妖精の里、襲撃
「なんだ…?」
窓の外、謎の光が地面を照らしているのにに気づいたドンキホーテは、立ち上がり光がその謎の光が降り注いでる根元を見た。
「な…!」
ドンキホーテは目を見張る、ほんのりと感じる温かさから、降り注いでる謎の光の正体は日光だとわかった。妖精の里の天井がくり抜かれ、巨大な穴ができていたのである。
しかしドンキホーテはそれだけに驚いたのではない、その降り注ぐ日光の中に見覚えのある4人がいたのだ。
その4人は日光の中心にいた、それもなにか見えない透明の浮いた床でもあるかのように空中に立っているではないか。
ドンキホーテは危険を察し、思わず口にでる。
「まずい!」
その読みは当たったようだ、透明な床は正体を現す。まるで空間というキャンバスの上に紫色の絵の具を垂らしたかのように、色が広がっていき形を形成していく。
それは巨大なクラゲの魔物であった。紫色の皮膚は所々線状の光が走っており、それは4人が立っている傘の頂点に集まって来ていた。
すると傘の頂点が盛り上がり、聞くに耐えない醜悪な音を発しながら人間の上半身が出来上がっていく、顔には唇はなく、歯がむき出しなその姿は邪悪そのものと言って過言ではない。
そして凶悪な姿をした魔物は口を開き叫び声を発し始めた。強烈な嫌悪感が込み上げてくる、金切り声だった。
「くっそ!」
ドンキホーテはとっさに己の内に秘めた闘気をバリアとして周囲に展開し、アレン先生、エイダ、マリデを包み込む。
結果、ドンキホーテのその対応により、叫び声はエイダ達の耳に届くことはなかった。
「大丈夫か?みんな!」
「ああらどうやら大丈夫なようじゃな、助かったぞドンキホーテ」
アレン先生が礼を言う。
「きたんだね…」
エイダは悟る自分の追っ手がやってたのだと。
不安がるエイダに対してドンキホーテは頷く。
「ああ…間違いねぇ奴らだ」
「それにしてもこんなところがあるなんてね」
アイラは周りを見渡しながら素直に感心をする。周りにはクラゲの怪物ルジェルーノの叫びにより狂乱に陥った妖精達が飛び回っている。
その妖精を横目に、アイラはカミルに話しかける。
「カミル、作戦はこれでうまくいったのかしら」
「ええ、アイラさん少なくとも梅雨払いはできたわよ。ルジェルーノの叫びの力も問題なく発揮しているわ、問題は当の本人達にはおそらく察知され塞がれてるでしょうね前回もそうだったもの」
「そう、ならやっぱりここからは力ずくで行くしかないのね」
そうアイラが言った時だ複数の三日月状の光線がルジェルーノに向かって飛んでくる。
「ヘヘッさせねぇよ!」
それを察知したジャンは自らも鎌で虚空を切り裂き、三日月状の光線を出した。
光線はぶつかり合い、爆発する。衝撃波が妖精の里の、美しい花々を揺らした。
「リーダー見てみなアイツが四肢狩りだぜ」
ジャンは光線が発射された場所を軌道から予測し指をさした。指をさした先には短い黒髪を揺らし、白い鎧と青いマントを携えた騎士が、剣と盾を構えこちらを睨んでいた、その青い瞳で。
アンもまた四肢狩りを見る
「改めて見るとそうには見えないわね」
何も感じていないという態度をしているものの明らかにアンの顔には嫌悪感の色が混じっていた。
「なあ奴は俺がやっていいか?リーダー」
「アイラ…ここからは作戦通り私達は私たちで好きにやっていいのね?」
「ええ、構わないわよアン」
「わかったわ、ジャンいってもいいわよ、でも死なないでね」
ジャンは笑う。
「俺はもう死んでるよ」
ジャンはルジェルーノの傘から飛び降りる、風を切り裂き地面に着地すると一直線にドンキホーテの元へと疾走した。
「来たか…」
どうやら見事に敵の1人を誘い出すことに成功したらしい。ドンキホーテは剣を構える。襲いかかってくるのはおそらくジャンとか言う男だ。
「ヘヘッよう四肢狩り!」
剣と鎌がの刃が交差しぶつかり合った。
妖精達が正気を失い飛び回っているなか、ジャンとドンキホーテの戦いが始まった。それを確認したアイラは辺りを見渡す。
「これで1人は抑えることができた、そしてエイダの捜索に専念しやすくなったわね」
アイラは目を閉じる、エイダの魂を感じるために。もはやほとんど居場所はわかっている、あとは正確な場所を特定するだけだ。
するとアイラは目を見開き、指を指す。
「アイラ見つけたの?」
アンはアイラの指の指す方向を見たしかしそこには何もない花畑があるだけだ。
「何もないわよアイラ?」
「いえ、感じるわそこの花畑にいる、カミル攻撃を」
「わかったわアイラさん、歌いなさいルジェルーノ」
カミルがルジェルーノに指示を出すとルジェルーノは大きく息をすい叫び声を上げた、
今度は人を狂乱させるような効果を持つものではない、衝撃波のような音で全てを破壊する攻撃の声だ。
ルジェルーノの衝撃波は見事花畑を直撃し花畑を吹き飛ばした。
だが不思議なことに一部の花畑はそのままに残る。まるで誰かに守られたように。
すると何もない空間から突如、2人の人間が姿を現すエイダと、アレン先生だ
「透明の魔法ねでも、無意味よ、魂を感じられる私達を前にした場合はね」
「へぇ、君達はそう言う能力があるのか」
後ろからアンとカミル以外の声が聞こえた、アイラは動揺して背後を振り向く、アンとカミルもまた同様にアイラと同じ方向を向いた。
「あなたは…!」
アイラはその声の主を睨みつけた。
「自己紹介は初めてかな?僕の名前は、マリデ、ヴェルデ、黒い羊のボスだ」
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