日が落ちるが幕は上がる
舞踏会場では、形も様々な蝋燭に火が灯され暖かな橙色の光を放っている。その会場の中央には、シャンデリアがあり蝋燭の光をうけ幻想的な光を放っていた。
舞踏会の参加者は、主に貴族や大きな商会の商会長だ。司会が順番に呼び会場へ入場していく。
「オパール公爵家よりブリュイヤール公爵とそのご子息グラソン殿とご息女ネージュ嬢のご来場です」
オパール公爵家の一挙一動を見逃すまいと皆固唾を飲んでいた。
現在様々な噂を囁かれており、王位継承権2位と3位がいるのだから次代を担う立場なら気にする。更にいえば"何か"があれば王妃や王の義弟になれる可能性があった。
いままでならば勝算がなかったが王太子とネージュの仲違いが深刻化しているので、婚約破棄もあり得ると計算している者も多い。
だが何より吹っ切れたかのように笑みを浮かべるネージュが人目を惹いていた。いままでは、王子を立てるような雰囲気だったが今は自身が輝きを放っているように見える。
そしてオパール公爵家は、王族に一番近い場所に並んだ。
「おにいさま、すごくきれいなおへやね。天井のきらきらきれい」
「あれはシャンデリアって言うんだよ」
麗しい兄妹の内緒話に溜め息をつくものもいたが話している内容は、大したものではない。
「王族の方々の入場です」
最後に入場するのは王族たち。現王と王妃アンナミラ、王子シュバルファンの三名だ。しかしその中に王族ではない人物がおりざわめいていた。
その少女は、白地のエンパイアドレスに金と黄色の星が刺繍されたドレスを着ている。赤い髪に合わせて赤いポインセチアが胸に飾られていた。
少女は、王子に手を引かれ不安げな表情を浮かべると玉座の近くへ寄り王太子と並び立つ。その様子を見てざわつきが更に大きくなった。
「静粛に! 王の御前である」
進行の言葉に大半の者は、口をつぐむ。しかし場の空気が読めないものもいた。
「なぜその娘が王族と並び立っているのですか!」
「それはこれから話します」
口を開いたのは、王ではなくシュバルファン王子だった。
「私は、オパール・フォン・ネージュと婚約破棄しオブシディアン・ローズと婚約することを宣言する」
口をつぐんでいた者たちすらも隣と話を始める。
「婚約破棄と婚約は、王の了承を得ている。そしてこの場でオパール・フォン・ネージュ及びオパール家の断罪を行う」
一斉にオパール家に視線が向けられた。王族にもっとも近い一族の断罪とは穏やかな話ではなかった。
「まずオパール・フォン・ネージュは、公爵令嬢という立場を利用しオブシディアン・ローズを貶めた」
「私の妹が貶めたとは、何をしたのでしょうか」
「ローズと私が会うのは不相応だと言い学園の理念である平等を軽んじたのが一つ。そしてローズに汚水を落としドレスを駄目にした。一番は影の者を使い暗殺を企てていた」
暗殺の一言にどよめきが大きくなる。オパール家にそういった者たちがいることは知られていたが王族が断言したのは初めてだった。
「私は暗殺を事前に察知したので防いだ。その暗殺者をここへ」
王子が手を上げると茶髪の男が連れて来られる。それは画家として名を馳せるリッドであった。
今年中に完結させますよー




