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異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜  作者: 青山喜太


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妖精

「落ちる!!落ちる!オェ!」


「吐くなよアレン先生!!この馬車買ったばかりだからな!」


「いやぁすまないねぇ、僕が重かったばかりに」


「冷静すぎんだろ!ボス!」


 慌てふためくドンキホーテ達を見て、「フフッ」とエイダは笑みをこぼす。


「エイダぁ!笑ってる場合か!?」


 ドンキホーテはそんなエイダを見て驚愕とともにツッコミを入れる。エイダ達を乗せた空飛ぶ馬車は今、墜落しようとしていた。


「ロシナンテ頑張れ!」


 ドンキホーテが声をかけるしかし、無茶だ、ロシナンテは墜落していく馬車を必死に立て直そうとしているが、ロシナンテ自身が混乱しているため、軌道が元に戻せない。

 見知らぬ森へ墜落する運命から逃れることはできないようだ。


「しょうがない僕が手伝おうか」


 エイダはそういうと光の翼を展開させる


「どうするつもりだい?エイダ君」


 マリデの言葉にエイダは呟く。


「君はどくんだ黒き賢者」


 エイダはロシナンテの背からマリデを無理やりどかし、ロシナンテの背を掴むと、そのまま飛行の補助を開始した。ロシナンテは突如として自身の飛行がうまく行ったことに困惑しつつも、これが自分の実力かと納得することでこれ以上混乱することはなかった。

 しかしかといって、森のの中へと突っ込みつつあることは依然として変わらない事実であった。

 ロシナンテは地面が近づきつつあることに再び混乱しつつも、この安定してきた飛行ならば最悪の結果にはならないであろうことを確信して力強く空中を蹴り上げる。

 せめて不時着に、ロシナンテはそう願いながらロシナンテは地面に落ちていく。

 馬車は地面に激突する寸前になんとか軌道を戻し、地面を平行に飛行し、ついに無事、地面に着地した。


「なんとかなったのか…?」


 ドンキホーテは思わずそう呟く。ロシナンテを支えて飛行を補助したエイダもまた一息つく。


「なったねお疲れ様、ロシナンテ」


 ロシナンテがいななくと、エイダはロシナンテを撫でた。

 しかし安心はしていられない、追っ手が来るであろうこと予測したマリデは次の手を打つべく考えていた。


「さてどうするか…ロシナンテはまだ走れるかな?」


「ロシナンテ行けるか?」


 ドンキホーテの問いにロシナンテは力強く鳴き、自分はまだ大丈夫だと伝える。だがドンキホーテは気づいていた。


「無理は良くないぜロシナンテ、本当は疲れてんだろ?」


 ロシナンテは否定をするが、それでもドンキホーテにはごまかせない。

 ドンキホーテだけにわかる微かな特徴から、ロシナンテが疲弊していることを知ると、ドンキホーテはロシナンテをこれ以上走らせることを否定した。どのみち無理やり走らせても、直ぐにロシナンテはへばってしまう、他の方法を考えるしかなかった。


「ならば、これ以上馬車を走らせるのはやめにしよう、しかし僕たちは逃げるか隠れるかしなければならない」


 マリデの提案にドンキホーテは答える。


「ならば隠れる、しかねぇか?」


「僕は戦ってもいいけど?」


 エイダのその発言に全員が驚きを隠せなかった。エイダの口調が変わっていることもそうだが、何しろエイダの口からそこまで好戦的な発言が出るとは思わなかったからだ。


「エイダ、大丈夫か?なんか口調が違うし、それにお前さんも消耗してるだろ?」


「オエ、ドンキホーテのいう通りじゃ」


 乗り物酔いが冷めないままアレン先生はドンキホーテに賛成した。


「このままいけばおそらくあのネクロマンサー達も回復して襲いかかってくるじゃろう、そうなれば数的不利な状況になってしまう。ドンキホーテが怪我をしている以上これ以上の戦闘は避けたいのじゃ。」


「僕1人でも行けるさ。」


 エイダは譲らない。


「エイダ、まて落ち着いてくれ何があったんだ?何をそんなに焦ってるんだ?」


 エイダは言う。「グレン卿に会ったの」と言い続けた。


「あの人は私の母さんの事を殺したくせに、母さんの名前すら覚えていなかった。その上、僕にあんな実験をして…」


 ドンキホーテはその言葉を聞き驚きを隠せない。


「実験!?大丈夫かエイダ何かされたのか!?」


 それを見てアレン先生は動揺するドンキホーテを諌める。


「落ち着けドンキホーテ!エイダ、しっかりするのじゃ。お主どこかおかしいぞ、僕じゃと?お主、一体どうしたのじゃ?」


「何いってるの?アレン先生、私は…僕、は…」


 だんだんと発言がたどたどしくなり、エイダはついにふらつきバランスを崩す、このままでは倒れてしまう、咄嗟にエイダをドンキホーテが支えた。


「たしかに様子がおかしいね」


 マリデが言う。


「とにかく早く隠れねぇと、エイダもこの調子だ、どっかで休ませてやりてぇな」


 ドンキホーテの提案には誰もが賛成だったしかしどこに隠れるのか、敵はおそらく捜索すべくこの付近にやってくるだろう。そして敵はなんらかの方法でエイダの居場所を知ることができる可能性があるのだ。


「とにかくこの近くで人避けの結界を作るそこで休もう」


「わかったぜ」


 ドンキホーテはすっかり意識を失ってしまったエイダを抱え、ロシナンテと共にマリデについていこうとした。その時だ


「待つのじゃ!マリデ!ドンキホーテ!」


 アレン先生が叫ぶ。


「何かいるぞ」


 アレン先生の前足が指す先に、2人は目をやるとそこには虫のような綺麗で透明な羽を生やした小人がいた、身長は恐らく人間の腕くらいしかないだろう。ドンキホーテが呟く。


「妖精…」


 妖精はドンキホーテ達ジロジロと見回すと口を開きこういった。


「お兄さん達!怪我してるんでしょ!妖精の里で見てあげようか?」


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