第10話 ヴェル達、モンバリス王国へ……!
場面は、ヴェルへと戻る。
「ヴェル様、これからどこに行きましょうか?」
ルクスハートが俺と目を合わせる。
「そうだな……。正直、まだ何も決まってないんだよな……。困った人を探すには、一番はギルドに行くことかな」
俺は地図を開く。
「一番近くて、ギルドがあるのはモンバリス王国だな。とりあえず、そこに向かうか」
「わかりました。私、村を出たこと自体初めてなので、楽しみです!」
ルクスハートは目を子どものように輝かせる。
「そうだったのか。じゃあ、城下町で散策をしてもいいかもな。村で旅の資金ももらったし、多少店を見たりしてもいいだろう」
俺は笑いかける。
「わぁ! いいんですか! 楽しみです! あ、でもあんまり羽目を外し過ぎないようにしないとですね。大切な資金ですし」
ルクスハートはテンションが上がった後、自分を律するようにキリっとした顔つきに変わる。
「はは。ルクスハートは真面目だな。楽しむのも旅の醍醐味だし、多少は大丈夫と思うぞ?」
俺はそう言いつつも、つい先日勇者パーティーを追放されたことを思い出す。
楽しむのも旅の醍醐味……か……。
新たな旅は楽しいものにしたい。
自分に言い聞かせるように、再度自分の言葉を繰り返す。
◇◇◇
歩いて半日ほどかかったが、モンバリスに到着した。
「いやぁ、旅って大変ですね。とっても歩かないといけないし、足が棒になっちゃいそうです……」
ルクスハートは足をさすりながら話しかけてくる。
ルクスハートの服装は黒い修道服だ。
ただし、バトルシスターというだけあって、戦闘がしやすいように、改造が施してある。
動きやすいさを重視しているのだろう。複数箇所に切れ目がある。
また、主の武器が大斧ということもあり、常時背中に大斧を背負っている。
正直、シスターではなく、斧戦士だと思う者も少なくないのではなかろうか……。
「歩くのに慣れないといけないのは、冒険者の宿命だな。……まあ、そのうち慣れるさ」
俺は笑顔を向ける。
「はい。早く慣れるように頑張ります!」
ルクスハートは両腕を曲げてみせる。
モンバリスの門で兵士に冒険者証を見せる。
兵士は〝ルミナス・ブレイヴ〟所属という文字を見て、敬礼をする。
まあ、既に追放されている身ではあるのだがな……。
ギルドに寄った時に、更新しようとは思っている。
門をくぐると、ルクスハートが声を上げる。
「わぁ! すごい! 人がいっぱいです! こんなに人が多い所初めて見ました!」
興奮しているのが俺にまで伝わってくる。
「このくらいの規模の国は至る所にあるぞ? これから、旅をする中で色んな所を見れるといいな」
俺は笑顔を交えながら話す。
「はい! まだ旅に出て半日ですけど、既に楽しいです! 城下町の探検をしましょう!」
ルクスハートが子どものようにはしゃぐ。
「ああ、行こう。まずは腹ごしらえからだな。ルクスハートが気になる店に入ろう」
「いいのですか? えっと、じゃあ、一角兎のシチューが食べてみたいです!」
「そうか。なら、店を探そうか。俺もアルミラージのシチューは好きだ。きっと美味しいぞ」
俺は想像しながら、口元を緩める。
料理屋に着く。
アルミラージのシチューを頼み、パンと一緒に食べていく。
「んん! コレは! とっても美味しいです! こんな美味しいご飯が存在するなんて……!」
ルクスハートは感動しながら、パクパクと料理を食べていく。
俺はその様子を見て、微笑ましい気持ちになる。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「今後どうなるの!!」
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