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掌編小説集5 (201話~250話)

イマジネーション

作者: 蹴沢缶九郎

一人暮らしの青年がいた。青年は、


「ああ、お腹が空いたな…。ステーキを腹いっぱいに食べてみたいもんだ」


と、虚しいとわかりながらも、熱々の鉄板の上に焼かれるステーキを想像した。すると、どこからかステーキの焼かれる食欲を刺激する芳ばしい匂いが漂ってくるではないか…。気づくといつの間にあったのか、青年の前に鉄板に乗せられた状態のステーキがある。それは幻や幻覚といった類いのものではなく、現実にそこに存在していた。もちろん青年自身が用意したわけではない。

何故ステーキが出現したのか、青年の頭ではいくら考えたところでわかるはずもなく、だがこうして目の前にステーキがあるのだ。あるからには食べないと勿体ないと、青年はステーキに添えられたナイフとフォークを手に取り、ステーキを夢中で食べた。


腹が膨れ満足した青年は次に、


「一度でいいから美女にもてたいなあ」


と、美女と仲睦まじく戯れているところを想像した。やはりというべきか、どこからやって来たのか、美女が現れ、青年は美女と夢のような一時を過ごした。


青年、今度はテレビを見て暇を潰している想像をする。ご期待に添えるようにテレビが出現し、青年はテレビの電源を入れ、番組を見ていたが、しばらくして意識を失い、事切れた。


画面の中の評論家達はもっともらしく、あの世の存在について激論を繰り広げている。


青年は想像の(すえ)に答えを見つけたのだろうか…。

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