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セッティは怪文書をもらう

「セッティ何か不安なことがあったかしら」


この頃ネージュお嬢様付きのセッティの様子がおかしいとメイド長は、気にしていた。セッティは、姪にあたる間柄であり気にかけている。


「メイド長、申し訳ありません。たいした内容ではないのですが変な手紙が私宛てに届くようになりまして」


「どのような手紙ですか」


「見ていただいた方がいいと思います」


セッティは、手に持っていた手紙をメイド長に渡した。

メイド長は、手紙を読もうとするが文字の癖が強く汚くて内容がまったく読めない。


「これは稀にみる汚さですね。字が書けないなら無理せず代筆屋にたのめばよろしいのに」


「でも自分の言葉でどうしても伝えたいことがあったんじゃないでしょうか。コレが入っていたのでたぶん悪い用件ではないと思います」


セッティの手に握られていたのは一輪のキンセンカの押し花だった。鮮やかなオレンジ色の太陽のような花は、セッティが好きな花だ。


「あらあら可愛らしいこと。もしかして恋文かしらね」


「まさかそんなことないでしょう」


「お嬢様には負けますが、あなたも充分可愛いわよ。ひとまずこの手紙は、様子見しましょう。誰が送ったのかわからなければ対処しようがありません」


メイド長は、手紙をセッティに返した。手紙だけならばまだ注意するくらいで充分という判断だった。


「そういえばあなた今月誕生日でしょう。お休みにしてあげるから日中遊びに行きなさいな」


「お嬢様が大変な時にそんなこと……」


「あらお嬢様が言ったのよ。いつもお世話になっているから誕生日くらいゆっくりして欲しいって。でも夕飯時には戻って来なさいね。美味しいものを作るとマイクが言っていたから」


お嬢様の辺りでセッティが泣きそうだった。


「メイド長、ありがとうございます。お嬢様にはまだ黙っていた方がよろしいでしょうか。サプライズなのでしょう?」


「そうね。知らないフリをしていた方がいいかもしれないわね。せっかく準備してくれてるものね」


ネージュがセッティを呼ぶ声が聞こえたのでお開きになった。オパール公爵領は、平和である。

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