村へ行きたい、行きたくない
トイレ我慢してます。
"なんもない村なんで、行かないほうが、、"
異世界での最初の朝は年老いたリリパット族、グランピーの洞窟で迎えた。洞窟は外から見るよりも随分と広い。俺と黛が泊まっても余裕があるほどだった。
"リリパット族なんて地球にはいないからな。是非見てみたい"
"それなら儂を見てくだされ!こー見えて若い頃はリリパット族一の美男として中央大陸に名を馳せておりましたのじゃ!今も鍛えておるからがっかりはさせませんぞ!さぁ!"
何故か服を脱ごうとするグランピーに黛が殺気を飛ばす。
"ちょっと今日は調子悪いからやめておきますじゃ"
"何故そこまで村を嫌がる?"
"そ、そんなことないですじゃ"
"なら決定だ。今日はリリパット族の村へ行くぞ"
グランピーが肩を落とした。よほど嫌らしい。これは是非とも行かなければ。
「黛。リリパット族の村に行くぞ」
「根絶やしに?」
「そんなに嫌いか?」
黛がコクコクと頷き、グランピーが震え上がった。
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"グランピー、わざと遠回りしてないか?"
もう2時間は歩いたが、いつまで経っても村は見えてこない。流石に痺れを切らしてグランピーを問い詰める。
"そんなことをしたら儂の命はないですじゃ!本当に遠いだけなんですじゃ!"
黛が宙に浮いたまま大鎌をフルフルしても白状しない。もう一度グランピーから開心剣で記憶を抜いてもいいが、多分本当だろう。
"昨日から思っていたが、この森はモンスターがいないのか?"
"まさか。うじゃうじゃおりますぞ"
"何故出会さない?"
"儂が森歩きの達人というのと、【隠身】の効果ですじゃ"
"【隠身】?"
"そうですじゃ。【隠身】のスキルのおかげでモンスターはリリパット族に気付かんのですじゃ。儂から離れて歩いてみなされ。すぐに飛び掛かってきて、、"
ドサッ、ドサッ
大蛇の首と胴体が別々に降ってきた。見上げると随分高くに黛の姿がある。
"こうなるわけだな"
"…ですじゃ"
"黛、何か見えるか?"
"標的発見"
村は近い。
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トイレ行きます!