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セルヴォはローズに聞いてみる

学園の講義の合間は移動のために少し余裕がある。貴族が多く、走って移動など言語道断であり講義室も多いので必要な時間だ。

ローズが次の講義場所に移動していると、反対側からミュスクル・ド・セルヴォが歩いてきた。


「セルヴォ先輩、お久しぶりです。王城での研修は、大変ですか」


「うん、大変だけどやっぱり実地って学べること多くていいね。学園でも学ぶことが多いけど、先輩たちの経験の差が大きいから勉強になる」


見た目が中学生に見えなくもないセルヴォは、身長こそが小さいが近衛に実力を認められ学園生ながら騎士見習いになっている。

本来ならば学園卒業後に入団し3年間騎士見習いとなり、剣を捧げる先を決め騎士となる。しかしセルヴォの場合は、学園高等学校2年時から騎士見習いとなっているため通常より早く騎士になることが約束されていた。


「セルヴォ先輩すごいですね! 今年も学園の剣術大会優勝しますねきっと」


「もちろんそのつもりだよ!」


セルヴォの笑顔は、経験に裏打ちされた自信に溢れていた。


「そういえばローズの好きな花って何かな。俺、こういうの聞けるのローズしかいなくて」


「私の好きな花ですか? やっぱり私の名前の薔薇です。色は何色でも好きなんですが私のことを考えて選んでくれたら嬉しいです」


前にローズは、シュバルファン王子から花びらがフリルのようになった可愛らしい赤薔薇を贈られている。

今度は根元部分が黄色の花びらで、その先が赤になった薔薇を贈ると言っていたので楽しみだった。


「なるほどいい参考になったよ」


「お役にたったのならよかったです。セルヴォ先輩は、私なら何が似合うと思いますか」


「俺あんまり花詳しくないんだけど、母上が大事にしてる赤薔薇かな。ローズの髪色みたいな綺麗な赤色に花びらがいっぱいで華やかな薔薇なんだ」


「それ、とっても素敵ですね。見てみたいなぁ」


「なら今日のお礼に後で見せてあげる。あの薔薇切るっていうと母上凄い怒るんだ。昔父上が品種改良させてプレゼントしたものらしくて」


「素敵な話ですね。そういう理由なら簡単に切りたくないですね。ということは先輩のご自宅にお邪魔するということでしょうか」


ローズが聞くとセルヴォの顔が赤くなる。可愛らしい顔立ちを赤くしていると思わず撫でたくなってくる。癖のある癖髪はふわふわしてさわり心地が良さそうだ。


「女性の友だち招くの初めてだから母上や兄上にからかわれそうだなと」


セルヴォは、赤くなった顔をうつむかせ手で隠すがよく見たら耳まで赤くなっている。


「セルヴォ先輩が嫌な思いをするならやめましょうか」


「ううん、俺は難しいことよくわからないことが多いけど約束したことは絶対守るって決めてるから守る。俺が恥ずかしがっているだけでローズが悪いわけじゃないし」


ゲームでは、この可愛い外見に反した男らしい発言に悶えていたお姉さん達が多かった。確かにこのギャップは萌える。


「だから遠慮しないで」


「はい」


講義開始前の鐘が鳴ったので二人はその場で別れた。

後日招待状が送られミュスクル家にいくと興味津々の家族に出迎えられて恥ずかしかったのは想像しやすいだろう。

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