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始まり始まり

初投稿です!よろしくお願いします!




  私は夢を見る。その夢はとても不思議でこの世のものとは思えない。

 馬のいない馬車、氷のように透き通っているガラス張りの家、天に高くそびえ立つ四角で巨大な柱

  この夢を見るたびに私は疑問に思う。この夢に意味はあるのか。なぜ繰り返し見るのか。なぜ物心ついた時からこの夢を見るのか。この夢の秘密を私は後に知ることになる。







 朝日が部屋の中に入り込み、新しい1日の始まりを感じられる朝にエイダ・マカロという少女は1人分の朝食の準備をしていた。

  母代わりのエイミーが13歳のエイダを残し死んでから3年経つ、エイダは毎日1人でこのように生活してきた。

 もう慣れてしまったが1人で食べるには大きすぎるテーブルに料理を置くとエイミーのことをエイダは思い出し少し寂しくなった。

  朝食を食べ終わるとエイダは皿を片付け、昨日から終わっていなかった荷仕度の続きをすることにした。そうエイダはこの家をエイミーと過ごした家を出なければならない。


「しっかりしなくちゃ・・・」


 エイダは少しだけ寂しそうにそう呟くと自分のしなければならないこと。エイミーの遺言を果たすための準備に取り掛かった。


 3年前のうだるような暑い日エイミーは原因不明の病に倒れ危険な状態陥っていた。普段は明るいエイミーの姿しか見てこなかったエイダは動揺しどうすればいいのか分からずただ、エイミーのベッドに寄り添い泣きじゃくるしかなかった。


「もういいのよエイダ私のことは大丈夫だから、あなた疲れているでしょう?私よりもあなたが休んだほうがいいわ」


 弱々しい声でエイミーはエイダに言った。それは彼女なりの気遣いであったエイダは何もできない自分を責め、せめてエイミーの隣に居たいと弱ったエイミーのとなりに居てくれたのだ。しかしエイダの不安は募りに募るばかりで肝心の魔法使いの医者も原因がわからないまま匙を投げてしまった。


「お医者様にも言われていたでしょエイダ、とにかく安静にしてないとダメだと。いまかかっている病気はどうなるかお医者様にもわからないのだから、もし私の病気が悪化したとき、あなたが倒れていたらそれこそ大変なことになるわだから寝てちょうだいエイダ。」


「嫌よ!お母さん!死んじゃうかもしれないんでしょ!私知ってる!お医者様でも直せないって!みんな言ってたから!だから・・・」

 

気休めはよしてほしいせめて隣に・・・最後まで一緒にいたい、それがエイダの気持ちだった。

 

 その気持ちを察したエイミーは「それなら」とこう続けた。


「エイダ、聞いてくれる?お母さんのお願い、いま私たちが住んでる家の周りには特殊な結界が張られていると話したでしょう。いままでは私が結界の手入れを行なっていたんだけど多分もう病気が治ったとしても私はあの複雑な結界を保つほどの力は無くなるでしょう。もしそうなったら私と一緒に旅に出てくれる?」


  エイダはすぐに「はい!」と答えた。自分は諦めかけていたのに、病に伏せている母自身が旅出たいなどとあまりにも元気の良い答えが返ってきた。それだけでエイダは少しだけ希望が持てた。

  それにエイダ自身家の周りの広範囲に張り巡られている結界から外にあまり出たことがなく、行ったとしても近くの村ぐらいなもので、外の世界に対する憧れも人一倍強かったのだ。


 しかしこれはもうすぐ死にゆくとわかっていながらもエイミーが言わずにはいられなかった最後の嘘だった。

 その3日後突然エイミーは事切れた。






 エイミーは死に際にエイダに手紙を残した。


 エイダへ

  私はもうすぐ天の国へ行くでしょう。もっと側にいてあげたかった。ごめんなさい。あなたがこれから1人で生きていかねばならないというのは私は心配です。だから頼れる人にあなたの支援を頼みました。結界が切れる3年後その人の使者が訪れるでしょう。それまでにこの家を離れる準備をしておいて。最後に、どうか幸せになってこれが本当のお願いよ

  お母さんより


 そして3年後、エイダはいま旅立ちの準備をしていた。母の遺言を果たすために。自分自身の新しい人生に不安と期待を感じながら。

 するとコンコンとドアがノックされた。

 ついにきたのね。とエイダは緊張しながらもドアへと向かい、ようこそおいでくださいましたと明るく対応し、ドアを開けた。


 そしてそこでエイダの意識は途切れてしまった。


ここまで呼んでいただいてありがとうございます!

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