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異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜  作者: 青山喜太


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メルジーナ先生との出会い

  暗闇の中にポツンと浮かぶこの芸術家達の隠れ家、隠れ家という割にはあまりにも規模が大きい、その街にエイダ達は足を踏み入れる。


「なるほど、異空間の中にこれほどまでの街を形成するとはかなりの労力じゃったろう。よくできておる。」


  アレン先生は素直に感心する。魔法使いたるもの何か思うところがあるのだろう。


「褒めていただけて光栄だ。」


 アロクはそう返した。エイダはアレン先生の異空間という言葉が気になり密かに質問する。


「アレン先生…やっぱりここって普通の空間じゃないの?」


「ああその通りじゃ、ここは元の空間とは少し違う。別の次元に存在しとる空間じゃの。前にドンキホーテの妖精の倉庫を見たことがあるじゃろ?それと同類じゃな。しかしここまで巨大なものはなかなかないのぅ。」


 その説明を聞き、エイダは感心しながら辺りを見回す。建っている家はどれも煉瓦造りで高度な技術のいる、構造をしている。


「立派なものだろう。」


 エイダが物珍しげに辺りを見ているとアロクは誇らしげに話しかける。


「これら全ての建物は私たちが招いた、職人の手によるものなのだ。」


「へぇー、とっても素敵です。私、見ていて飽きないです。」


  エイダがそういうとアロクは上機嫌に「そうかそれは良かった」と返す。守り手にとってはこの街を褒められることそのものが嬉しいことなのだろう。

  「ところで」とドンキホーテは切り出した。


「なんでここはこんなに明るいんだ?周りは真っ暗だったじゃねぇか。」


 ジンが答える。


「上を見てみろ。」


 ドンキホーテは上を向くと、エイダとアレン先生もつられて上を向いてしまう。すると暗闇の中に、不自然に明るい光が浮かんでいた。その光は、馴染みのある暖かさを降り注がせている。ドンキホーテは気がつく。


「ありゃあ太陽か。」


 ジンは頷く。


「この異空間の一部に穴を開け、日光がはいりこむようにしている。夜には月明かりが入り込むぞ。」


 エイダ達は再び感心しながらインクと絵の具の匂いが漂う、街の中をアロクの案内で歩き始める。

 しばらくするとアロクはとある家で歩みを止めた。


「ここがメルジーナ先生の家だ。しばらく待っていてくれ。ジンもメルジニアン達と共に待っていろ。」


「わかった。」


 ジンはそう返事をする。


「ついにメルジーナ先生に会えるのか…楽しみだぜ。」


 ドンキホーテは先ほど返してもらったばかりの本を大事そうに抱えて、メルジーナ先生に会える瞬間を今か、今かと待ち望んでいた。すると再び扉が開かれ中からアロクが出てきた。


「許可が出た。メルジーナ先生が、あって下さるそうだ。」


  エイダ達は家の中に招かれそのまま二階へ上がる。アロクに案内されるまま扉の前へとエイダ達は連れて来られた。アロクが扉をノックする。


「メルジーナ先生、例のファンを連れてきました。」


 か細い声で「どうぞ」と声がした。その聞くとドアノブに手をかける。扉が開かれると本の匂いが鼻につく。その匂いのする部屋の中に、女性が椅子に座っていた。


「はじめましてメルジーナです。」


 それを聞いてドンキホーテは憧れの先生が目の前に現れたということを認識し、取り乱す。


「は、はじめましてエヴァンソ・ドンキホーテです。」


 しかし取り乱しながらも、自己紹介は忘れない。エイダ達もそれに続いた。


「エイダ・マカロです。」


「アレン・シンディじゃ。」


 アレン先生が喋り出すとメルジーナ先生は目を丸くする。


「本当に喋ってる!ありがとうアロクさん!次の本のネタに出来そうだわ!」


「いえ、先生の創作の手伝いなったのであれば幸いです。」


 それを聞いて、アレン先生は、ムッとした表情でアロクを睨みつけた。


「お主、わしらをどんな風に紹介したんじゃ?」


「何、ちょうど先生が、闘気使いの戦士と、魔法使いに取材をしたいといっていたのを思い出してな。」


 なるほど、どおりですぐに会えたはずだ。アレン先生は少々、複雑な気持ちになったが。背に腹は変えられない。

 そんなことを話しているうちにメルジーナ先生はドンキホーテの二の腕を触っていた。


「ふーむ、やはり硬いですね!さすが闘気使いの戦士!それにしてもありがとうございます。実際に見るのと触るのではやはり違いますね。」


 ドンキホーテは上機嫌だ。


「先生の作品のネタになるならこれくらい安いものですよ、ハハッ。」


 アレン先生はドンキホーテの肩に乗り、ため息を猫の鳴き声ともに出すと。


「バカモン、目的を忘れおったのか?」


 と囁いた。


「あ、いや、忘れてないぜ。」


 これは忘れていた時の反応だ。


「あ、あのメルジーナ先生?私達も実は先生に聞きたいことがあってきたんです。」


 エイダは、目的をすっかり忘れていた、ドンキホーテの代わりにメルジーナ先生に本題を切り出す。


「先生は神の使者のお話を書いていらっしゃったのですよね。」


 メルジーナ先生は嬉しそうに答える。


「あら、そうですよ!あなたもお好きなのね神の使者モノ、私も傑作だと自分ながら思うわ。」


 自信満々に答えるメルジーナ先生。エイダはその先生の自慢をよそにこう切り出した。


「実は私、神の使者かもしれないんです。」


 メルジーナ先生は凍りついた。

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