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混沌異種の自由な魔界征服?!  作者: 古手健一
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出会い

 春、それは出会いと別れの季節。

 卒業式や入学式などいろいろとある、皆んな各々の想いを持ちながら、次の一歩を踏み出そうとして気合いを入れているそんな季節。

 俺は、「・・・・ふわ〜ッ」

 大きな欠伸をしながら始業式に向かおうとしている。

 入学式は8時30分ぐらいだっけか?っと携帯を取り出し確認すると・・・8時27分。

 あと約3分、今いる場所から学園まで徒歩で約13分、全力疾走しても約6分、どう足掻いても遅刻確定ときたもんだ。

 さて、どうするかなっと考えながらも軽く走り出す。

 そもそも、今日に限って目覚ましは壊れるし、腹は下すし、おかけで遅刻だよ!と愚痴りながらも徐々に走るスピードを上げてく。

 だが遅刻が決まってるのだからわざわざ疲れる事したくないだろ。

 少し息を切らしながら走るのを止めゆっくり歩いていく事にした。

 学園から約300メートル先にある十字路に着き、ここを右折すれば学園が見えてくると言う時に、俺の後ろからタッタッタッと身軽な足音が聞こえてきた。

 ん?随分足早だな。だんだん近づいてきているので右に寄って衝突を避けようと右に行ったその時.....、ドスッ!

「キャッ!」「うお?!」

 背中に衝撃がきてバランスを崩し倒れてしまう。

「い、痛いなぁ!なにするだよ!」

 振り返り、背中に頭突きした謎の生物Xに問いかけ、振り返ると、そこにはおでこに手を当てて尻餅をついてる女の子がいた。

 中学生か?...いや、高校生か?!

 赤いブレザーに黒く短いスカート、そこから覗く太もも、太くもなく細くもなくとても綺麗だ。それに黒いニーソが絶対領域を作り出している。

 じーっと見ていた俺にその子が、

「こっちのセリフよ!いきなり目の前なんかに現れて!!」指を差しながら睨みつけてきた。

 幼い顔付きのせいで全然怖くない、髪は綺麗な金色で、背中まで伸びるストレート、瞳の色は紅い。まるで異世界からきた様な神秘的な姿だ。

 紅いの瞳....初めて見る、

「な、なに見てるのよッ!こっちを見るんじゃない!!」

 顔を赤く染めながら目を逸らされた。

「なんだかよくわからんが、先を急いでるから」

 そう言い残し立ち上がる。制服の埃を叩き落とす。歩き始め角に差し掛かるその時、後ろから慌しい声が聞こえる。男で人数は3人、なにやらイラついてるらしい。男達はこちらに向かってきている。気にせず歩き出した。

「ね、私をかくまって」いきなり制服を引っ張り小声で言う。「は?なんでだよ、かくまうって誰から....」

「今ここに向かってきてる奴らからかくまって欲しいの。だめ?」上目遣いで俺を見てくる。徐々に近ずいてくるその足音に焦っている。なんか嫌な予感がして、渋々かくまうことを決めた。目の前の金髪の子を壁に押し倒し全身で覆い被さる。「....え?なに?!」

 彼女は一体なにがあったのかわからず驚いているが、2秒後事態を理解して、白く綺麗な肌が一瞬で真っ赤なトマトのように赤くなる。

「あ、あ、あんたッ!!なにをしるてんば!!!」

 何語喋ってるんだこいつ?真っ赤な顔の彼女に顔を近づけて静かに囁く。

「静かにしてろ、そして出来るだけ縮こまり俺にくっつけ」

「なんでそんな事しなきゃ...いけないの?」目を逸らし小声で返してくる、状況は理解してるんだな。

 そんなやりとりをしていると、ドタドタと走りながらこちらに向かってくる男3人、

「こっちにはいないぞ!」「チッ!さっきまで居たんだがな〜」「落ち着けよ、じっくりじっくり探していけばいいじゃないか、時間はある」1人は、無精髭の中年スキンヘッドだ、もう1人は、最初の男より若く背が高くオールバックだ、ワックスで髪をギドギドに固めてる。最後の1人は、髪は長めでメガネをかけた細い男だ、会話的にこいつが上司なのだろう。

「今日のところは引き上げよう」「わかりました」

 どうやら気付かれずにすみそうだ。気が緩むが、

「朝っぱらから見せつけてくれるね〜」スキンヘッドさんが苛立ちながら呟く、おいおい、ガン飛ばしてくんなよ。

 無視しつつさらに密着する。

「んっ...」苦しいかもしれんがもう少しだけ我慢してくれよ。

「やめないか、迷惑だろ」

「すみません...」親に怒られた子供のように拗ねてしまう。

「さぁ、行こうか」メガネの細身の男が歩き出すと他の二人も歩き出す。

 角を左に曲がり足音が聞こえなくなるのを待つ。

「......行ったか?」彼女から離れ男達が行った道を凝視する。

 どうやら行ったみたいだ、一気に緊張感が解けたような脱力感んが襲ってきて、ふぅ〜っと息を吐く。ん?どうしてだが彼女が俯いている。気分でも悪いのか?

「どうした?あいつらはもういないぞ?...わかったぞ!あまりにも怖かったもんでちびったんだな!」

 こんな小さい子がこんな思いしたらそうなっても仕方ないか。

 笑いながら近づき屈んで手を差し伸べる。彼女の方が震えてるのが見え、やばいな〜、からかい過ぎたか?

「.....この....」

 ん?今なんて言ったんだ?

「今なんて.......ゴホッ!!」

 腹を蹴られ蹲る。なんて蹴りだ、胃袋ごと吐き出しそうになるほど強烈な蹴り。

「ゴホッゴホッ!...な...に..しやがるっ...!」

「ななな!なにでっすって!いきなり身体を寄せてきたり顔を近づけたり!!殴られて当たり前じゃない!」

 殴るだと?さっきのは殴られたのか?嘘だろ....なんて力だこいつ!

「かくまって..言ったのはお前だろ..」腹を抱えながらなんとか立ち上がる。

「かくまってとは言ったけどもっと別な方法くらいあったでしょ!!この塀の向こうに行くとか!!」

 確かに、この塀は約1メートル90センチぐらい手を貸してやれば越えられるが、時間が少しかかるし手間もかかる。なら俺のやり方のほうが良いじゃんか。

「あー、悪かったなすまない」なんか凄く怒ってらっしゃるのでここはひとまず謝っておく。

 俺って大人だな〜。

「全然気持ちがこもってない!!それに、あんな事しといて謝って済むと思ってるわけ?!」

「おいおい、言い方に気を付けてくれよ!まるで俺がお前に変な事したみたいじゃないか!」

「変な事をしたのよ!この!変態!!」

 物凄い速さで回し蹴りをさっき殴られたところにくらう、体が宙を浮き壁にぶつかり、ドゴッと鈍い音が鳴る

「ガハッ...!」

「もう二度とこんな真似はしないほうが身のためよ、匿ってもらった事は感謝してるは、でもね、初対面の人にいきなりそういう事をするのはマナー違反よ、覚えておきなさい」彼女はそれだけい言って立ち去っていった。

「.......」俺は立ち上がって制服についた砂埃を手ではらう。

 なんなんだあいつ、いきなり走ってきてぶつかるは、匿えと言われそうしたら殴られた蹴られ最後には説教かよ!

 頭の中で愚痴をこぼしながら学園まで歩いて行く。


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