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第24話:「文豪」の殺人予告

 ネットの掲示板の反応)


 室長「『文豪』の次の殺人についてネット上で噂になっているのを知ってる?」


 ネットの掲示板は同じ人が集まる場合もある。しかし、多くの場合すぐに他の板に移動してしまう。優秀な管理人は定期的に話題を提供して住人の書き込みを促進する。そう言った意味で、「室長」は優秀な管理人だった。単に話題提供だけでは人は付いてこない。「興味を惹く話題の提供」がうまいのだ。「○○についてどう思う?」と大好物の内容について問われたら、ついつい答えたくなってしまう。その辺りがこの掲示板の室長は上手かった。そして、一定の色が固まった掲示板にはファンがついていく。この掲示板もまた人気コンテンツに成長して行った。


 リーマン「『文豪』の次の小説が出たの!?」


 インテリ「いえ、出てませんね」


 リーマン「じゃあ、どゆこと?」


 いつも『文豪』は小説で殺人予告をする。被害者の名前などは伏せているが、詳細に書いたものを出版社に送って言うのだという。そして、その原稿を出版するのが目的らしいのだ。これらのことはその小説にも何度も書かれているので世の中的にも既知のことだ。


 室長「いつもの小説のアカウントではなくて、ネットの無料掲示板で『文豪』を名乗る人が現れて、次は福岡市内と小学校の教師を殺すと言ってるらしい」


 リーマン「本物? 模倣犯か!? 危ないなぁ、殺人予告として逮捕されるんじゃないかー?」


 リーマンは殺害予告を模倣犯と捉えたようだ。今の世の中ネットの上でも「○○を殺す」などと書き込めば殺害予告と取られてしまう。『文豪』の様に用意周到に準備していれば発言者が特定されることはないが、日常的に勢いで書き込んでしまった場合、書き込んだIPからプロバイダに問い合わせをすると簡単に特定できてしまう。「殺す」と書き込んだだけでも逮捕されたケースはあるのだ。


 インテリ「『文豪』は実際に殺人を行ってるので、模倣犯も模倣犯と特定されるまで本物として扱われるでしょうね。でも、そもそも論的に、『文豪』は匿名で動いている。別のアカウントを作って予告する必要がない。模倣犯の可能性高いです」


 キャバ「たしかにー、インテリさん頭いいー!」


 主婦「さすが!」


 インテリも同じ考えだったようだ。それによりこの掲示板では別アカウントでの「文豪」は模倣犯という予想に落ち着いた。人気掲示板ともなると、その意見は少なからず世の中に影響を与える。一定数は模倣犯だと考えるようになったのだが、ネットからの情報が全く入ってこない人も多い。マスコミなどの話から本物の次の殺人予告だと捉えている人も多かった。


 今回の別アカウントの「文豪」の書込みを元に現実世界の日本は大騒ぎになっている場所があった。次のターゲットとされている男性の職場である。



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