付嬢は興奮気味に話す。
「そうなのですね! やった!」
ルクスハートは子どものように素直に喜んでいる。
「よかったよ。……さて、じゃあクエストを見ようか。何か『不浄』に関することで困っていたりしないか?」
俺は受付嬢の方に顔を向ける。
「不浄……ですか……? 珍しい探し方ですね。ただ、今まさに不浄関連……詳しく言うと、『呪い』の被害で困ってるんですよ!」
「そうなのか。詳細を聞かせてくれないか?」
俺は真剣な口調で尋ねる。
「はい! 一週間前から、呪詛の魔人軍と王国騎士団が戦闘をしているのです。ですが、だんだんとおされる形になってます。理由は、敗北した王国騎士団の兵士が呪いによって、敵軍に操られているからです。しかも、呪われた兵士を最前線に立たせることで、こちらの士気を下げているようです」
受付嬢は早口で説明する。
「なるほど……。それはかなり困る状況だな。俺は不浄を吸収できるヘブンススキルを持っている。クエストとして、受けることは可能なのか?」
「もちろんです。戦闘人員が足りていないこともあり、ギルドでも緊急クエストとして募集をしていますので。……ちなみに、ヴェルさんのヘブンススキルなら、呪われた人達を助けることができますか?」
受付嬢は祈るように声を出す。
「その可能性は高い。呪われた兵士が死んでいなければ、呪いを吸収すれば元に戻るはずだからな。可能なら、王国騎士団長と話がしたい。俺が戦線に加わることで、状況をかなり変えることができると思う」
俺はやや低い声で伝える。
「わ、わかりました! 元勇者パーティーの方ですし、話は通せると思います!」
受付嬢がバタバタと書類の準備を始める。
元勇者パーティーか……。
俺にとっては忌々しい記憶でしかないがな……。
まあ、勇者パーティーにいたことで、人助けが円滑にできるなら、それに越したことはない。
せいぜい、名前を利用させてもらうことにするよ……。
俺は軽く笑みを作る。
「ヴェル様、すごいですね! こんな一瞬で、王国騎士団長と話せるように手配するなんて……!」
ルクスハートは驚嘆を漏らす。
「まあ、今まで苦労してた分が返ってきてるって感じかな……」
俺は呟くように返答する。
◇◇◇
しばらく待っていると、受付嬢が走ってきた。
「元勇者パーティーでかつ、今までの功績もあるヴェルさんという理由で、王国騎士団長との面会が許可されました! お手間をおかけしますが、この書類を持って、モンバリス城まで行っていただいてもよろしいですか?」
受付嬢がギルドの印の押された書類を手渡してくる。
「わかった」
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
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