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ローズは方針を考えます

「なんでオパールが休学しちゃうの!」


オブシディアン男爵家令嬢ローズは、焦っていた。


転生者として自分が望む最高のエンドのための選択をしたのに道しるべ(ネージュ)がいなくなってしまった。


この世界は、ローズの前世がプレイしていたゲーム"宝石の王国"に酷似している。

宝石の王国は、アクションとスチルの美しさと声優の豪華さが売りのゲームだった。

だがゲーム評価は並みであり理由は、一見さんは必ずバッドエンドよくてもノーマルエンドになるという難しいゲームなのだ。手軽にイケメンと関わりたい勢には、余り人気ではなかった。


しかし正統派王子と冷徹次期宰相、近衛騎士候補、敏腕商人そして隠し攻略対象の隠密を攻略することによりハーレムルートが出来る。


「王子が推しだけど王子ルートだと次期宰相が反乱を起こすからなぁ」


次期宰相グラソンの地雷は、妹であるネージュだ。自他共に認めるシスコンであるためネージュが健やかに過ごせるように目を光らせているのだ。


王子ルートでネージュは、婚約破棄後グラソンに泣きつき妹を泣かせ辱しめた王家に反旗を翻し内乱が起きる。

内乱は、ローズが活躍し治まるがスチルを確認すると王子の綺麗な顔に傷があり絶叫したのは忘れない。

この世界は、現実だと考えると顔の傷どころか命を落とす危険があるので内乱ルートは避けたい。


ここでハーレムルートにするとローズに好意を持っているためグラソンはネージュの願いを聞き入れない。

だから内乱が起きず、王家とローズに不満のあるネージュを領地にある分家に嫁がせ王都から離すだけだ。

グラソンいわく血筋を考えて王都から引き離すならば、他国の高位貴族に嫁がせるべき。

しかし反意を持った者を手元から離すのも悪手だと言っていた。


「ハーレムルートなら誰も死なないし、いいと思ったんだけど。グラソンへの決定打がわからないわ」


王子は、同じ学園に通っておりチョロいんなので現在まで進むとヒロインに対してかなり甘くなるのでわかりやすい。

一方グラソンは、学園を卒業し次期公爵として社交の場でしか接触出来ないので好感度を上げるのが普通は難しい。

しかしネージュがヒロインをいじめたことにより、公爵家に話が行き噂の真偽を確かめるため非公式にグラソンが接触してくるのだ。噂は本当であるが妹可愛さにグラソンは板挟みになる。

そのグラソンに家族を大事に思うのは素晴らしいことなので心配しないで欲しいと訴えかけ理解を示してくれたヒロインに好意を持つ機会になる。


「だけどいじめるネージュがいなかったらグラソンの接触ないのよ。地道に社交で好感度あげるか…」


ネージュに会うのがこわいと学園で逃げ回った攻略者がいて社交に出てグラソンの好感度をあげ攻略したというルートがあった。嘘のような展開に試してみると出来てしまった。


「学園では王子と隠密、社交ではグラソンと商人ね。うーん、リア充すぎ」


忙しい毎日になりそうだとローズは目をつむった。

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