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第48話『始まった国王会議』

───シュン、シュン、シュン…


 次々に国王達が出現した。ドールさんと瓜二つの見た目の少女が連れてきたり、おそらく従者の方が能力で連れて来てる人、国王のみで来る人もいる。全員が1度は僕の方を見て驚いた顔をするがすぐに自分の席に向かっていった。次々に国王たちは自分の席に座る。従者らしき人達は、国王の後ろに立っている。


「クロノスはまだなのか、あいつはいつも遅いな」


 クロノスくんの席の左側、2席隣の男が言う。白髪黒目、軍服仕様の白いコートを着ている。鋭い目をしているが、どことなくムジに似てる。


「まあまあいいじゃないかぁ。余裕がある男ってのはかっこよく見えるのよぉ?」


 クロノスくんの左側の濃桃色の長髪の露出の多い服装の女性が言う。もはやそれ下着じゃね?その女性は体を机に突っ伏しながら白い男を見る。


「あんなガキがかっこよく見えてるのか?」


「あらあらぁ、嫉妬してるのぉ?女は強い男が好きなのよぉ?つまりあなたもかっこいいのよぉ」


「あっそ」


 白い男はそっぽを向く。女性は肘に顔をのせ、


「そういう態度もいいわねぇ」


 なんだこの2人。ちなみに席順を整理すると、クロノスくんの席を基準にして、左から農桃色の女性、白い男、ビスト、藍色髪のボロボロの布切れを着た男、黒髪黒目のTシャツを着た男、ローブの男、そして僕らだ。埋まってない席はクロノスくんのところだけだ。大事な会議でもマイペースなのはクロノスくんっぽいね。


───シュン


「待った〜?」


 クロノスくんの声だ。全員がその声の方を向く。ソロネさんがクロノスくんの斜め後ろにいる。クロノスくんは濡れた髪をタオルで拭きながら来たようだ。


「遅いなクロノス。風呂上がりか?また皆を待たせていたぞ」


 白い男が席を立ち、クロノスくんに叱り口調で言う。


「え〜まだ2分前じゃーん、遅れてないからいいでしょ〜?」


 髪を拭くのを止めず、口を尖らせてクロノスくんは言った。そうなんだよね。みんな国王なのに?いや、国王なだけあってきっちり時間を守っている。クロノスくんが遅れてないけど遅れた雰囲気がでるほどだ。


「クロノスちゃ〜ん、今日もかっこいいわねぇ。私とシてみな〜い?」


 クロノスくん相手に何言ってんだこの女性。大丈夫か?


「すまない。僕には心に決めた女性がいるんだ(キリッ」


 クロノスくんは躱すのが上手だ。そう言いながらクロノスくんが席に着いた。その後ろの方にソロネさんは礼儀正しく立っている。


「それでは国王会議を始めます」


 隅っこにいたドールさん達の1人、紙を持ったドールさんがそう言い出す。全員が静かにそれを聞く。


「本日の議題は4つ。1つ目はレイシ様について。2つ目は転生者の国について。3つ目は魔境について。4つ目は魔王軍についてです。それでは初めに1つ目の議題、レイシ様についてです。レイ──」


「ちょっと待ってくれ」


 Tシャツで黒髪黒目の男がドールさんの話に水を差した。今度は全員がそちらに視線を向ける。


「ずっと気になっていたんだけどよ。誰も言わねぇから俺が言うが、なんでそいつの仲間も座ってんだ?1つの国に机と椅子は1つずつってルールだろ。国王じゃないにしてもそれは同じじゃねぇのか?」


「レイシ様の場合彼女らは従者ではありませんので席を用意致しました」


 紙を持ったドールさんが淡々とそう答える。だが、


「関係ねぇだろ。女共を立たせとけよ」


 さすがに僕はイラついた、ので、


「この子達は女の子ですよ?さすがにずっと立たせるわけにもいかないでしょう」


 はっはっはっ。どうだ!知らない国王に言ってやったぜ。


「ああ!?関係ねぇっつってんだろ!無理やりにもどかせてやろうか?」


 なんでそこまで怒るんだ。他の国王達は皆僕の行動を窺っているようだ。クロノスくんは笑ってるし、ビストはすげぇ心配そうな目で見てるけど。僕はリリスたちの方も見る。ヒナちゃんは両手を胸の前に握り不安そうに見てる。アマテラスは僕たちどこうかって顔で見てる。リリスはにやにやしてこちらを見ている。まったく…


「はぁー」


 僕はため息をつき、両手を机の上にバンッと乗せる。


「なんだぁ?やんのか?」


 Tシャツの男はやる気満々みたいだが、


───ゴゴゴゴ、ガチン


 僕、リリス、アマテラス、ヒナちゃんの机の端が融合し1つとなる。そして、椅子を何となくモフモフさせた。と言うなれば、長机とソファだ。


「は?」


 Tシャツがアホっぽい声を出す。


「1つの国に机と椅子は1つずつでしたっけ?これでいいですよね?」


 僕は明らかに煽った笑顔と口調で彼に言う。すると、


「あはは!やっぱレイシくん最高だよ〜」


「レイシちゃんおもしれぇな!!」


 クロノスくんとビストの反応はいい感じだ。まぁ今回はTシャツくんが明らかに分かりやすく言ってくれてたから何とかなったな。他の国王も多分いい感じの反応だろう。ビストくんの隣の女性も怪しい笑みでこっちを見てるし。


「くそっ」


 Tシャツくんは悔しそうな声を上げて座った。むしろ感謝だ。座り心地が良くなったからね。


「それでは続けますね。レイシ様は冒険者試験にそれぞれBランク最強のタナカ様とAランク最強のファルコン様を倒して各ランクの資格を得ました。」


 タナカさんとかいたな〜。もう懐かしく感じるよ。そう考えると全能全魔(ムステリオン)を使えるタナカさんってめちゃくちゃ珍しいし強かったんだな〜。


「また、氷、炎、岩、三体の五大元素竜を討伐しています。これは一冒険者が、それも成り立ての冒険者が簡単に討伐できるほど弱い敵ではありません。氷に限っては冒険者になる前に討伐しています。」


 まぁ氷はリリスが倒してくれたんだけどね。


「五大元素竜は魔王軍の幹部五大魔導兵器(グラディウス)と同格とされています。これを三体も討伐するのはイレギュラーなことです。さらにそれらと同格の五大堕落者(アンテノール)を1人で殲滅しています。それらの功績からレイシ様御一行を全員Sランク冒険者に昇格するという提案をクロノス様から受けています。」


 え?Sランク?初耳なんだけど…!!僕は勢いよくクロノスくんの方を見る。クロノスくんは握りこぶしの親指を立ててウインクしてくる。いや、別にSランクにならなくてもいいんだけど!!


 クロノスくんが笑顔で立ち上がる。


「やっぱり僕は強い人は正当な評価を受けるべきだと思うんだよね〜ってことで!そこの全員をSランクにしてあげよ〜!!」


 能天気に国王達に説明するクロノスくん。ビスト以外の他の国王全員が唖然としている。


「待ってくれ、そこのレイシがSランクになるのはわかる。だが、他のメンバーもSランクに昇格するのは疑問だ」


 白いコートの男が主張する。正直真っ当な意見だと思う。他のみんなはこんな小さな女の子がすごく強いことを知らないからね。僕は、立ち上がる。


「僕は氷の五大元素竜を倒してはいません。倒したのは僕の隣にいるリリスです。その隣にいるアマテラスは土地神です。それに僕にこれだけの魔力量を与えてくれたのもこのアマテラスなんです。その隣のヒナちゃんは魔王幹部の1人がクロノスくんにも匹敵する能力だと言っていました。その時そいつに殺されかけた僕を助けてくれたのはヒナちゃんだったんです。だから、全員Sランクになるほどの実力はあります」


 僕は拙いながらも説明した。すると、白コートは、


「ならここで戦ってみるのはどうだ?ここにいる国王たちは皆Sランク冒険者、もしくはそれに匹敵する強さを有している。それと戦い勝つ、もしくは過程を客観的に判断し、Sランクに昇格するのはどうだろう」


 その意見に全員が頷く。


「能力を見せ合うことになるのに大丈夫なんですか?」


 僕は国王たちの顔を見て言った。


「別にみんな能力知ってるし、むしろみんなは君たちの能力を見たいんだよ〜」


 クロノスくんが優しくそう言ってくれた。


「そうなんだ……みんな大丈夫?」


 僕はリリス達に訊いた。こちらもみんな頷いてくれた。


「じゃあまずは──」


「儂からいこう」


 ローブの男が立ち上がりそう言った。


「おじいちゃん大丈夫〜?」


「じいさん大丈夫か?」


 クロノスくんと白コートが心配する。


「耄碌しとらんわ!」


 突然おじいさんがキレだした。こわっ。


「じゃあ最初は僕が──」


「待て。てめぇは俺とだ」


 Tシャツくんが出しゃばってきた。まぁいいか。僕はこいつと戦うことにしよう。


「じゃあ僕が行くよ!」


 そう名乗り出たのはアマテラスだった。


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