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黒桜旅団異世界冒険記  作者: 狂王エノモトと愉快な仲間たち
第1章黒より黒き黒桜旅団登場!
8/28

8話



そろそろ森を抜けるかというところまできた。ここからはキマイラを降りて進むことにする。


「最後に1モッフだけ。。。。」


しょうがないなぁ。こいつ俺が1人でテイムした魔物なんだけどなぁ

渋々許してやると、ゴリアテだけでなく他2人もキマイラに飛びついた。


メェェェ


キマイラのヤギ頭が気持ちよさそうである。ライオンヘッドはネコ科だからか知らんけどあんま鳴かないんだよね〜蛇は言わずもがな。警戒してないのにシャーシャー言わない。

それにしてもゴリアテ撫でるのうまいなぁ。流石だわ。てか1モフだけだったよな!終了終了!そろそろ行くぞ!



「ケチだなぁ。」

「いや、そろそろ行かなきゃでしょうが。」

「ま、俺の魔法無双が待ってるからな。早く行くことに越したことはないっすね。」

「人か。。。」

「人見知りだもんな〜」


ユックリーンはなかなかの人見知りである。同性相手でも初対面では口が開かなくなる。

ま、趣味の話し始めると途端に饒舌になるから上手く話を振れるのが側にいれば大丈夫なんだけどね。


「もし街が見つかったらどする?」

「冒険者登録一択だな。」

「魔法ブッパできるって言ったら冒険者だな。」

「傭兵もアリじゃね?」


傭兵か〜。つーと対人戦だよなぁ


「俺らはPKプレイヤーってわけじゃないし、無意味に人殺しにならなくてもいいんじゃないか?」

「まぁそうだな。魔法打ったらミンチになりそうだし。」

「わかった」


ユックリーンが少し残念そうな顔をする。うーむ。人殺しに躊躇いがなくなってる。魔人族に転生したからだろうか。人族・・殺しに躊躇がない。


「下手に殺して追いかけ回されたくないし、傭兵はやめとこうか。冒険者でも同じような依頼はあるだろうし、やっぱり主な敵は魔物がいいでしょ。」

「そうだな」

「せやな」

「わかった。」


さぁてそれでは変身のお時間です。


「「「「“アイテムボックス“オープン!」」」」


宝物庫が現れる×4


「じゃ、変装の指環と偽装のネックレスを取り出しますかね。」

「「「おう」」」


“変装の指環“

装着者の外見を変更する指環。品質次第で触感まで変えられる。因みに4人とも最高品質。最高品質では匂い、気配までも変更できる。PK騙しには最適だ!(ゲーム内で気配とは表示される表ステータスのことを指す。)


“偽装のネックレス“

自身のステータスを偽装する。品質で、称号から職業まで変更可能。敵からの鑑定を受けても防げるぞ!俺たちは最高品質なので全部偽装できます。強職レベルマ鑑定じゃなきゃ見抜けないぜ!



「取ったな〜じゃあ行くぞ“変装“、”偽装“」

「「「“変装“、”偽装“」」」


俺たちは魔族に見えない感じに変装した。例えば俺であれば、ツノを無くし、肌の色を変更。格好は変わらないが、これだけでいい感じの冒険者に見える。新人冒険者の装備じゃないけどね。

ゴリアテはあまり変わらない。体毛が薄くなったかな。狼男の特性として毛深かったし。気にしてたんだろなぁ。装備は変わらず。新人冒険者の装備じゃないね。

ハスミンは耳はそのまま、肌の色と髪の色が変わった。イケメンエルフそのまんまだな。装備は高価そうなローブに世界樹の杖。新人冒険者のry

ユックリーンはこちらもツノと肌の色。ツノがなくなった分髪の毛が伸びている。装備は変わらず、新人冒ry



ステータスは大幅に下げた。

だってオークパイセンのステータス見た後じゃねぇ〜。まぁそれでもこの装備に見合うくらいのレベルにはしてあるよ。ざっと20分の1くらいかなぁ運の値だけはそのままだけどね。

職業は俺が召喚士、ゴリアテが黒重戦士、ハスミンが魔導術師、ユックリーンがシーフだ。ユックリーンに関しては、戦士のスキルも持ってるから強いよってことにしとく。


準備は整った。それじゃあ森を抜けようか。





少し歩いただけで森の出口が見えてくる。

俺たちは嬉しくなり、走り出した。柄でもなく青春小説みたいに顔を合わせてしまったぜ。


森を出ると、ちょっとした丘の上だった。下を見るとすこしだけ舗装された道がある。

道ですよ道!いいっすねぇ〜じゃあ道なりに進んで行きましょうか!


「右、左、どっち!」

「ここは運が一番高いゴリアテ、決めてクレェい!」


「右だ!」


「「「その意図は?」」」


「なんとなく!」


「「「おっけい行くぞおおおおい!」」」


なんか俺らテンションやばいなw




歩くたび、マップが更新されて行く。この世界でのマップは形と大陸名しか書かれていなかったが、自分で見聞きすることによって詳細が追加されて行く仕様らしい。RPGなのに不思議のダンジョン系のマッピングに近いかもw

それにしてもこのマップってなんなんだろな。見たいって思うと視界に表示される。でも魔法じゃないし、アイテムでもない。特殊能力とかスキルに近いものかもしれない。でも詳細ステータスには書かれていない。いや、埋もれてるかも。。。

詳細ステータスとは、スキルや特殊能力、称号なんかが見れるステータスの裏表示みたいなものだ。ただ、俺たちは長らく見ていない。だってスキルやらなんやらが多すぎて頭ん中がこんがらがるんだよなぁ。多いのもあるが、おんなじようなのばっかなのもキッツイ。称号なんかは大会関係の優勝やらなんやらもあるから、殆どの大会に参加してた俺らにはめちゃくちゃ多い。参加賞だけでも称号に残すとか馬鹿じゃね運営って掲示板には書かれてた。大抵のプレイヤーは詳細ステータスなんて見ない。新人くらいかな。


さて、そんなことを考えてたら村っぽいのが見えてきた。お互いに見合って変装偽装がちゃんとかかってるか確認する。

よし、大丈夫だ。因みに最高レベルの鑑定で観ると、真偽両方のステータスが見えるのでちゃんと偽装できているかはわかる。

確認が済んだらいざレッツゴー!



おお、村だ!漫画やらアニメやらで見た異世界っぽい村だ!木造建築!火魔法使われたら一発でお陀仏でしょ。窓は木枠をはめ込む感じらしい。流石にガラスは無さげだな。そりゃそうか。

俺たちが珍しいのか、歩いていると視線が集中する。まあ黒いからなぁ俺ら。不吉っぽい感じはあるかもしれん。村くらいだったらいいけど街に入るような時はもう少し改めよう。視線が痛い。。。


「そこのお方、」


話しかけられた。相手は村人にしてはいい感じの服を来てる50くらいのおいちゃんだ。ほんわかした雰囲気でいかにも面倒見の良さそうな顔をしてる。村長とかその辺?


「失礼、私はこの村の村長をしております、ダバスと申します。今回はこの村に何用でしょうか貴族様。」


ん?貴族?


「待て、私達はは貴族ではない。かしこまらなくても良い。」


ゴリアテが答える。


「今は?」


「そうだ。我々は今は亡き国の貴族だ。政変の折に仲間に裏切られ、ダンジョンの奥深くに封印されてしまってな。ついこの前その封印が解け外に出れたのだが、時間が大いに経っていてな。最近の情勢がわからぬのだ。」


これが、この村に来るまでに考えた俺たちの設定だ。ファンタジー世界ならありそうな話だろ?まあハスミンや俺が同じような封印魔法使えるからこの設定に最終決定したんだけどな。


「そうでしたか。ではこの辺りには詳しくないと?」

「そうなる。良ければ教えてはくれまいか?なに、路銀はたんまりある。チップは弾もう。」


チップというところに村長は少し首を傾げたが、優しい人なのだろう、追及など全くなく俺たちの設定を疑いもせずに信じ込んだようだ。

てかチップって通用しないのか。マジか。。。


「では私の家においで下さい。こんな村ですが、大きな街と街の間にあるので結構情報は多いのです。私にわかることはお教えしましょう。」


俺たちは村長に話を聞くことにした。最低でも貨幣価値だけは知っておきたい。あとはこの辺りの国な。俺たちの設定がアレだから、何年前からここら辺に国があるのかとかね。あと、賢者の日記ではここはエントリヒ王国じゃないらしいから、エントリヒ王国のことについても聞いてみたい。さて、このおいちゃんがどれくらい知っているのか、教えてもらおうじゃないか。





村長の家は村人に比べると高価な感じの家だった。聞いてみると、この村で貴族が止まる時とかに備え、どこの村も村長の家だけは豪華にするらしい。ただこの村長さんは豪邸に気後れしているそうだ。ほかの村人にも使ってもらいたいらしいのだが、難しいのでせめてもと3日に一度ほど子供達を家に招いて遊ばせているらしい。本当にいい人だなこの人。



「それではここでお待ちください。資料を持ってまいりますので。」


俺たちは応接室のような部屋に通された。過度な消費は抑えていそうながらも、決して陳腐ではない優雅な雰囲気。実にいい趣味な部屋だ。あのおいちゃんなかなかやりおる。

とか思っていると件のおいちゃんがいくつかの資料を持って部屋に戻ってきた。


「私のところにあるのはこれくらいしかありませんが、お眼鏡に叶うといいです。」


「ありがとうございます。そういえば私達は名乗っていませんでしたね。私はキオと申します。家名は既に意味が無くなっていますので、ただのキオですね。それでこちらが、」

「ゴリアテだ。同じく家名は意味のないので告げぬ。重戦士ではあるが心持ちは守護騎士だ。」

「ハスミンでーす。魔法の資料とかあります?あったら是非見せてください!」

「ユックリーン。シーフ。」


「キオさんにゴリアテさん、ハスミンさん、ユックリーンさんですね。魔法の資料は残念ながら。私の村には魔力の高いものがいないもので。」


「気にしないでください。こいつが魔法となると見境がなくなるだけですから」


「そうでしたか。」


「すみません。では、貨幣価値から教えていただけませんか?」


「では、、、、、、」

そこから村長は1時間ほど話し続けた。


それでは村長の話をまとめよう。


貨幣は銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白金貨の順だ。これはプロシア大陸全土での統一貨幣になっていて、プロシア硬貨と呼ばれているらしい。ドルやら円やらで変わらなくて楽だ。


ここで俺たちが持っていた、ゲーム時代の金、“マニー金貨“の価値を測ってもらった。それによると、マニー金貨1枚で金貨1枚と大銅貨2、3枚になるらしい。村長曰く、金の含有率が少し多いとのことだ。

うーむ。そうかぁ〜純金で出来てます!貨幣価値バリヤバです!とかでいきなり大金持ちってわけじゃないんやね。

ちなみに、俺らは“マニー金貨“をたくさん持っているわけではない。ゲーム内ではクラン機能の一つである銀行に預けていたので、この世界には持ち込まれていなかったのだ。

まぁ来る前に周回してた時のドロップアイテムやらがあるから多少はあるんすけどね。ゲーム時からしたらはした金だけど、日本だったら高級外車がギリ買えちゃうくらいはあるんだよなぁ。当面金の問題は解決したと考えればいいか。


次にこの国だが、名をミラルスレイト連合国というらしい。大陸の西の端っこに位置してて、元は小国が集まっていた場所なのだが、エントリヒ王国が貿易をしやすくせよと脅してきたために、元ミラス王国の王がまとめ上げ、今の連合国を立ち上げたという。

おいイスルギなに脅しトンねん。ど頭かち割ったろか?

とか思っていたが、エントリヒ王国との貿易により、小国だった頃と比べて格段に豊かになったそうだ。今の連合国になる前まで起きてた軍同士の小競り合いもなくなり、平和にもなったそうだ。

なんやええことになっとるやんけ。ど頭ナデナデしたるわ。


周辺国家も聞いた。

北東にフロイスファレナ公国。ここは長の“公“が女性で、安定した政治で有名らしい。貴族も気候も温厚で小麦の栽培が盛んらしい。国土はミラルスレイトより少し小さめだ。

次に南東のラグランド帝国だ。武力で頂点、“みかど”を決めている国で、荒くれ者が集まる国らしい。国土はミラルスレイトとフロイスファレナを合わせたくらいの規模で、特産品はかなり多いが、税が高く、雰囲気も治安もすこぶる悪いそうだ。なんでも、今代の帝が民のことを考えぬ、贅沢三昧のクズ人間らしく、亡命するものが後を立たないのだとか。それに他国への侵略も目論んでるとかどうとかいう噂も流れているらしい。

ここは行ってもいいかも知れない。話によると、エントリヒ王国から献上された魔人族奴隷の多くは帝国に運ばれたそうだ。もしかしたら生き残りか子孫がいるかもしれない。それに、ゴリアテが「悪行はそこまでじゃ!」って顔してるし。


次にエントリヒ王国のことを聞いてみた。


「エントリヒ王国ですか?そうですね、我々は西の端ですが、エントリヒ王国は東の端ですね。60年前に魔族領を吸収して今では帝国よりも大きな国となっています。」


なんと。勇者が魔王を倒したのは60年も前のことらしい。


「ほう、あの魔族領を吸収したのですか。我々の昔の頃と比べて勇者殿は随分とお強いのですなぁ〜」


ゴリアテがこれまでの話から気分をよくしたのか、自らの設定に入り込んでいる。さすが声優志望だ。芝居掛かった仕草が全くない。

いや、これは完全にのめり込んでるな。この状況を全力で楽しんでるって言った方が正しいかも。


「はい。たしかにお強いお方でした。しかし、3年ほど前でしょうか、老衰でお亡くなりになりました。」


「そうですか。勇者様はとても良きお方だったのですね。」


村長の目端には涙が浮かんでいた。大陸の反対側の国の民にまで慕われているとなると随分いい王だったことが容易に伺える。イスルギよ、やるじゃないか。


「ええ、この国が変わったのは彼のお陰です。“脅し“と聞いた時は忌避感を覚えましたが、結果を見てみれば感謝しかありません。ただ彼は王となってから笑ったことは無いそうです。」


「笑ったことがない。。。彼は内側になにかを抱えていたのでしょうね。」


十中八九魔族に殺された王女の件だろう。その後新たに王妃を娶って子供も出来たというのに笑ったことがないのは彼にとってその王女がとても大切だったのだろう。


「ええ。それを解消させてあげられなかったと王妃様も嘆いておられたそうです。」


「それにしても、何故ここまでの情報を?いくら街道途中の村の長といえど知りすぎでは?そして我々のような何処の馬の骨とも言えぬものに話してしまってもよろしいのですか?」


「情報に関してはこの国の元老院議員のお方がこの村をたいそう気に入ってくださり、よく居られるからです。」


おいおい、それも国防の観点から教えてはダメな案件じゃないか?


「話したのは、貴方がたは信じられるという私の直感ですね。」


その答えに俺たちは笑ってしまった。会って少しの人間を信じたというのだ。この村長は豪胆だ。それに、面と向かって“信じられる”と言われて悪い気はしない。流石に魔王の身分は開かせないが、こちらも彼に誠意をぶつけるべきだろう。


「ありがとう。では貴方に敬意を表し、私の力の一端を解放しよう。この村に広場はあるかい?」


俺はある“魔法”を使うために村長に尋ねる。


「ほう、まさか“あの”魔法を使用するのか?」

「いいんじゃないかな(キメ)」

「え、マザイかよ」


どの魔法を使うか他三人も察したようで、俺に聞いてくる。

俺は一つ頷き、肯定の意を示す。すると三人は、仕方がないなぁみたいな顔して来おったでござるよ。なんだその全部わかってるみたいな顔は!


「え、ええ広場でしたらあります。案内いたしましょう。」


村長は1人だけなんのことだかわからないことに不安そうな顔を見せたものの、すぐに案内を買って出てくれた。

そして、村長に続き俺たちは彼の家を出る。広場は村のほぼ真ん中に位置していた。まぁ知ってましたよ。来るときにチラッと見たしね。けどこの魔法使うの久しぶりだし、異世界だし!人に見てもらいたかったんだよね!


「それでは少し離れていてください。」


俺は村長に距離を置かせ、虚空より取り出した漆黒の剣を地面に突き立てる。

「黒より黒き我らの秘奥義、ここで見せましょう!」


発動する魔法は俺たち黒桜のオリジナル“特別魔法”以前にイベント景品の問い合わせにて運営に強請った俺たちだけの魔法。


「それは我らが崇拝せし神樹、我らの願い受け権限せし幻想の産物、我は願う、黒より黒き黒桜よ、我が力を糧にここに権限せよ!特別魔法“黒桜領域“」


俺の体からMPが流れ出して行く。とてつもない速度で、とてつもない量が。そして芽吹く。魔法によって生み出された一本の(なえ)が。それでもまだMPは流出する。そのMPを受け桜は急速に成長していく。俺のMPがほとんど吸われ尽くした頃、桜は大樹となり、

黒き儚き花が、咲いた。


「綺麗だな。」


特別魔法“黒桜領域“

クラン対戦イベントの優勝時に運営に強請った俺たちだけの魔法。MPのほとんどを使用して発動させた魔法だが、本来は4人で使う合同魔法だったりする。このイベントの後の度重なるアップデートにより、色々なジョブが追加され、俺とハスミンならば、ギリチョん一人で発動できるほどのMPを手に入れてしまった。今回は俺1人で発動したが、お陰で無茶苦茶身体がダルい。MPポーションをぐいっと行っておこう。

さて、この魔法の効力は、桜を生み出すだけではない。



「な、んだ、神聖な力で守られているような。。。。」

「それに、なんだか体が軽い!」

「あ、おばあちゃん!寝てなくていいの!?」

「ああ、なんだか気分が良くてね。」


いつの間にか集まっていた村人たちがこの魔法の効力を実感しているようだ。

この魔法は、俺らがクラン“対戦“の時に手に入れた魔法。クラン対戦とは、クラン同士の戦争だ。つまり、この魔法は軍用魔法だということ。効力も軍用のなかなか。

範囲結界、敵意排除、HP回復補助、MP回復補助、ステータスオールアップ。

補助、バフはわかりやすいが、前二つは説明が必要だろう。範囲結界とは、術者が指定した範囲にて結界を発動するもの。敵意排除とは、結界と同範囲で、敵アイコンを判別し、全ステータスデバフと、範囲外に出すための移動魔法がかける。

これを庇護者指定可能で発動する。今回は、この村で範囲指定だ。この村に害をなそうとするものは入ってこれない。(村の外へと強めの移動魔法がかけられる感覚は空港の歩行エスカレーターの逆走だ。そんな生温いものじゃないけど)そんな設定である。それと、魔法を発動しつつここの判定はどれくらいなんだろうか?と思ったので、“村長が思う範囲でお願い!“とめっちゃイメージした。。。。。多分ダイジョーブ。(汗)


とか思ってたら、いつのまにか村長が目の前にいた。


「これは、なんですか?」


おっと、村長さん少し警戒しておられる。俺らが弾き出されるのもいやなのでちゃんと説明しておこう。


「これは我らの神樹、“黒桜“です。貴方への恩返しのため、特別な魔法を使い顕現させました。この神樹の効力は素晴らしいですが、どれくらい持つかわかりませんので、たまに魔力を奉納してください。手を木に当てるだけでいいので。」


説明しました。信じてくれるかな?いや、信じるでしょ。だって黒桜の雰囲気がちょっとヤババなくらい神々しいんだもん。魔王が生み出したのによ?禍々しいならわかるけど、神々しいんだよなぁ〜


「そう、でしたか。これほどのものを、我々のような者に与えてくださり、ありがとうございます。」


村長は、静かに、ゆっくりと頭を下げた。


「気にせんでください。うちの団長をその気にさせたのは貴方だ。貴方が俺たちを信じて情報を教えてくれたからこそ、黒桜はここに成った。頭をあげてくれ。」

「そうそ、お互いWIN-WINなんだからさ」

「……茶菓子は美味かった。」


「ありがとうございます。貴方様方がくださったこの神樹、我らが責任を持って管理いたしましょう。」


村長は、涙を目の端に貯めつつ、頭をあげた。

そこまで感動してくれるとなると恥ずいじゃねぇか。こっちにはテスト的な下心もあったから素直に受け止められない。。。いや、開き直っちゃうもんね!良かった良かった!うむ、俺も鼻が高いな!


「お兄ちゃんたち、ありがとう!」

「おいちゃん、ありがとう!!」

「おばあちゃんが立ったんだ!」


村長が俺たちの相手をしてたことから、俺らの成果だと当たりをつけた子供達がこっちにお礼を言ってくる。おいちゃんってのはゴリアテのことだろう。俺じゃないな。うんうん。

子供達の裏表のない笑顔を見てゴリアテが破顔している。キモい。他二人も自然と口角が上がっている。

うむ、子供達の笑顔こそが平和なのだ。



途中説明文は変わる可能性アリ

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