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異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜  作者: 青山喜太


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さようなら

「なんだと…」


 ジャンにとっては自信たっぷりに「それはどうかな」などと返すドンキホーテは不可解だった。この状況でなぜそこまで自信が湧いてくるのか、それともただのハッタリなのか、客観視のできない馬鹿なのか。

 どちらにせよ、ただの強がりかブラフだとジャンは考えた。だがもし万が一にもこの四肢狩りという男がほかに、何かしらの打開策を持っているのだとしたら。

 その万が一を考えジャンは決着を急ぐことにした。

 ジャンの左手に闘気が集中する。するとジャンの左腕に赤い透明な骨の腕がまとわりつく。ジャンのアビリティ「悪魔の腕」だ。

 ジャンは腕を引く、まるで見えない紐か何かを片手で引っ張るかのように、その動作をした途端ドンキホーテはジャンの元に何かに引っ張られるかのように一人でに飛んでいった。


「またこれかよ!」


 ドンキホーテは、この能力の効果を前にも受けたことがある、以前の飛空挺の時だ、だがあの時とは違い今回は場所が制限されている、衝撃波によってだ。

 つまり、ドンキホーテにとってこの狭い空間の中に加えて、あの厄介な能力に翻弄されなければならないのだ。

 本来ドンキホーテの戦い方というのは、広い空間でテレポートや、様々な魔法の付与されたアイテムを使い相手を翻弄する戦い方である。

 だが今回は流石に相手に分がありすぎる。狭い制限された空間に、無理やり接近戦を挑まされるこの状況。ドンキホーテは絶体絶命のピンチであった。


「何が、それはどうかな?だあ!ヘヘッテメェ!防戦一方じゃねぇか!」


 ジャンは荒れ狂う台風のように鎌を振り回して、ドンキホーテに叩きつける。ドンキホーテはその乱撃を剣と盾で防ぐしかし、それにも限界がくる、ついに剣が弾かれた。

 辛うじて剣は手の中に残っているが腕は大きく弾かれ、胴がガラ空きになってしまった。


「もらったぜ!」


 そしてジャンの左腕が輝き出す。悪魔の腕の第二の能力だ

 それは正確無比な左手による一撃、どんな体勢からでも、放つことの出来る必殺の一撃だ。一度、身に受けたことのあるドンキホーテは思う。


(まずい!)


 そして、悪魔の腕の一撃が放たれる。

 ジャンの一撃がドンキホーテの胴を破壊する、はずだった。

 本来、鎧を貫きドンキホーテの腹の中身を空気に晒させるはずだった鎌は、見事に鎧に弾かれその表面を滑った。ドンキホーテはそのままジャンの頭上に無傷で吹き飛ばされた。


「なにが…!?」


 ジャンは状況が一瞬理解できず、刹那の隙が生まれてしまう。ドンキホーテはその隙を突く、ジャンの背後に吐き出されながらもテレポートし盾が装着されている左手でジャンの背中を殴った。


「なに?!ぐぁ!」


 ジャンは仰け反り、吹き飛ばされるもすぐに、体勢を立て直し、ドンキホーテを睨みつける。


「ヘヘッ、四肢狩り、テメェ!アビリティを!使いやがったな?」


 ジャンが鎌を構えつつ睨みつけながらそういう。


「あたりだぜ、お前さん結構頭が回るじゃねえか」


 ドンキホーテは笑いながら言い放つ。


「ヘヘッ、俺の悪魔の腕による攻撃は距離さえ間違わなければ必殺必中…それが塞がれたってことはなにがしかのアビリティなんだろ?」


 ジャンの言っている事はあたりだった。ジャンの一撃を防ぐことができたのはドンキホーテが自ら持つ「不変」というアビリティの応用であった。

 そしてドンキホーテはジャンに対して素直に答える。


「そうだぜ、俺のアビリティだ」

「ヘヘッ、そうかい!」


 ジャンは、合点がいったのかその言葉とともにドンキホーテに切りかかっていった。ジャンは突進しながら思考する。


(俺の最強の一撃を防ぐことのできるアビリティ、恐れいったぜだが、その能力は必ず激しい代償が生じるはずだ、体力を消耗するとか、闘気を消耗するとかな。つまりあいつは二度と俺の最強の一撃を防げない!そのはずだ!)


 ――なのになぜあいつは!


「なに笑ってやがる四肢狩りぃぃぃぃ!」


 ドンキホーテは半身、体をずらした、その瞬間ドンキホーテの背後から白銀の光線が差し込む。

 ジャンはそれに気づくとすぐさま、地面を蹴って跳びその光線を回避した。


「属性複合魔法!?魔女アレンか!」


 どうやら、敵の魔女アレンはルジェルーノを討伐する前に、ジャンを先にやることにしたらしい。


「アレン先生、次もよろしく頼む。」


 ドンキホーテは誰もいないはずなのにまるで誰かに話しかけるように、喋っているのをジャンは聞き逃さなかった。


(テレパシーかいつのまに!)


 恐らく、ドンキホーテは魔女アレンとテレパシーの魔法で繋がっていたようだ。だがどうやらドンキホーテのテレパシーは未熟のようだとジャンは気がつく。


(テレパシーに慣れていない奴は、実際に発話しながらじゃねえと喋れない。それが仇になったな筒抜けだぜ四肢狩り)


 ジャンもまた念じる。


(リーダー敵が、魔女が標的を変えた俺から先にやる気のようだ、ルジェルーノの音で砂嵐を起こしてくれ)


 すると、ルジェルーノの旋律が、若干変わる。音は周囲を駆け巡り、煙を起こし始めた。視界がどんどん悪くなっていく。


「なるほど、そうきたか」


 ドンキホーテは煙が立ち込め周りの状況がわからなくなっていく様を見てさらにこう続けた。


「まあ予想通りだぜ」


 ドンキホーテは余裕そうに言った。ジャンはその態度を見て思わず叫ぶ。


「なんだと?テメェ状況がわかってねえのか?」

「わかってねぇのはテメェの方だぜ?」

「抜かせ四肢狩り!」


 どちらにせよあの魔女アレンの魔法に悩む事はない。ジャンはそう考え、弾丸のようにドンキホーテに向かう。

 ドンキホーテは剣を構えジャンの一撃を受け、そのまま後退していく。

 ――やはりブラフか

 ジャンはドンキホーテの余裕をそのように受け取りドンキホーテをそのまま鎌で吹き飛ばした。

 そのまま悪魔の腕で引き戻そうとしたところでジャンは気づく、ドンキホーテがまだ笑みを崩さないことに。思わずジャンは聞く。


「ヘヘッ、なにを笑ってやがる四肢狩り」

「いやなに、もう勝ったんでな、その喜びが顔に現れてるだけだぜ」


 ――またハッタリか

 ジャンは容赦なく悪魔の腕でドンキホーテを手前に引きずり出そうとしたその時だ。

 ジャンは、視界の端に光を捉える。


「なに!?」


 とっさに光源の方に向いた瞬間だ。

 白銀の光線が眼前に迫ってきていた。魔女だ、魔女アレンの光線の魔法だった。

 鎌を両手で持ち闘気の障壁と併用してその光線を防ぐ。


「ぐっ…!なぜ!」

「教えてやろうか…?」


 背後にはいつのまにかドンキホーテが両足を広げながらしゃがんでいた、いつのまにか笑みは消えている。彼は立ち上がると冷静に喋り説明し始める。


「お前を、殴った時さ、つけてたんだよ、追跡用の魔法のルーン石をアレン先生はそれを頼りに魔法を打ってたんだ」


 ドンキホーテの剣に青い光が纏い始める。


「だから殴られた瞬間にお前さんはもう負けてたんだよ」

「テメェェェ四肢狩りぃぃぃぃ!」


 ドンキホーテは十分に距離を取ると闘気による三日月状の光線をジャンに向けて放った。

 白銀の光線と青い三日月の光線にジャンは挟まれる。

 三日月の光線がジャンの体に直撃したと同時に、白銀の光線はジャンの体を貫き、ドンキホーテの光線と混ざり大爆発を起こした。


「あばよ、ジャン」


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