2話
「あ〜くっそ、なんだったんだ今の。まだ目がやられてるわ。」
「というか寒いんだが。こたつ消えてないか?電源確認してくれ」
「ふぁ!無茶言うなし。俺も目が見えないんだから確認できない」
「と言うより、ここどこ?」
「「「?」」」
三人は目を開ける。
「「「!?」」」
そこは、周りを岩に囲まれた暗い洞窟だった。
「なん、じゃこりゃ。」
「俺たち、ゲームしてただけだよな。」
「イベントコンプしたよな。」
「血湧き肉躍る、、、」
「「「それだ!」」」
「何がだ。ってえ、、」
そう、あのメールを送信したタイミングで、光が生じたのだ。
「あれ、なんだこの厨二衣装」
「ん?声が野太いぞ。腕も太くなってるかもしれん。」
「バリカッケェ杖が手の中に」
「お前ら、ゲーム内キャラになってんぞ。」
「「「SOREDAッ☆!」」」
「さっきからなんなんだよ」
そう、みんなゲームで作ったキャラと同じ姿に変わっていたのだ!
ちなみに何故見えるかというと、闇系職業の初期スキル“夜目”である。結構見える。赤外線カメラレベル。最初見えなかったのはパニックだったからかなぁ〜多分。
「てことはここはエミリアの中か。」
「なんかそれ卑猥だな。」
「何想像しとんの堅治。」
「いや、それにしてはおかしい。」
「「「?」」」
そう、決定的に違うことがある。それを隆輝は見つけた。
「マップが、変わってる。」
「「「なん、だと!?」」」
慌ててマップを確認。
すると、確かに変わっていたのだ。エミリア・オンラインでは、ドルシア大陸だったはずが、、
「「「プロシア大陸、だと!?」」」
「そしてここは。」
「「「「奈落の洞穴」」」」
「「「「異世界転生キタァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!」」」」
洞穴に、4人の声が響いた。
「集合。」
輝御が声をかけ、円形に座る。
「まず確認。ここは異世界、転生となったトリガーはあのメール。まずこれはいいな。」
三人は頷く。
「そして、この大陸。ゲームの時と違うから、多分勝手も違うと思われる。」
コクリ。
「今いる場所は、洞穴の最下層。それも端も端で、モンスターすらいない狭い小空間。6畳一間くらい。」
三人は微妙な顔だ。六畳一間。つまり、先ほどまでいた部屋と一緒。我が家のリビングが狭いと言われたような気がしたのだ。
(((部屋選んだのお前だろっ!)))
「この空間に、出口がない。その他に気づいたことはあるか?」
「気づいたというより、見たまんまじゃないか。」
「うっ」
隆輝に言われて言葉に詰まる輝御
「い、いいだろ!早よなんか出せや!」
バツの悪い顔をする輝御。その言葉は些か投げやりである。
「あ、出せといえば、アイテムボックスはどうなってんだ?」
「「「!!」」」
隆輝。よう思いつくなぁって思う三人
アイテムボックスとは、エミリア・オンラインのプレイヤーが持つネックレス型魔道具のことである。
ネックレスに魔力を注ぐことで、異次元貯蔵庫が開ける魔道具だ。指定者以外開閉不可で、時間停止能力もある。(余談だがこれは、食料劣化によるBADステータスはないのかと言うPKプレイヤーからの要望があったのだが、運営がめんどいからと、“時間停止”の一言をフレーバーテキストに加えたものだ。)そして容量は作り手の技量と、素材の品質次第。そんなアイテムボックスを、4人は最高品質で持っていた。
「あ、開けるぞ。」
「お、おう」
代表して輝御が魔道具に魔力を流すことになった。
「しかし魔力の流し方などわかるのか?」
「念じればいけんじゃね?異世界転生ものの王道であるイメージすれば魔法が出る的な。」
「な、なるほど」
堅治が問い、輝御が答えた。答えられた堅治は、ちょっと|気圧≪けお≫され気味だったのは、輝御のキラッキラしたオッドアイが原因で間違っていないだろう。
「じゃぁやるぞ。オープン“アイテムボックス”」
「うおっ!」
輝御は手から“何か”が吸われるような感覚を受けた。そして、魔道具が光る。そして異次元の扉が開く。
「なっ」
「「「「なんじゃこれえええええ」」」」
そこには、まるで宝物庫の扉のような、否、まさに宝物庫の扉と言える両開きの|荘厳≪そうごん≫な扉が現れたのだ。
「入るぞ。」
「お、おう」
中に入ると、その空間は、図書館の倉庫に似た雰囲気だった。そこには沢山の棚があり、その棚にはゲーム時にアイテムボックスに入れていた物が綺麗に揃えられて並んでいた。
「うわぁこりゃ凄いわ。」
「アイテムボックスと言うより宝物庫の扉だな。うん、そう呼ぼう。」
「それにしてもお前結構入ってんな。最高品質でも残り枠少ないだろコレ。」
「あ、扉とかのエフェクトって、品質で変わったんじゃね?」
「「「かもな!」」」
試しに、宝物庫に入っていた最低品質のアイテムボックスの魔道具を手に取る。
「オープン“アイテムボックス”」
「今度はさっきよりも少ないな。」
「「「何が?」」」
「なんか吸われてる。多分MP。」
「「「へー」」」
ぽん。という音と同時に出現したのは、サンタが抱えてるような白い袋だった。
「「「「うっわぁ」」」」
4人とも微妙な顔だ。しかし明らかにショボいのだからしょうがない
「品質の違いでこんな違うんだな。。。」
「驚いた。」
彼らは心の中で、(見た目完全にサンタ袋やん。。荘厳な扉とダンチなんですけど。。。。)と全く同じことを考えていた。
「ま、まぁ気を取直して行こうじゃないか。」
「そういえば、指定者以外でも入れるんだな。」
「「「確かに!」」」
「開けるのは指定者じゃなきゃダメとかなのかもな。」
「「「なるほど」」」
やたら発見する男隆輝。顔はデフォルト無表情である。いや、少しだけ目尻が下がっているかもしれない。
ある程度確認出来たので外へ。外は相変わらず暗い。
「さて、アイテムボックスのことは確認出来た。次どうする?」
「ステータスは?」
「「「ステータスオープン‼︎‼︎」」」
「ちょ、はや、ステータスオープン!」
“ステータス”
プレイヤーのパラメータを数値にて表したもの。
ステータスはいくつかの項目がある
Lv、レベル。この世界では、職業習得率と考えると良い。各職業ごとに上がる。
HP、持ち主の生命力を表す。0になると死亡する。
MP、持ち主の精神力。魔法、戦技を使うと減少し、減っていくと貧血などが起こる。0になると気絶する。
筋力:肉体が持つ力の量。高ければ高いほど重いものが持てる。
敏捷:自分がどれほど早く動けるかの値。高ければ高いほど速く動ける。
体力:スタミナ。高ければ高いほど長く動ける。
知力:頭の良さの値。高ければ、使用できる魔法の種類が増える。副次効果でMP消費量を下げる。
物耐:物理攻撃に対しての防御力。高ければ高いほど物理攻撃によるHPへのダメージが少ない。
魔力:自分が一度に制御できるMPの最大値。魔法の威力に影響を与える。
魔耐:魔法攻撃に対しての防御力。高ければ高いほど魔法によるHPへのダメージが少ない。
運:自力の運力の値。高ければ高いほど良いことが起こる(かも)。100が最大である。
狂王エノモト
魔人族男性
年齢:21
職業:魔王
Lv MAX
HP:12700
MP:69798/70000
筋力:2160
敏捷:3740
体力:7300
知力:5680
物耐:9980
魔力:9999
魔耐:9999
運:67
ゴリアテ
狼魔種男性
年齢:21(元34)
職業:守護者
Lv:MAX
HP:22800
MP:56000
筋力:8700
敏捷:1360
体力:9999
知力:3510
物耐:9999
魔力:3090
魔耐:9999
運:89
ハスミン
ダークエルフ男性
年齢:21(元103)
職業:暗黒魔導術師
Lv:MAX
HP:14000
MP:98000
筋力:1280
敏捷:4700
体力:6910
知力:8103
物耐:5600
魔力:9999
魔耐:7600
運:31
ユックリーン
魔人族男性
年齢:21
職業:暗殺者
Lv:MAX
HP:16900
MP:67000
筋力:4620
敏捷:7040
体力:6320
知力:8501
物耐:8700
魔力:3850
魔耐:5900
運:70
「「俺ら、年齢変わってやがる。。。。」」
「「見してー」」
、、、、、、、
「「爆笑wwwwww」」
「ゴリアテリアルwwww」
輝御と隆輝が爆笑し、琢磨は堅治のリアルな数字に笑っている。堅治は。。。
「じゃかしぃわおんどりゃ!」
「「「はい、さーせん」」」
ちょっとキレた。
ステータス部分はのちに変更する可能性が高いでガンス