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異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜  作者: 青山喜太


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ゴーレム

 黒い触手と、巨大な岩の腕が交差する。黒い触手はまるで複数の鞭が振るわれたかのような軌道で、岩の腕を砕いていく。

 岩の腕の持ち主である、巨大な岩人形のゴーレムは腕が砕かれる度に、一瞬で腕を再生させ殴り返す。


「めんどくさいな…!」


 マリデは、悪態をつきつつもゴーレムを見渡す。

 壊してもすぐ回復する再生機能、とてつもない運動性、痛みを感じない体、隙がない、まったくと言っていいほど高性能なゴーレムだ。

 これほどまでの高性能なゴーレムを作り出せるとは、これも神の使者の力の能力なのだろうか、マリデはそう思案した。

 このゴーレムの弱点はほとんどないに等しい、あるとすればやはり。


「再生をさせている本体を狙うしかないかな?」


 そこでマリデは本体を探すことにした、ゴーレムを生成してる本体であるあの少女はゴーレムの体の中に飲まれてしまった。

 つまり体のうちのどこかにあの少女がおり、ゴーレムを操っているのだ。


「やれやれ、かなり骨を折らなきゃいけないみたいだね。」


 ――ではどのようにして探すか?

 マリデは空中に浮かびながら思案を巡らせる。ゴーレムは人の形をとっている、つまりは二足歩行で今動いているのだ。ならば狙うのは一つしかない

 足だ。まず足を狙い身動きを封じる。そして胴から破壊していき本体を探すのだ。

 そうと決まればと、マリデは人差し指でゴーレムの足を指す、すると人差し指の指先に赤い光が集まり始める。


「まずは片足だ」


 赤い閃光がゴーレムの足を貫いた。貫かれた部分はそのまま爆発しゴーレムの足は粉々に砕かれた。ゴーレムは一瞬よろめくも、瞬く間に足を直してしまった。

 それを見てマリデは驚愕する。腕を直した時よりも足の治るスピードの方が何段階も速いのだ。


「なるほどね…対策済みというわけか、だったら地道にやっていくしかないか…」


 マリデはこのまま胴を削り取っていくことにした。だが、ゴーレムは木偶の坊ではない先ほどの赤い光線による攻撃を警戒し腕で胴を守り始める。

 この動作により胴の中にあの少女がいることが濃厚だと考えた、マリデはそのまま赤い閃光をゴーレムの胴に向けて放つ。

 しかしゴーレムの腕により閃光は胴に届かず、防御されてしまう。

 ゴーレムの腕は閃光により壊されるも、すぐさま治り、軽快な動きでマリデに殴りかかる。


「クッ…!」


 マリデはゴーレムの拳か当たるすんでのところで、背中の触手によりゴーレムの腕を破壊する。

 しかし、ここで予想外のことがマリデに起こる。マリデは腕の再生能力の時間を加味して、防御の手を緩めていた。

 つまり、腕を破壊する度に防御の意識を緩めていたのである。今までの攻撃パターンを読み必要最小限の動きだけで、防御しようとしていたのだ。

 それが裏目に出てしまった。今、マリデはゴーレムの手の中にいる。そうまんまと捕まってしまったのだ。

 ゴーレムは腕を壊される度にほんの少しだが自身の体の形を変えていっていた。少しづつ少しづつ体を人間の姿から異形へと変えていったのだ。

 背中からさらに2本の腕を生やし、ゴーレムはいつのまにか4本腕の巨人へと姿を変えていた、

 しかも巧妙に追加で形成されていた2本の腕は、マリデの視界に入らないように隠されていたのだった。

 3本目と4本目の腕に掴まれマリデは身動きがとれない。


「良い様ね、マリデ・ヴェルデ」


 どこからともなく声が響く、少々嫌気がさしながらマリデは返答した。


「ああ、まったくだよ、まさしく君の手中といったところかな?」

「随分と余裕があるようね?それとももう諦めてしまったのかしら?」

「まさか!使い回されたセリフだが、僕は世界で一番、往生際の悪い男だ!」


 とはいったもののどうするか、このような無駄な会話で時間を稼いでいるが、こうなってしまっては殺されるの待つだけだ。

 だがマリデは何も策が無いというわけでもなかった。たった1つだけだがマリデはこの状況を打破するだけの策があった。


「まさかこれを使うことになるとはね…」

「なにか、いったかしら?マリデ」

「いや何、可哀想だと思ってね。」

「何ですって?」

「これから君はこの傑作であるゴーレムを、粉々に砕かれるところを見る羽目になるんだから」


 そう言ってマリデはほくそ笑んだ。



 ルジェルーノの叫びが再び、アレン先生を襲う、しかしアレン先生の魔法の障壁で叫びによる攻撃は、無力化される。


「何発も耐えられんのこれは、エイダ離れるでないぞ!」

「う、うん先生」


 アレン先生は退くことができない、アレン先生の背後にはエイダがいるからだ。何よりルジェルーノの攻撃が激しさを増す一方である。


「先生このままじゃ!」

「わかっておる!」


 このままでは、埒があかない、守りに入るだけでは勝てはしない、アレン先生は人の姿に変身しこう言った。


「反撃開始じゃ!」

もしよろしければ、高評価、ブクマ、感想などいただけますと幸甚です。

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