第11話 城下町散策
その後は、城下町を散策した。
ルクスハートはどんな店を見ても目を輝かせて、嬉しそうにはしゃいでいた。
装飾店を見ている時にルクスハートが声を上げる。
「わぁ! コレすごく可愛いですね!」
指をさす方向を見ると、魚の模様の入った金のブレスレットがあった。
「ルクスハートは魚が好きなのか?」
「はい! お魚って可愛いじゃないですか? それに変わったデザインですし」
ルクスハートはすっかり、ブレスレットを気に入っているようだ。
「折角、良い物を見つけたんだ。買っておこう」
俺はルグドを準備し始める。
「いえいえいえ! 見るだけで十分です! 散財しちゃダメですよ!」
ルクスハートは旅の資金のことを気にしてくれているようだ。
「資金の心配なら、大丈夫だぞ。これからギルドに行ってクエストを受けるしな」
俺がルクスハートを説得しようとしていると、店主が声をかけてくる。
「そうだぞ、嬢ちゃん。折角、彼氏の兄ちゃんが買ってくれるって言ってんだ。黙って受け取ってやるのが彼女の役目ってもんだ」
店主のおじちゃんが助け舟を出してくれる。
まあ、彼女ではないけど……。
「か、かか彼女じゃないです……! ヴェル様は私にとっての英雄なだけで……」
ルクスハートは焦りながら、途中からモニョモニョと口ごもる。
「英雄だなんて大袈裟だぞ? まあ、とりあえず、そういうことなんだ、おっちゃん。俺達は恋人な訳じゃない。単純にプレゼントをしたくてな」
俺は店主に代金を渡す。
「ふむ……。そうか。お似合いだと思うんだけどな。まあ、いいか。まいどあり!」
俺は店主から、魚の模様の入った金のブレスレットを受け取る。
「ルクスハート、ブレスレットつけてみてくれ」
俺はブレスレットを手渡す。
「ありがとうございます! 結局、買ってもらってしまって……。でも、嬉しいです!」
ルクスハートは太陽のように明るい笑顔を向けてくる。
俺はその笑顔を見れただけで、心が温かくなる。
ルクスハートはブレスレットをつける。そして、俺の方を見る。
「どうですか? 似合ってますか?」
少し、恥ずかしそうに尋ねてくる。
「ああ、似合ってるよ。良いと思う」
俺は素直に思った感想を伝える。
「ありがとうございます! ずっと大切にしますね!」
ルクスハートは大事そうに、ブレスレットをなでる。
「よかったよ。じゃあ、ギルドに向かうか。……ああそうだ。ルクスハートには冒険者登録をしてもらおうと思ってるんだが、よかったか? ギルドでパーティーとしてクエストを受けるには必要なんだ」
「もちろんです!」
ルクスハートはすぐに答える。
「わかった。じゃあ、行こうか」
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「今後どうなるの!!」
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