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短編集(詩やSSなど含む)

春霞の先へ

作者: 藤谷 K介(武 頼庵)


 未だ何者でもない僕ら

 今も行く末を知らず彷徨う

 漂う緊張感の中で周囲に溶け込み

 出過ぎない様にとして生きて来た

 目立ち過ぎれば打たれてしまうから……


 朧気で見えないその向こうにいったい何があるの……?

 手を伸ばしても掴めないのは

 まだそこへはたどり着く準備が出来ていないから


 戻れなくて戻りたくて

 目の前の景色から逃れようともがいて

 泣き叫んでもかき消され

 誰にも辛いと言えないでいた

 1人靄の中で揺らめいているように


 見えているものが全てじゃなくて

 見えない事が全てだったり

 きっと知らないままなんだと

 未だ自分が目にするのは早いのだと

 言われているような春霞


 

 自分なりにやり切った

 全てを出してもがいてみた

 良い大人と言われるようになっても

 変わらず周囲を気にしてる

 自分が何者なのかに気付かずに


 幻のように揺らめいては消える

 なりたかったモノ なれるはずだったもの

 やりたかったこと 自分だけが出来た事


 サヨナラはきっと出会いを招くおまじない

 はじめましては新たな自分に挑戦できる兆し


 今だぼんやりとしか見えないその先に

 終わりを感じ出た朧げなその先に

 目には見えない胸の奥の春霞


 僕らはまだその先を知らないままでいる


 

 

御読み頂いた皆様に感謝を!!

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― 新着の感想 ―
考えてみますと、春という季節はライフステージの変化する時期でもありますね。 今まで慣れ親しんだ何かとの決別と、新しい何かとの出会い。 そうした出会いと別れの同時に来る春には、色々な思いが心に去来します…
未知の世界に飛び込むのは、それはまるで春霞のように視界が明るくなく不安になってしまいますよね。 それも戻ることが出来ない状況や誰にも辛さを吐露出来ない状況なら尚更だと思います。 >>サヨナラはきっと出…
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