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テンプレ批判をする人 ①

 テンプレ、という言葉に忌避感や嫌悪感を覚える層がいる。

 人によって嫌う理由は様々なのだろうが、その中でも特にこんな理由が多いのではないか? と思われるものをいくつかあげてみよう。


 まず、創作の意義に「自己表現」を含むと考えている人間だ。それでいて、「テンプレにはオリジナリティーがない」と考えている人間だ。

 そういう人間からは、テンプレを利用することは人気のために誇りを捨てているように見えるのではないだろうか。


 さて、これに対する反論は二つ。


1.テンプレだからオリジナリティーがないわけではない。

2.創作の意義はひとそれぞれであり、人気のために書くことも本人の自由である。それを「間違っている」とするのはお門違いである。


 一つ目の、「テンプレ=オリジナリティーゼロではない」というのは、単純な話だ。テンプレと言っても一から十まで正解があるわけではないのだ。これまで述べたように「題材、設定」「ストーリー」「魅力の軸」「サイト向けの配慮」などがある。

 たとえばサイト向けの配慮だが、二万文字を一話にいれたり、逆に三百文字一話で投稿すると読みにくいと言う方が多いだろう。そこで多くの読者を意識している小説家は、二千文字〜五千文字程度で投稿しているのではないだろうか。 

 この話は、「なろうで人気をとるには」という話でよく上がる。


 さて、テンプレ一つとっても四つの要素、そして一つの要素の中にかなりの自由度がある。これら一つ一つを紐解けば、「テンプレとは決まった作品の型ではない」と伝わるのではないか。そう思って前回のエッセイ、今回のエッセイにて「テンプレとはなんぞや」という話をしている。


 テンプレを「みんなこんな形」と見ているとすればそれは、


・大雑把なネットで語られるイメージで見ている

・テンプレについて語れるほど読んでいない

・そもそも最初から嫌いだから、偏見やフィルターがかかっている


 あたりになるのではないか。

 そのイメージ、フィルターを外してたくさん知ることがテンプレの理解には重要だ。

 しかし、嫌いな人間からすると「それを理解しようとすること」そのものをプライドが許さない。故にいつまでも「テンプレはオリジナリティーがない」という結論ありきの批判で、その先を論じることはない。

 だからもし、気になる方がいれば気軽に聞いてくれれば良いかと。具体的に作品名を上げて「この作品のオリジナリティーと、テンプレ要素はどこか?」と。感想欄が恥ずかしければメッセージでも全然構わないし。その時は私もその作品を読んで一緒に考え、答えると思う。


 そして、少々残酷な話をしておくと、オリジナリティーがある、と自身が思って書いている物語のオリジナリティーは


・他に似たものがない限り、それは多くの人間が「思いついたけど面白くないからやめた」というものである。

・自分が考えているほどオリジナリティーがない


 という可能性が高い。

 一つ目の「面白くないからやめた」を分かりやすく言うために極端な話をしよう。Web小説の大半は日本語で書かれている。これはこのサイトの規約もあるが、オリジナリティーを突き詰めるなら個人サイトで英語で書いて投稿してもよいではないか。もっと言うなら、独自言語を作り出し、それで描いてもよい。

 もちろん「難しいからできない」という人が大半だろう。ハードルが高いのだから。でもできる人間もいるはずだ。しかしできる人間の大半もそんなことはしない。それはなぜかと言えば「そんなことをしても読まれないとわかっている」からだ。

 もちろん海外では英語が読まれるが。

 日本では日本語で書く。全員と同じで、思考停止だろうがなんだろうが「一番読まれるのはこれ」という正解が存在している。それに対して「オリジナリティーがない」と怒る人間はいない。自分もしないから。

 これは極端な話だから「ほぼ読まれない」などという強い言葉を使ったが、要するに「こう書けば、このサイトのユーザー何人中何人が読みたいと思うか」という傾向は少なからず存在する。


 次に、「オリジナリティーは思ったより出ない」という話だが、これは単純な話で、世の中には膨大な数の作品があるから、その全てと被らない作品を書ける「ごくひと握りの天才」なんてそうそういない、いうだけのことだ。

 もし、「自分は他のどの作品にもない独自性の塊みたいな作品を書いてる」と思っている人間は「自分は全創作者の中でも独自性において頂点レベルの才覚がある」と主張できるか? ということだ。

 私は自分の作品は面白い、それなりに独自性もある、と思いながら書いてはいるが、それでもそこまで(私が頂点だ!!!みたいな)自信はない。

 だからよく「自作のここはあの作品に影響受けてるな」「あー、これはあの作品で見たっけ」「これ参考にしよ」なんて思いながら書いている。


 以上のことから、

・テンプレでもオリジナリティーは多少あるが、非テンプレでも完全なオリジナルはない。

 というのが私の主張である。


 次に二つ目の「創作の意義はひとそれぞれ」という話だ。

 まず創作には「外的な目的」と「内的な目的」がある。


 外的なものとしては

・たくさんの人を楽しませたい、たくさんの人に褒められたい

・ランキングにのりたい

・書籍化、コミカライズ、アニメ化などしたい

・お金が欲しい

・小説を書いているという肩書きが欲しい 

 などだ。


 内的なものとは

・過去のトラウマを何かしらの形で昇華したい

・自己表現したい

・自分の理想の物語を生み出したい

・妄想が楽しくて結果を文字で残している

 あたりが考えられる。


 もちろん、どれがひとつで書いているという方が少数派で、多くの人間はいくつか理由があるはずだ。内的なものだけの場合、ノートやワード、メモ帳に書いて誰にも見せない、なんて人もいる。しかし少なくともこのサイトに公開設定で出している以上、あるいは感想やレビュー、評価を受け付けている以上は外的な欲求もある、と見た方が良い。

 また、内的→外的なものもあり、たとえば世の中への不満に共感や賛同が欲しい、面白いと思うものへの同意が欲しいというものもある。

 これは最初は内的な「不満を形に」「面白いを物語に」という目的に対して、なぜしたのか?どうしたいか、というときに出てくる外的な欲求である。


 さて、オリジナリティーが!と強く主張する方はおそらく「自己表現」が自身の創作理由に含まれているのではないかと思われる。

 彼らにとって「人気が出そうだからこれを採用」という行動は、「自分に嘘をついている」ように見えるのだろう。

 わからないでもない。実際、自己表現という目的が強い人間が、外的な欲求に引きずられてテンプレを書き始めて挫折するケースは多い。


 しかしながら考えてもみてほしい。世の中には多くの素晴らしい趣味や職業がある。でもその全てに対して、おそらくあなたは同じ熱量では挑めない。

 たとえばあなたが小説の他に、音楽を聴くことを趣味としているとしよう。しかし音楽を作ったり、研究することに労力や金、時間を投資しているだろうか。もっといえば、小説や音楽が好きな人間が絵画や料理に同じだけの意欲で挑むだろうか。

 職業でもそうだろう。ひとつの会社で清掃員も事務職も営業も立派な職業だし、消防士もプロ野球選手も弁護士も社会に必要な職業だ。

 絵を描いている人間に「どうして音楽を作らないのか。色をつけて動かしてアニメにしないのか」と聞かないように。あるいは消防士になりたいという学生に「どうしてプロ野球選手を目指さないのか」とは言わないように。

 人間はそれぞれ自分の目的にあった範囲で努力すれば良い。弁護士を目指す人間にハードな肉体トレーニングを課さないし、プロ野球選手を目指す人間に六法全書を覚えさせない。

 それと同じで、「異世界ファンタジーを書きたい」作者に「宇宙を舞台にしたSFを書かない」ことを批判しない。あるいは「ランキングにのる程度にはブックマークが欲しい」人間に対して「人気の題材を使って、主人公の活躍メインで書く」のを批判する意味は無い。

 

 少し、フォローをしておくと「オリジナリティーは人気を獲る上で不利」なわけではない。

 なろうからはSF、推理、現代アクション、ラブコメ、歴史など多くのジャンルから書籍化されたものがある。それら全てが、所謂「異世界」「転生」「ゲーム」のいずれかを含むような作品というわけではない。

 読者などに多い「こうすれば/これを使えば売れるんだろ」という姿勢か馬鹿にされてると感じる。作者の「読者をバカにしている気がする」という悩みに対しては、そのあたりを例に出しておく。

 新規性、新鮮さもまた客を惹きつける要素ではあるので私も上手く使いこなしていきたい。

 


 さて、オリジナリティーに対する回答はこんなものである。

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