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なろうテンプレについて ②

2:ストーリー展開・構造


 分かりやすく言えば


・主人公が冒頭で死んで異世界に転生する。

・主人公が異世界に召喚される。

・魔物に襲われている馬車を助けると、商人が死んでいて奴隷(美少女)がいる。

・同様に助けると、騎士は全滅しており中には高貴な身分の美少女がいる。

・活躍する新人冒険者に絡むゴロツキ、送られてくる刺客、ヒロインを寄越せと迫る悪徳貴族。

・マヨネーズを作ってウケる、儲ける。

・複数人で召喚されて文武両道イケメンが分かりやすく強い中、主人公は変わったスキルを持っている。

・上の変わったスキルが実はとても強い。

・アイテムボックス、鑑定を持っている。

・奴隷(美少女)の主人になるも、現代日本の価値観で接すると優しいと認定され心酔される。

・魔王討伐など召喚主の要望に応えようとする他の召喚者を置いて主人公だけ好き勝手に冒険する。

・悪役令嬢に転生したら破滅エンド回避のために頑張る→イケメンにフラグがたつ。

・乙女ゲーの悪役、ライバルに転生した場合、主人公側も前世のゲーム知識を持っており、主人公だから上手くいくと思って慢心して自滅する。

・婚約破棄されると、それ以上にいい男からアプローチががかる。破棄した男が惚れた女がひどい性格で破棄した男は破滅する。



 とまあ、こういう感じの。

 私は別にこの手の展開、好きな物も多いので特に批判するつもりはない。

 とりあえずこの手のストーリーのテンプレの長所について、説明していきたい。


 まず、実を言うとこの手の展開は名前やシチュが少し違うだけで、他の創作物でも王道であることが多い。美少女を助けて感謝される、なんてのはほかの物語でもよくある話だ。


 少年漫画で言えば、金色のガッシュベルではティオが襲われているところをガッシュが助けているし、ワンピースでは国の危機に立ち向かうビビや、故郷を守ろうとするナミをルフィとその仲間が助ける展開がある。


 ライトノベルで言えば、とある魔術の禁書目録やとある科学の超電磁砲などはそんなシーンが満載だし、ソードアート・オンライン、魔法科高校の劣等生のようにWeb発であることが忘れ去られかけているような作品にもその手の展開は多い。

 

 ここに、なろうのサイトとしての性質や需要が絡んで今の形に落ち着いているのはあるが、ベースはあくまで王道から派生している、というのが私の考えである。


 さて、それを踏まえて、「なぜ似たような展開が喜ばれるのか」というのを考えてみよう。


 似たような展開、ということは「この先起こる面白いことについて予想ができる」ということである。


 要するに、主人公が男で、優しく扱った奴隷(女性)から感謝されれば、その奴隷は仲間かつ主人公にベタ惚れのヒロインになる。少なくとも読者はそのように想像してそれを期待している。

 そしてそういうヒロインは絶対に裏切らず、他の男性に靡くこともない。


 この場合、何故そこまで主人公に従うヒロインを求めるのか、という話になってしまう。ネットではしばしばその原因を「劣等感」や「優越感」に求めがちである。あるいは、裏切られたくないという人間不信、トラウマにも似たそれを払拭するためである、とか。

 もちろんそういう心理が全くないとは言わないが、私はもう少しドライな理由もあるのではないかと考えている。それはすなわち「恋愛が主軸ではないのに恋愛が入りすぎると面倒くさい」という理由である。


 要するに主人公とヒロインが両想いではない状態である場合や、両想いだがヒロインの愛情が主人公の行動によって細かく上下する場合、主人公はヒロインの心情を細かく推し量る必要がある。

(それをしない主人公は鈍感、デリカシーがない、フラグブレイカーなどと呼ばれる)

 

 そうやって両想いになって結ばれるまでや、ヒロインの複雑な乙女心を重視した物語はある。あるのだが、その多くは恋愛ものである。


 それを冒険ファンタジーで繰り返すとなると、冒険や事件解決などの物語進行の妨げになる。要するに縛りがひとつ増えると思ってもらっていい。


 よく「今俺は○○頑張ってて恋愛とかそういいうのは考えられない」とか「私と仕事どっちが大事なの?という女性が面倒くさい」と言われる男性のセリフはそういう心理かな、と。

 受験勉強に集中しているのに「LINE返事遅い」とか「寂しいから毎日通話して欲しい」と言われると、「好きだけど面倒くさい!」ってなる人もいる、ということである。

 

 

※ノーマルの、とか健全な、というと差別的なので本来なら「最も多数派である異性愛者の男性は」とするべきだが、長いのでここではノーマルの男性は、と表記する。


 とはいえ。

 とはいえ、ノーマルの男性は性欲もあるし、女性に愛されたいものである。(主語が大きい)

 しかし愛してくれた女性も、いつ帰るかも保証せず旅立ってしまえば、いつしか心は離れてしまうかもしれない。

 かといって仲間として連れ歩く場合、ほかの仲間が男ならそいつと何かあるかもしれないし、男仲間がヒロインに惚れてしまえばヒロインにその気はなくても厄介だ。冒険していれば湯浴みや寝る時に、そういう姿を見られたりもあるだろうし。


 とまあ、そんな理由でほかの仲間は全部女性で固めてしまったり、身も心も主人公のものですって状態にしておくと「1番トラブルが起きない」ということになる。


 ゲスい話だけど。



 これに近いものだと、ヒロイン以外魔物にするとか、男一人女一人の二人旅にするとかがあるか。

 ちなみに私は、男2人、女2人の4人パーティーで冒険させていたが、主人公を好きなのは1人、もう1組の男女は結婚していてお互い以外は恋愛対象にならない。

 寝る時などは基本、夫婦とヒロイン主人公か、男女で分けるか、である。


 似たような展開が喜ばれる、というのはこういう今まで様々な作品で起きてきた、「物語性を持たせるために起こされたトラブルの数々」を「この展開なら起きない」と思わせるためだろう。

 少し特殊な用語を使うならメタ的な視点なのだ。

 たとえば殺人事件が起きた時に容疑者を集めて話を聞いていると「こんな殺人鬼のいる部屋にいられるか! 俺は部屋に戻る!」と叫んで部屋を出ていく展開は聞いたことあるだろうか?

 しかし実際に、そんなことを言って逃げ出すことは、創作物慣れした日本人ほどしないだろう。

 理屈の上で言えば、こうした事件現場において、殺人鬼が少数に対して、殺人鬼以外がそれ以上いるのが一般的である。殺人鬼からすれば、たくさん人がいるところで暴れて取り押さえられるよりも、1人しか居ないところをこっそり殺す方が楽に決まっている。少人数で戦う際の基本は各個撃破である。つまり安全なのはみんながいる部屋である。

 そして、多くの場合そのセリフを叫んだ人間が次の被害者である。

 と、そんな作品を見てきた、あるいはそういう展開をお約束として知っている人々が死亡フラグを立てて逃げないように、異世界ファンタジーにおいても「トラブルが起きそう」な展開からは逃げたいというのが読者視点である。 



 さて、このように「嫌なこと」を避け、「見たことある面白さ」を散りばめる話作りについてだが、これは後に語るコンセプト・テーマやサイトの性質で解説していきたい。



 

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