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異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜  作者: 青山喜太


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決着

 エイダの背中が黄金に輝き、一対の光の翼が展開される。


「はな…せ!」


 そうエイダは言うと力ずくでアンの左腕を、引き剥がしていく。


「そう、やっとやる気になったのね、エイダ!」


 少女は再び怪しく笑った、その笑みはエイダの蹴りによりいともたやすく消えていく、アンは後方に飛ばされた。

 どうやら蹴られたのは腹のようだ、身体中の空気が口から吐き出されたかのような感覚にアンは襲われる。

 アンはすぐに体勢を立て直し、エイダを探す。だがエイダの姿は見渡すがどこにもいない。咄嗟にアンは自身の頭上を見る。

 そこには迫り来るエイダの姿があった、足を繰り出し着地しながらアンに再び蹴りを喰らわせようとする。

 アンは咄嗟に側転し躱す、エイダの蹴りは地面に直撃し割った、だがエイダの攻撃は止まらない。

 すぐさま、めり込んだ足を引き抜くとそのまま、踏み込みアンに殴りかかる、アンは鎌の柄で防いだ、しかしここで防いだのは間違いだったと、後々アンは悟ることになる。

 エイダの殴打は止まらなかった、次々と拳が繰り出され、まるで流星群のように拳がアンに襲いかかる


「くっ…!」


 アンは呻いた。次第にだが、拳が繰り出させられるたびに、エイダの腕力と速さが上がってきている。

 そして次々と繰り出される鋭い打撃によってついに、アンの鎌が弾かれる。

 胴体がガラ空きになった、エイダはそれを見逃さない、拳を握りこみアンの胴体を貫かんばかりの一撃が繰り出される。


「ルジェルーノ!」


 だがその一撃は、アンに届くことはなかった、アンの呼びかけに応じてルジェルーノが声の衝撃波を放ったからである。

 エイダはその衝撃波を直に受け、吹き飛ばされた。だがエイダはすぐに身を翻し、バランスを崩すことなくそのまま上空へ飛ぶ。

 アンもまた、ルジェルーノの掌の上に乗る。そしてエイダを追いかけるように指示を出すと、クラゲの化け物は浮かび上がり、上空へと逃げたエイダを追いかけた。

 迫り来るルジェルーノをエイダは冷静に見据えていた。手を突き出し、掌をルジェルーノに向ける。するとエイダの身の丈ほどもある巨大な火球が形成された。

 エイダはその火球をルジェルーノに向かって放出する。まさしく弾丸のように放たれたそれは、ルジェルーノの皮膚を焼こうと、迫っていく。

 だが、火球はクラゲの化け物の皮膚を焼く前に手前で四散する。音の衝撃波による防御壁が貼られたのだ。


「忌々しい…」


 エイダはそう呟くと次の手を打った、黄金の光の羽毛を散らす、散らした羽毛は光り輝く剣へと姿を変え、エイダの周囲に漂った。

 エイダの合図により刃先はルジェルーノへと向けられ、一直線に飛んでいく。

 しかしその無数の剣も音の防御壁により防がれる。

 数々の光の剣が弾かれる中、エイダは冷静に再び剣を生成し射出する。

 そう、大量の剣を射出し数で攻める作戦だ。ルジェルーノの防御壁は常に貼り続けることなど不可能なはずそれを見越しての作戦だった。

 案の定、徐々に防御壁は弱まりつつあった、そしてついに防御壁の限界がくる。

 防御壁は解かれ、無数の刃がルジェルーノを襲った、聞き難い叫び声をクラゲの化け物は上げる。

 しかし、それだけでは終わらない、この瞬間待っていた者がいる。エイダのルジェルーノを倒したいう達成感から出る一瞬の気の緩みを待っていた者が。


 ルジェルーノの掌に乗っていたアンはルジェルーノに指示を出す。私を投げろと、その指示に従いルジェルーノはアンを投げた。

 アンはそのままエイダの近くにまで飛ぶしかし、アンの飛んだ距離は、エイダにはギリギリ届かない。

 エイダは最後の悪あがきと判断して再び、光の剣を生成する。

 だが、これはアンの計算通りだった。アンは左手に闘気を集中させる、すると複数の、赤い透明な骸骨の腕がアンの左腕にまとわりつく。

 なにかを手繰り寄せるようにアンは左手を引く、するとエイダの体は何かに引っ張られるようにして、アンの元へと勢いよく近づいた。


「エイダよく来てくれたわね」


 皮肉げにアンはそういうと両手で鎌を、振り下ろした。

 常人の膂力とは思えない力で振られた鎌をエイダは喰らい地面に叩きつけられる。

 地面は抉れ土煙が舞う。エイダの落ちてきた側にアンは華麗に着地した。

 アンは鎌を振るい風を起こし、土煙を払った、エイダの状態を確認するためだ。

 だがアンは目を疑う。そこにいるはずの横たわったエイダがいなかったのだ。


 後ろで尋常でない殺気を感じる。振り返るとそこには光の剣を持った血まみれのエイダが立っていた。

 アンは鎌を振るうしかし、当たらない、エイダは一瞬のうちに避け鎌の刃の上に居座っていた。

 エイダはそのまま光の剣を振るいアンの右腕を切断する。

 アンがか細い悲鳴を上げた。続けてエイダはアンの腹を蹴り上げる、アンは吹き飛ばされ地面に背をつけ呻き声を上げた。

 エイダはゆっくりとアンに近づいていく


 ――やめて…


 アンは右腕の切断面を抑え、痛みに耐えていた。その姿は痛ましく見て居られない。


 ――やめて…!


 遂にエイダはアンの元にまで到達した、光の剣を頭上に掲げる。


 ――やめて!


 そして剣が振り下ろされた。

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