表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒桜旅団異世界冒険記  作者: 狂王エノモトと愉快な仲間たち
第2章 王都動乱 騎士育成⁉︎
18/28

18話


「んで、さっきの状況は?」


あの後俺らは、ハスミンのしてやったり顔にイラッと来て、比較的早く落ち着いた。(まぁそれでもちょっとは時間がかかったわけなんだが)

そして、落ち着いた俺は、1人だけわかってないこの状況について、4人に尋ねたって所だ。


「あ〜なんというか…」

「ロフトが追ってたこいつを、ロフトに気づかず俺らが」

「ぶんどった(ニヤリ)」


うん、だいたい予想通り。さっき僕の獲物ぉぉとかギャン泣きしてたしな。


「だいたいわかった。次はロフト、こんな森の奥で、騎士団長様が1人で、なんで獲物を探していたんだ?」

「それは……姫が、森の新鮮な山の幸が食べたいって仰ってたから…」

「「「「姫?」」」」

「わ、私が幼少期よりお仕えしているミラス王のご息女です。」

「女か。」

「「「だな」」」

「その、、姫さまは昔からこんな私を気にかけてくださっていて、恩に報いたいと…」


そう言うロフトの顔は少し赤みがかっており、まるで恋する乙女のような…失礼、男だった。というか、山の幸って野菜、山菜じゃね?

とか思ってたらハスミンが歯ぎしりしながら一言


「ぐぬぬ、彼女持ちか」


「そ、そんなっ!恐れ多い!」

「だが気になってんだろ?お?」

「「「羨ましい……」」」

「付き合っちゃえよ…」

「んなっ!む、無理です!!」


んだよこいつ、無理無理って。アタックしなきゃワカンねぇだろ!

ふと昔を思い出す


中学の頃、好きだった女の子がいた。しかし、特に攻めるわけでもなく、遠目から見てただけの日々…



「ロフト、お前自分に自信がないにだろう?」

「なっ!」

「ああ、わかるとも。俺もそんな時代あったからね!!!そんなお前に朗報だ。」

「な、なんでしょう」

「ここに、最強の4人が揃っている。」

「へ?」

「貴様を、その養父よりも強い存在へと進化させてやろう!!!!!」

「えええええええええ!!!」

「これは決定事項です。」

「「「面白そう」」」

「異論反論口答え等一切認めません!」

「そ、そんなぁ〜」

「と、いうことでお前ラァ!このダメ男を矯正するぞっ!!!!」

「「「おっしぇぇい!」」」


「ところで、そんな時代っていつの話?ねぇねぇいつの話?」

「う、うるさいっ!」


く、ハスミンめ、ちゃんと聞いてやがった!





「そうと決まれば、やることは一つ」

「パワーレベリングだな」

「そうだ。ということで“大リーガー養成ギプス”!!“黄金バット”!!!」


大リーガー養成ギプス・黄金バット

これは、課金ガチャの(比較的)当たり枠のアイテムだ。レア度で言うなら中の上。初心者救済アイテムで効果は装備者の取得経験値を1.5倍にしてくれるアイテムだ。

尚、両アイテムで重複出来るため、合計2.25倍になる。

かなりイイアイテムだが、被った場合、意味がなく、トレードに出すしかないので、課金ガチャの中では比較的当たり枠との評価だった。


ふっふっふ。これを使って、見たこともない景色というものをロフト君に教えてやろうじゃないか!!


















「その後の経過はどうだ」


夜深き暗闇の中、冒険者のような格好をした男たちが集まっていた。


「奴は騎士団を辞めたようでっせ。あいつの最後の一撃が効いたようでさあ。」


彼らの目は暗く、鋭い。気配は薄く、しかし油断のない。ただの冒険者とは思えないような雰囲気を醸し出していた。



「これで次の戦争では我が国も楽になるだろう。」

「そうですなぁ。この国も、既に取ったようなものでさあ!」

ああ、これまでの障害であった両巨頭。“緑騎士”と“術姫”の片方を潰したんだ。これは大きい。

我が帝国の主は近々周辺国に宣戦布告しようとお考えらしい。

その次の戦争では、前のようにあの2人に壊滅させられるようなことはないだろう。


タッタッタと足音が聞こえる。

訝しむ彼らは、そっと自らの持つ武器に手を伸ばす。しかしそれは杞憂のようだ。

息を整えながら。ドアを開けて入って来たのは、男たちの仲間の連絡役だったから。


「隊長、本国より追加命令が降りました。」


その言葉に周囲は軽く驚く。

しかし、すぐに切り替え、連絡役の次の言葉を待つ。


「出来るならば、“術姫”をも墜とせとの事です。」


その言葉を聞き、男達の顔が歪む。


(こいつら…前のこと相当根に持ってんな)


彼らは、戦場にて術姫に一度負かされた経験がある。故に、この時を待っていたのだ。


「隊長、やりやしょう!あのお姫様に俺たちの恨み、ぶつけてやりやしょうや!」

「緑騎士のいねぇこの国の兵なんて、俺たちの敵じゃねぇぜ!」


仲間達がやる気に満ち溢れている。


「ふ、そうだな。やるとしようか。」


一気に沸く隊員たち。その中で1人、副隊長が、彼に寄って来た。


「隊長、術姫の件、俺に任せちゃ貰えませんかね。」


彼は知っている。副隊長が野心家だということを。そして、野心が空回りして度々暴走しがちなこともあることを。


「ダメだ。お前には慎重さが足りない。そんなお前には重要人物の暗殺は任せられん…」

「へい、了解です。」


副隊長は渋々と言った感じで下がって行った。

(そういうお前は慎重過ぎんだよ。ざけやがって。)

副隊長の男は、1人心の中で悪態を吐く。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ