序文
序文
世界には何十年と続く戦争で先頭に立ち、命を落とした少女もいる。
ハルモニア王国。山と海に挟まれた平地にあったこの王国はその地形を生かし、鉄壁の防衛を図り、もう何年続いているのか分からない戦争でも優勢を保っていた。
だが、王国内に潜んでいたスパイにより川と並行する山道を密かに開拓されている事に気が付かず、国内に侵入されてしまった。
そんな年に産まれたのが、のちに戦場の女神と呼ばれる王女レベッカである。
その後十年、国は防戦一方となっていたが、ある日、兄たちに混じり指揮する王女の姿に皆が驚いた。
レベッカの作戦により、奪われた土地は数か月で取り戻すことに成功した。
そして、指揮官となったレベッカは城を出て、戦争の最前線へ出ていくと、敵陣を追い込んでいくようになった。
それには国王も兄たちも驚き、嫉妬までも抱くようになる。
レベッカが戦場に立つようになって三年。
敵国ローウェルの城手前まで迫って来ていた。
だが、あと詰めの一歩というその時、
レベッカの頭上から降ってきのは一本の矢
それは彼女の背中に刺さり、
それにより
レベッカは戦場に倒れこんだ。
これを期に敵国ローウェルはレベッカの命令に従うべきか、新たに下った王子の命令に従うべきかで戸惑うハルモニア王国軍を次々となぎ倒していき、一気に城を攻め落とす結果となった。
その後、王族は解体され、世界各地に散り散りにされた。
国民は抗議するも条件を突きつけられ、結果、力で征服することとなった。
戦争最大の敵と言われた戦場の女神レベッカの遺体はローウェルに回収され、船に乗せられると川を下り、海へと流された。
それから五年。戦争の痕跡は残っているものの、平和なローウェル大国が出来上がっていた。