12話
うおおおおおおおおいおいおいおいおいおい!
やっちまったぜ、ついカッとなってフルボッコにしてしまった。後になってから猛烈に後悔。あんな目立つつもりなかったんだけどなぁ!
けどあいつらが悪い。誰だって自分が大切にしてるものをバカにされたらキレるに決まってる。それに“黒桜“は俺たちの絆だぞ?それをバカにされたんだからもう怒髪天ですわ。伊達に愛用してないぞこの名称。
俺らは、冒険者ギルドを出て、近場の宿に向かうために大通りを歩いていた。なお、宿の位置はサイモギルマスに聞いているので、迷うことはない。
「ハスミン、もう少しやっても良かったんじゃね?」
いきなりなに言ってんだこいつ(ユックリーン)
「えー、なんかめっちゃ弱かったしあの程度で良くね?てかお前、いじめすぎた自覚あります?あれじゃ観客には印象強いかもだけど本人は早くも落ちてたから意味ないかんね?」
確かに。ユックリーンのボッコだと本人の記憶にはあんま残んないよなぁ速攻で気絶してたし。
「む、ゴリアテはどう思う。」
「ん?そうだなぁ、案外狂王が一撃で終わらせてさっきの口上ですぐ終わりだったんじゃないかなぁ。確かにカッとなって四連戦とか言ったが、そこまで痛ぶるほどあいつのステータスも高くなかったからな。」
まとも!まともな意見ですわ。2人もなるほどって顔してるよ。
「狂王だったらどうやってあいつ倒してた?」
そうだなぁ〜あいつは魔法使いってわけじゃなく、前衛職だったし、取り巻きの女はそこまで脅威じゃなかったし。。。
「歩いて近づいて、首根っこ引っ掴んで何度も腹パンかな。ちょうどガン◯ムAGEのガフラ◯を始めて倒した時のビームダガーで何度もさす感じに。」
「あ〜あれか。残りの女は?」
俺に女を殴る趣味はない。攻撃されても俺の防御力ならかすり傷にもならないだろうし、
「無視だな。初級魔法なんてどれくらい食らっても痛くないだろ。」
食らったことないけど。
「まぁいけ好かないあいつが負けを認めれば終わりだろうしなぁ〜。けどこれは今だから言えることであって、キレ状態のさっきだったらもしかしたらとんでもないの召喚してた可能性もある。」
最悪、この街消えてたかも。
「あ〜、すまん、狂王は出さなくて正解だった。この国が地図から消えるところだったようだ。」
ゴリアテはすまなそうに訂正した。
国消えるとか酷いわぁ〜人をなんだと思ってるのかしら!そんなことあるわけ…いや、異世界補正考えると俺の身に宿してる奴らだとそれくらいやれるかもしれん。
とか思ってたら宿に到着した。名前は“夜空の栄光亭”。厨二ってるねぇいいねぇ〜嫌いじゃない。
「まぁなんだ、こうして宿まで教えてもらったことだし、我々のワガママでサイモ殿には迷惑をかけてしまったから明日は謝罪しに行こう。」
「「「せやな」」」