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異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜  作者: 青山喜太


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新たな追っ手

  「亡くなった…?」


 思わずドンキホーテは自分の耳を疑ってしまう。だが間違いなく、この受付嬢はメルジーナ先生が亡くなったと言ったのだ。しかし事実をドンキホーテは受け止め切ることが出来ず、聞き返す。


「何があったんた?!メルジーナ先生の身に何が?!」


  ドンキホーテの鬼気迫る表情に受付嬢はたじろぎながらも、事の詳細を話し始めた。


「3日前のことです。メルジーナ先生の家が火事に見舞われまして…それで帰らぬ人に…」


「そんな…」


  ドンキホーテは、悲しみにくれた。手がかりになるとおもった。メルジーナ先生が亡くなっていたことがショックなのはもちろん、1人のメルジーナ先生の作品を愛する者として、あの素晴らしい物語の続きがもう読めないことへの悲しみが同時に襲ったのだ。

  しかし、すぐに冷静さを取り戻したドンキホーテは落ち着いて、悲しみを表に出さないようにして話し始めた。


「そうですか、ではせめてメルジーナ先生への追悼がしたい、お墓はどちらにあるかご存知ですか?」


「申し訳ありません。そこまでは…」


「そうですか…ありがとうございます。」


 ドンキホーテは受付から離れるとエイダ達と合流した。


「ドンキホーテ、大丈夫…?」


 どうやら受付嬢との会話が聞こえていたらしい、エイダは心配そうに話しかける。ドンキホーテは元気そうに答える。


「ああ、まあ大丈夫だぜ。それよりどうしたもんかなぁ。次の手がかりを探さなきゃな。」


  アレン先生はため息をついた。


「ドンキホーテ無理はするな。好きじゃったんじゃろ?メルジーナ先生の物語が。追悼したいならしてくればいい。」


 ドンキホーテは首を横に降る。


「いや、いいさエイダの手がかりを探す方がいい。」


 しかし、そうはいうもののどうしたものか、肝心のメルジーナ先生はこの世にはいない。


「せめて、メルジーナ先生の研究だけでも知ることができればな…」


  ドンキホーテはそう呟くしかしもはやどうすることもできない、失意にまみれながら、エイダ達はレンス出版社を後にした。

  エイダ達は再びトーンレンスの整備された道を歩く。心なしか足取りが重く感じる。他に神の使者に繋がる手がかりはないのか、そんな思案を巡らせながら、一行は今日泊まる宿屋を探していた。

  そんな時だ、ドンキホーテは、闘気によって強化された五感でなければ気がつかないほどの、微かな気配を感じ取る。エイダ達を追って来ている何ものかがいるのだ。


「先生…!」


「わかっておる…!」


 アレン先生に合図を出したドンキホーテはエイダの手を引き走り出した。アレン先生はドンキホーテの肩に乗りながら呪文を唱える、呪文が唱え終わった瞬間、アレン先生の周りに大量の白い煙が発生する、それは瞬く間にエイダ達を飲み込み、姿を隠してしまった。


「ナイスだアレン先生!」


 ドンキホーテは煙から抜け出し、エイダを連れながら進む。しかしエイダは未だに状況を飲み込めていなかった。


「どうしたの2人とも!?まさか!」


「そのまさかだぜ、エイダ追っ手だ!」


  そのまま走りながら、このまま、どこに行くべきかドンキホーテは考えを巡らせていた。まず大通りは避けるべきだ。相手が飛空挺を、襲撃するような奴らなら例え人のいる場所だろうと襲いかかってくるだろう。そうなれば間違えなく一般人の被害も出てしまう、そうなることは避けたかった。そこでドンキホーテは路地裏に行き、敵から逃れることにした。


「こっちだエイダ…!」


 ドンキホーテはエイダの手を引き、路地裏へと走り込む。しかしそれでも、敵の追跡から逃れることはできなかった。入った路地裏の先に黒いマントで全身を覆い隠した、人物がいたのだ。明らかに只者ではない雰囲気に、ドンキホーテは腰の剣に手を伸ばした。その反応を見るやマントの男はどこからともなく、スティレットと呼ばれる、刺突に特化した短剣を出した。マントの人物はそのまま、ドンキホーテへと襲いかかる。短剣の軽さを最大限に利用した、高速の突きがドンキホーテを貫こうと迫ってくる。


「クソ!アレン先生エイダを頼む!」


 ドンキホーテは咄嗟にエイダを手で押し、剣を抜いて、その高速の剣技を受け止めた。あまりに速くそして短剣にしては重い一撃、直感でわかった。


(こいつ!闘気使いか!)


 ならば容赦はしないとドンキホーテも全身に闘気を巡らせ、元々、人外の域に達していた身体能力をさらに強化する。そして人気のない路地裏に剣戟が鳴り響いた。

 

「よし今のうちに逃げるんじゃ!」


 アレン先生はエイダに呼びかける。


「でも!ドンキホーテが!」


 エイダはドンキホーテを一人置いていくことに抵抗があるようだ。


「奴なら大丈夫じゃ!さあ今すぐここを離れるぞ!」


 しかし、エイダを攫われてしまうことこそ、一番最悪な状況であると判断したアレン先生はエイダを急ぎ逃げるように促す。だが、どうやら遅かったようだ。


「なんじゃ…?」


  アレン先生は微かな魔力を感知する。それはどんどん大きくなっていき、ついに巨大な魔力となりエイダ達を路地裏ごと包んだ。


「結界か!」


 気付いた時には、エイダ達はその路地裏に閉じ込められていた。


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